クラウドとデータベース技術
各クラウド事業者では、膨大なデータの分析処理や、トランザクション処理(商取引などの一連の情報処理)など、ユーザーの利用目的に合わせて、さまざまなデータベースサービスを提供しています。
データベースには、主にRDB(Relational Database:リレーショナルデータベース)や「NoSQL」などがあります。昨今のビッグデータ分析やIoT(Internet of Things)への取り組みの中で、NoSQLを利用する企業が増えています。
●RDB
RDBは、複数のデータを行と列の表形式で表現し、複雑なデータの関係性を処理できるようにしたデータベースです。
RDBは、RDBMS(Relational Database Management System:リレーショナルデータベース管理システム)と呼ばれる専用のソフトウェアで管理されています。
●NoSQL
NoSQL(Not only SQL)は、「RDBのようなリレーショナルデータベースではないデータベース」を表す用語です。そのため、NoSQLのデータ構造(どのような形でデータを持つか)にはいくつかの種類があるのですが、大量のデータを分散させて高速に処理する分散データベースであることは共通しています。分散させて処理するため、クラウドサービスでの実装には適しており、主に、クラウドサービスでビッグデータの分析処理などで利用されています。
NoSQLはデータ構造の違いによって、主に、キーバリュー型、カラム指向型、ドキュメント指向型、グラフ型の4つに分類されます。
キーバリュー型では、データはすべてインデックス付きの値で構成されています。構成がシンプルで拡張性が高く、データの読み込みが高速なのが特徴です。
カラム指向型は、カラム単位でデータを保持し、列単位の大量のデータ集計や更新を得意とし、データの書き込みが高速なのが特徴です。
ドキュメント指向型は、複雑なデータをドキュメントに格納し、ドキュメント単位でデータを格納、取り出し、管理することができます。複雑なデータを扱うアプリケーションの開発に適しています。
グラフ型は、データ間の関係性をグラフで形成し、横断検索を高速に行えます。
データベースは、企業の基幹システムからデータ分析まで、さまざまな活用方法があり、目的にあわせて最適なデータベースを選択すると良いでしょう。