地域2.0と地域活性化(3) --地域ブログマーケティング
麻生幹事長は、8月31日、ロイターなどのインタビューで、「地方の時代とは地方が競争する時代だ」とし、「経営感覚が地方の首長にも求められている」と述べています。つまり、地域活性化には、民間企業と同様の経営感覚そしてマーケティング力も問われる時代になってきていると言えるでしょう。
これまで、地域SNSそして聞きなれない地域Twitterに関する記事を書いてきました。今回は、地域ブログをテーマに整理していきたいと思います。
首長のブログ活用
全国で首長はどれくらいブログを開設しているでしょうか?6月に「首長と自治体運営のブログ活用を考える」を書きましたが、私が6月時点で確認する限り、県知事で2人、そして市長で10名弱となっています。東国原宮崎県知事は「そのまんま日記」というタイトルでブログを活用して積極的に情報を発信し、知名度向上の一躍を担っています。地域情報の発信そして首長の活動そしてクチコミマーケティングを首長自ら行っていくということはリスクもありますが、その効果は高いと考えています。
地域ブログの可能性
自治体がWeb2.0のツールを活用すると言えば、真っ先に思い浮かぶのが地域SNSです。その理由は、「(1) --地域SNSは普及していくのか?」でも紹介したように、自治体が政府の予算で数年間にわたって実証事業を行っているからです。地域ブログの場合はどうでしょうか?地域ブログは民間運営で沖縄の「てぃーだブログ」や岐阜の「ギフログ」等が有名で、どちらかというと民間やNPO等が主導しているというケースが多いと思います。
では、地域ブログを自治体で運営しいている事例はあるのでしょうか?
6月21日、和歌山の北山村においてブログポータルサイト「北山ブログ 村ぶろ」本格運用開始となりました。実は全国において自治体がブログポータルサイトを運用するのはこれが始めてなのです。つまり、自治体運営のブログが開始したのは、また2ヶ月ちょっとと歴史が浅いのです。【関連記事】
地域アルファーブロガーの活用は?
ブログの世界ではアルファーブロガーと言われるように、ブロガーの影響力が高まっています。企業のアルファーブロガーの影響力に注目しています。「自治体とクチコミ!地域ブロガーによる地域活性化の可能性を探る」にも書かせていただいたように、地域のあるファーブロガーを育成し、積極的に地域マーケティングとして活用していく選択肢もあるでしょう。
最後に
ブログは、アルファーブロガーやクチコミマーケティングそしてイントラブログ等様々な形で活用されています。しかし、自治体が実施主体者としてブログを地域のマーケティングツールとして活用している事例はあまり見られません。ブログ自体は導入コストが安い分、自治体にとってはあまり負担とはならないでしょう。自治体こそ、住民のCGMに目を向けてブログ等を積極的にマーケティングツールとして活用していく時期にきているのかもしれません。
■関連サイト
地域2.0と地域活性化(1) --地域SNSは普及していくのか?
(2007.9.2)
地域2.0と地域活性化(2) --地域Twitterの可能性は?
(2007.9.4)
地域2.0と地域活性化(3) --地域ブログマーケティング (2007.9.5)
地域2.0と地域活性化(4) --YouTubeやニコニコ動画じゃだめなのか? (2007.9.6)
地域2.0と地域活性化(5) --ブログポータルは成功したのか? (2007.9.17)