なぁんだ、「グロースハック」の基本はコトラーさんと同じなんだ
と、12月1日から日経新聞でスタートしたフィリップ・コトラー氏の「私の履歴書」を読んで、マーケティング素人の私はそう思いました。
私と同じくらいのマーケティング素人の方のために一応説明すると、コトラー先生は「近代マーケティングの父」とか「マーケティング教科書の神様」と呼ばれている人です(Wikipediaはこちら)。
で、「グロースハック」というのはちょっと注目を集めている“新しいマーケティング手法”です。でもって、この投稿は(翻訳させてもらった)グロースハックの解説本「グロースハッカー」のご紹介その3です(その1はこれ、その2はこれ)。
コトラー先生曰く、
「マーケティング」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。広告宣伝などの販売促進と思う人が多いが、
はい、そう思っていました。
それは氷山の一角にすぎない。
おお、そうでしたか。
で、コトラー先生の定義は以下になっています。
業績向上と顧客の価値・満足を創造することで人々の生活の改善を目指す実践的な学問だ。
(以上緑の字の部分は日経新聞の12月1日付「私の履歴書」より)
つまり、広告宣伝だけがマーケティングだと思うのはそもそも違うんですね。 「グロースハッカー」の著者、ライアン・ホリデイさんは、コトラー先生がおっしゃる「氷山の一角」こそがマーケティングだと思っていてそれなりに成功していたんですが、グロースハックに出会ってびっくりして勉強してこの本を書きました。
もしかしたらコトラー先生の本は読んでいなかったのかな。だから、製品開発から既にマーケティングの領域だというグロースハックの考え方が新鮮だったのかも。
コトラー先生が12月7日の私の履歴書に書いておられる「マーケティングの意思決定の質を高めるうえで数学の重要性を確信した」というのは、ホリデイさんの「グロースハッカーは、伝統的なマーケティング戦略を放棄し、検証・追跡・測定が可能なものだけを用いる」という説明に通じます。
そうかぁ。「グロースハッカー」は原点回帰な本でもあるのだなぁ。
でももちろん、新しいカタチでの回帰です。私の履歴書を読んで、あらためてこの本って結構まっとうなマーケティングの本なんだー、と思ったのでした。