あれはTwitterのグロースハックだったのか
先日、Twitterにいつの間にかちょっと便利な機能がついて、公式ブログでの発表はなかったんですが、いいなと思ったんで記事にしちゃったんです。そしたら、「私のアカウントではそんな機能は出てこない」というツイートがちらほら。
またローリングアウトしてるんだろうと思っていたら、そのまま静かに消えちゃいました。
この件について問い合わせたブロガーに対し、Twitterはある公式ブログへのリンクで返答。そこには、サービス改善のために一部のユーザーに通知せずに新機能のテストに参加してもらうことがあるという説明が。
Facebookも同じようなことをします。私は自分のFacebookページに頻繁に投稿するんですが、ユーザーインタフェースがいつの間にか変わることがよくあります。そのまま定着することもあれば、もとに戻ることもあります(目下、消えてしまったページの投稿の修正機能の復活を願うばかり)。
言葉は悪いですが、ユーザーを利用して機能をテストしてるんです。ネットのサービスに関わっている人であればそれほど違和感ないかもしれませんが、昔だったら考えられませんねー。テストはβ版でやるもんだと思ってました。
でも、これは最近ではわりと一般的になってきている気がします。思えばGoogleの初期のサービス(GmailとかGoogleマップとか)がずーっとβ版だったころに、「いつまでも完成しないサービス」というものに違和感がなくなってました。
いつまでも完成しないというのは、言い換えれば、成長し続けるってことで。ユーザーとしては良くなってくれるに越したことはないんで、文句も言わずに付き合おうと、さらにはフィードバックして改善に参加してやろうじゃないかと思ったりします。
これは、サービスを成長させ続けるための取り組み「グロースハック(growth hack)」の一種です。
なんでそんな話をするかというと、グロースハックを紹介する本を翻訳させてもらったからなのですー。12月12日に発売予定。えへ。
頭からっぽのまま毎日海外ネタをさがしては記事にしてきてかれこれ約10年。漠然と見ていた新サービスの栄枯盛衰の背景にこんなからくりがあったとは、とこの本を読んで目から鱗がちょっと落ちました。
宣伝広告の予算がない新興企業がひねり出したあの手この手は、今では大手も真似しています。この本は、そういうテクニックをいろいろ紹介していて、訳していて楽しかったー。
そんなわけで、出版前に少しずつこの場でグロースハックの話をしていこうと思います。はい、宣伝です。でもこの部ログを読んでくださる人なら興味を持ってもらえると思います(これもグロースハックの一種、かな)。