日曜日のお勉強「米国の特許権譲渡に関する分析」
スマートフォンがらみの訴訟合戦の激化で、今日もGoogleがIBMから1029件の特許を買った話を記事にしました。
特許は本来、苦労して開発した技術を他の人に簡単にまねっこされないようにするためのものだったのに、特許をいっぱい持って「あ、それうちの特許侵害してるから訴えるぞーいやならお金ちょーだい」と言って楽して儲ける「パテントトロール(Patent Troll)」の飯の種になっていたり、大企業が自分の市場シェアを守るためにライバルをハメる手段に使ったりしています。
これは余談なんですが、パテントトロールの「トロール」は北欧神話に出てくる妖精のことです。妖精というとなんかかわいい感じですが、「troll」をイメージ検索すると結構ごつくて醜いのが多い。「指輪物語」やハリポタに出てくるのも巨人ですね。Wikipediaによると、最初に登場したのは1994年に企業の啓蒙のために制作された「The Patents Video」というビデオのようです。YouTubeで探したら、ありました。
ええと、で、今日の本題は、企業がなんで特許をいっぱい買うのか、という話。Nortelの特許競売でGoogleが失敗した話を以前ここでしたんですが、その特許ポートフォリオにはスマートフォン関連だけじゃなく、検索やソーシャルネットワーキングに関連する特許も入っているんだそうで。下手をするとGoogle+についても、ポートフォリオをゲットしたAppleとかMicrosoftとかが訴訟を起こす可能性もあります。
で、そういうときに自分の方もバラエティに富んだ特許ポートフォリオを持っていれば、「え、でもそっちだってうちのこの特許侵害してそうじゃん。面倒だから“クロスライセンス”ってことで手を打とうよ」と持ち掛けて余計な出費を減らせるということになります。なのでGoogleはIBMから特許の大人買いをしたってことですね、たぶん。
その当たりのことをちゃんと勉強しなくちゃなーと思っていたら、ちょっと古いですが分かりやすく書かれている調査レポートを見つけました。「知的財産のための流通市場の出現に関する調査レポート」(PDF)。112ページもありますが、「米国の特許権譲渡に関する分析」という章が特に参考になります。独立行政法人の工業所有権情報・研修館というところが出しているものでした。こちらのサイトもいろいろ参考になります。