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MARTEを眺めてみる(3)

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 今回は、MARTEPart I を眺めてみましょう。

やはり、「A UML Profile for MARTE: Modeling and Analysis of Real-Time Embedded systems, Beta 2 」が対象です。

Part I MARTE Foundationsの章立ては次の通りです。

 

Part I MARTE Foundations

7 Core Elements (CoreElements) ......................................................... 21

8 Non-functional Properties Modeling (NFPs) ....................................... 31

9 Time Modeling (Time) ...................................................................... 51

10 Generic Resource Modeling (GRM) ................................................. 85

11 Allocation Modeling (Alloc) ............................................................. 115

 

Part Iは、MARETで使われる道具立ての定義と説明が行われます。

7 Core Elementsでは、モデル駆動アプローチに必要な要素、特に、リアルタイム組込みの領域に固有な要素の定義が行われます。ここでFoundationCausality(因果関係)の二つのパッケージが登場します。Causalityパッケージはリアルタイム組込みシステムの表現を行なう為に導入されたもので、第9章と関係しています。

8章はNon-Functional Properties Modelong(NFPs)。非機能要件を、定性的あるいは定量的に記述するためのフレームワークを定義しています。MARTEで想定している非機能要件は、スループット、遅延、オーバーへッド、スケジューリング方針、デッドライン、メモリ使用などの特性などです。また、Value Specification Language(Appendix B)で定数、変数、組や式の値などを記述するための道具立てを用意しています。何が非機能要件に該当するかは一概には言えないと言われていますが、エンタープライズ系の場合には、参考URLに示すものなどで詳しい議論が見られます。

9 Time ModelingMARTEで使用する時間と時間に関係するコンセプトを定義しリアルタイム組込みシステムのモデリングの記述に適したメカニズムを導入しています。ここではリアルタイムシステム組み込みシステムでは必須と考えられる、遅延、期間、クロック時間などの時間濃度(cardinality of time )など実測値で示される時間と、論理的な時間モデルの双方が扱われます。

10章 Generic Resource Modelingは、システム・レベルのリソース・モデル、つまりリアルタイム組込みアプリケーションの実行のためのプラットフォームを記述するための枠組みを与えます。ここで言うプラットフォームは、ハードウェア・プラットフォームと、リアルタイムOSなどのソフトウェア・プラットフォームを意味しています。

11章は、実行プラットフォームへの機能アプリケーション要素の配置(Allocation)について議論しています。ある時点から別々に設計されてきた実行ハードウェアとアプリケーションを相互にマッピングし、物理的資源とスケジューリング可能性を評価するための基本的な記法が示されています。この章はSysMLと強い関係にあることが言及されてもいます。

詳しくは、その道の専門家に訊くか、仕様書をご覧下さい。

 

ここまでで150ページ少々。まだまだ山のように残っています。

 

参考URL

OMG MARTE http://www.omgmarte.org/

ITEA MARTE http://www.martes-itea.org/public/news.php

Object Research http://www.object-report.jp/2009/03/05/omgmarte_tutorial_translation/

OMG SysML  http://www.otij.org/omginfo/technology/primer/sysml.html

 

  情報システムの信頼性向上に関するガイドライン

http://www.meti.go.jp/press/20060615002/20060615002.html

 

 

 

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