オープンイノベーションの場としてのIIC
横浜国立大学が、Industrial Internet Consortium(IIC)に参加してから3ヶ月。幾つかのワーキング・グループのネット・ミーティングに参加してみました。議論の内容自体は、メンバーシップ制というIICの性格から議論の中身は書けませんが、そこで起きていることの印象は書いても問題ないはずです。。
IICのワーキング・グループの議論に参加して思ったことは、概ね次の通りです。
1) スピード感
隔週のWebミーティングで、採択、検討、判断不能で保留が、その場で決まる。まず動く、そして小さな失敗を繰り返し修正するという方法論が共有されているようだ。ハンコ集めを数日でできましたというレベルを超えている。
2) 規模感
上の1)とも関係するが、事業の規模感がかなり小規模。バックオフィス系やマニュファクチャリング系は、クラウドでOK感が高い。要は、マスプロダクションとは、一線を画す規模のもので立ち上げ、高速に評価しようとする意図を感じる。最新の経営学的なフレームワークの生きた実例という感がある。
3) オープン・イノベーションさ
タレント(才能)の流動性の高さが背景にあると思うが、会社の立場を完全に離れるわけではないが、会社の枠を超えて、何をしたいか、という視点で議論が行なわれている。彼らが行いたいことに、金を出すか、出さないかは、ビジネス側のセンスであり、会社のリソースを上手く使ってことをなせるかは、彼らの甲斐性。極端に言えばパトロンの時代再びかもしれない。
こんな環境の中で、スマートグリッド、運輸、医療、公共、農業、製造業など、多くのテストベッドが組織されています。Industrie4.0との連携がアナウンスされる前後から、いわゆるスマートファクトリー系の話も増えていますし、直近では、航空会社の荷物管理システムのテストベッドもアナウンスされました。IICには、スペイン、南米、当然、北米、そして、アジアのスタートアップも多々参加し、グローバル企業とのミートアップを狙っています。日本の会社も、このような場を活用するべきだと思います。