わからないことを適切に聞くのは難しい
クラスメートに修論のアドバイスを求められました。
Aという単語を適切に使っていないことがわかり、Bという単語に置き換えたほうがよいとアドバイスをしました。
翌日、クラスメートから言われたこと。
「いや~、大里さん、昨晩大変だったんですよ。Aという単語は230箇所も使っていて、いちいちBという単語に置き換えるのは結構手間でした。」
この方はワードのFind機能は知っていたけど、Replace機能は知らなかったのですね。
私は彼のPCリテラシーが高くないことは知っていました。しかし、彼はFind機能を知っていたので、Replace機能を知らないことまでは思い至りませんでした。
このエピソードは10年以上たってもこうやって時々思い出します。
彼はどうしたら、私に「質問ができたのだろうか?」と。
「ワードファイルでAという単語をBという単語に置き換えたいのだけど、何か簡単な方法ないのかなぁ?」もし、こう私に聞けばすぐさま答えたし、グーグルに聞いてもreplace機能がひっかかったでしょう。
でも、彼からすると、Find機能を知っていたので、なんとか手の内に入り、さらに便利な機能があるかも、とは思い至らなかったのでしょう。
もっとも、置き換える単語が1万個もあって、一晩じゃできない!と思ったら、私に相談したかもしれません。
未だにこういう時にどうやったら適切に質問できたのか解決策を見いだせないけど、手間がかかるなぁ、と思ったときに、もっと別のやり方がないか立ち止まることが重要です。
そのための素養を広く身につけることなのでしょうね。先日T字型の知識を身につけることが大事と話しましたが、まさしくその知識を生かして質問できるようにする。
ビジネスの世界は、誰か他人が解決したことを著作権等の権利を侵害しない限り、まねして効率的に解を出すことがよしとされます。
どんな分野でもこのことは起こりがちですが、とくにITの分野では起こりやすいですし、またその差も大きいものがあります。
私を含め、とりあえずなんとか力技でも解決策にたどり着けるベテランのほうがこの罠に陥りやすいかもしれませんね。
もっと、楽な方法はないのか?
自答するとともに、その質問ができる壁打ち相手を見つけて下さい。そのためには自分がしていることを公開することはとても重要です。
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恥をかくことを恐れない人ほど成長するって、そういうことね。自分がわかっていないことを公開しないと教えてもらえない。