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コロナ感染療養記2:家庭内隔離、母は地獄で息子は天国

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私がコロナに感染して何が一番困ったかと言うと、中一息子との家庭内隔離である。息子は、濃厚接触者扱いなので、外にだせない。そして感染者である私とは、家庭内隔離をしなければならない。二部屋しかない小さい家で、最低限の家事をしながらでも10日間隔離生活をするということがどれだけ大変かを思い知ることになった。我が家の隔離生活の実態を紹介する。一言で言えば、息子天国、わたしゃ地獄、である。

その1:まず息子からやさしい言葉をかけてもらうことをあきらめる。
自分が子供の頃のことを考えても、母が寝ていると、具合悪いのかなぁと心配しつつも、自分がお腹がすいて夕食を食べたい事のほうが優先で、「具合悪いの?夕飯まだ?」であった。
そうすると、母は具合が悪いのに起きてきてご飯を作ってくれた。母の愛強し。
さて、こんな子供が大きくなって親になる。そんな子の子供が、母にやさしい言葉をかけることを期待してはいけない。私は症状が軽かったので、命の危険などを感じたことはなかったが、それでもちょっとは心細かったので、やさしい言葉をかけてもらいたかったのだが。

息子はずっとおとなしかった。というより、母の目から解放され、一日中布団の中で多分歯磨きもせずゲーム三昧で、天国だったに違いない。
母としては、ゲームをそれだけし続ければ、流石に飽きるだろうと願ったのだが・・・全く飽きなかった。今でもゲーム三昧である爆

その2:一番気になるのは食事、デリバリーの確保を。
自宅療養者向けハンドブックを読むと、「出来るだけ料理をするな」と書いてある。そりゃそうだ。もちろん、デリバリーを頼むことも、インスタントで済ませることもできる。
まず我が家にはストックがなかったのですぐさま危機が訪れた。3.11以来、実際に使うことが想定されていない(まずそうな)保存食はある。しかし、病気の時にとても食べる気になれない。食欲はあるものの、食べられそうなものが、ご飯、お味噌汁、ホウレンソウのお浸し、のようなもの。普段頼んでいるデリバリーは洋食のこってり系。とても頼みたくない。私はあっさりした暖かいものを食べたいのである。
ところで、普段の私は料理をしない。買ったり、おかずを作りおきしてもらって、それを温めるだけだ。しかし、隔離生活では、プロに頼めない。つまり、自炊するしかない。

教訓:具合が悪いときは、新たにデリバリー先を探すのがとてもおっくうだ。普段から、病気の時の頼み先は開拓しておくべき

その3:食事を作るのは一番大変。
手を洗って、使い捨て手袋をして、マスクを2枚しながら台所にたつ。うっかり、手袋を包丁で切ったりして、また付け直す。食器も使い捨てがよいと推奨されていたので、紙皿を使ったりしたが・・・暖かいものをいれるとぐちゃぐちゃになるし、1回でやってられないと諦めた。
使い捨て食器が推奨されてはいるものの、食洗器などで丁寧に洗剤で洗えば、感染リスクは高くない、と届けられた資料にも書かれているので、普段の食器使いに変更。
スーパーの配達で野菜を仕入れては、ひたすらお浸しを作っていた。

食の細い息子でも流石にこの精進料理では足りなかったらしく、お菓子をバリバリ食べ、間食だらけ。外出していないはずなのにいったいどこでお菓子を手に入れているやら・・・
自宅療養とは3食、息子と家で(別々に)食べることだ。こんなに料理を作ったのは・・・いつ以来だろう??

こんな低カロリーの食事を3食10日も続ければ、どんどん痩せて3キロ減。もっともリバウンドも簡単で、回復後はあっという間に1.5キロ増。せっかく痩せたのだからと現在ダイエット中だ(この話は別エントリーで)
息子には台所に入るな、とは言ったが、冷蔵庫は開ける。取手をしょっちゅう消毒した。

その4:トイレを頻繁に消毒するのは何気におっくう。
感染予防のために部屋に一日中こもりたいのだが、トイレは部屋から出ざるを得ない。水分を大量にとっている身としては頻繁に行くことになる。
日本の家庭でトイレが二つある家はまずないであろう。使い終わったらひたすら消毒するだけだ。狭いトイレなのに意外に触るところは多いものだ。便座、レバー、トイレットペーパーホルダー、ドアノブ・・・作業としては簡単なのに、何気に面倒だ。

その5:風呂は・・・なんとかなる。
入らなくても死にはしない、と感染リスクを考え、出来るだけ私が入らないことに。もっとも比較的感染リスクは低いらしい。ハンドブックには最後に入れと書いてある。息子がどれだけお風呂に入ったのかは・・・不明。通学時には毎日長風呂の息子も、一日中家にいるのならお風呂に入るインセンティブがないようだ。

その6:洗濯もなんとかなる
ビニール袋に着たものを入れて、自分のものはなんとかしのいだ。しかし、息子の服にはそんなに替えがない。人に会わないんだから同じ服着てよ、と思うのに、なぜか着替えは多い。しかたがないので、感染リスクを減らすために息子のものだけ洗濯。もっとも、ググったら、衣服からコロナに感染する可能性は低いとのこと。

その7:なんとかならないのはやっぱり息子の生活監督
結局あきらめた。
歯磨きした?と隣の部屋から叫んでも、「うん、する」と言うだけですぐさま行動に移らない。ましてや「宿題した?」とショートメッセージで書いても反応はない。隣の部屋から聞こえるのは、何やら楽し気な笑い声。友達と電話で話しているのか、ゲームをして笑っているのか・・・そりゃ、私からお小言を言われないものね、快適だよね。
案の定その後の期末テストは惨憺たるもので、春休みに学校に指定された強制補修に通った。

何か参考になるというより、コロナにかかって子供と家庭内隔離をしたら、こんなものだという、お母さんたちへの慰めにでもなれば。

関連エントリー:コロナ感染療養記:公的支援の心強さ

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