チームのプロセス・ロスを減らす
1+1が3になるチーム力ってどんなのだろう?っとアークコミュニケーションズの役員と色々考えていたのだが、1 + 1が0.8にならないようにすることのほうが急務だぞと思って話したのが↓。
***********全体会議での話***************************
アークコミュニケーションズのクライテリアに「チーム力」があります。
会社が成長するにつれ、この「チーム力」がどんどん会社にも皆さん個人にも必要とされるようになってきました。
世の中のスピードが速くなり、そして複雑になったことで、皆さん一人では解決できない課題も増え、英知を結集したり分業したりする必要がでてきています。
一方、会社のスタッフの数が増え、蓄積された経験も増え、活かせる知恵や力が増えていることは大変良いことです。
1+ 1が3になるようなチーム力。それは私が思っている究極のチーム力です。
さて、言うは易し、するは難し。現実は 1+ 1が3になるどころか、0.8になったりすることもよくあります。
今日はチームにおけるパフォーマンス、特にロスをどのようにして減らすのかについて少々話したいと思っています。
社会心理学者スタイナーがプロセス・ロスにふれ、ロビンスらはさらに発展させて、
チームのパフォーマンス=チームが潜在的にもっているパフォーマンスープロセスロス+プロセスゲイン
という大変シンプルなモデルを考えました。
集団で作業をするからこそ生じてしまうロスをプロセスロス、集団だからこそ生まれるシナジー効果がプロセスゲインです。
プロセスロスには大きく二つあると考えられています。
ひとつは社会的手抜きと言われる動機付けロス。
人数が増えることによって、大声を出したり、拍手をしたりすることがどう変わるか、という実験結果があります。2人、4人、6人と増えるにつれて、一人当たりの声や拍手が小さくなったそうです。仲間が増えると、無意識に、自分が最大限の力を発揮しなくても大丈夫と思ってしまう現象です。フリーライドとも言われます。もっとも、私はアークコミュニケーションズにおいては、あまりこのことを心配していません
心配しているのはこちら、もう一つの協調の失敗によるロスです。
綱引きの実験で、チームの人数が増えるほど、一人あたりが発揮したパフォーマンスが減る結果が出ています。綱引きの際、力を入れるタイミングを合わせたリ、方向を揃えたりする協調作業が、人が増えると多くなるためです。
会社は船。皆で一緒の方向を向いてオールをこぎましょう、と私がよく言うのは、このことです。
このプロセスロスを減らすために有効な考え方のひとつはリチャード・ベックハードの唱えるGRPI MODEL という4つの指標です。
GOAL(目的)
ROLE(役割)
PROCEDURE(仕事の進め方)
INTERACTION(相互関係)
新しい人材育成システムを導入して、この人事考課でまず達成しようとしていることは、会社と皆さんのベクトルをあわせることです。つまり、この4つで言えば、ゴールの共有と役割分担です。
お陰様で、ずいぶんこの目的は達成しつつあります。
ベクトルがずれているということが、少なくともわかるようになりましたし、ずれていることがわかったことで、自助努力が働いて合うようにもなりました。大変うれしいことです。
目的が共有できたことで期待される役割が明快になりつつもあります。
よって、次のステップに進まなければいけません。
次のステップの方向性は二つあります。
一つ目
皆さんからのフィードバックの活用
人事考課は双方向です。
会社はもちろん行きたい方向がありますが、その方向性が大きくずれない限り、皆さんの希望を叶える余地もあります。
皆さんの希望が必ずしも全部叶えられるわけではないかもしれませんが、お陰様で会社が順調に大きくなり、今は無理でも3年後に叶えることが出来るかもしれません。皆さんの希望や提案はぜひお聞きしたく思っています。
人事考課の場だけでなく、小さいことなら日々の日報、私とのティータイムなども活用してください。
スピークアップするのが上手な人、会社とのコミュニケーションの相性の良い人は、今までもこれらの機会で実現できていたのでしょうが、そうでない人に対しても、双方向性が増すように今後しくみを考えていきたいと思います。
二つ目
Procedure(仕事の進め方)やInteraction(メンバーの相互関係の構築)へ重きをおくこと。
行き先が定まっても、「どう到達するのか」というProcedureが、うまくいかないと、やはりプロセスロスは生じます。
先ほどの綱引きで言えば、掛け声をかけてどのタイミングで力を入れるかなど決めごとをしていくことですね。
メンバー間の信頼性が揺らいだり、コミュニケーションがうまく取れずに相互関係が築けないと、やはりプロセスロスは増えます。
さて、ProcedureやInteractionはGoalやRoleに比べて、やるべきことがたくさんあります。
ちゃちゃっとやってすぐ合意を得たり身につくものではないので、効果もすぐ実感できません。
小さい会社の頃のほうが、特に努力をしなくても実現できていた気すらします。
しかし、会社のフェーズが変わり、時間をかけても着手する意味も必要性も出てきました。
今後も人材育成システムを進化させながら、色々なトライアルをしていきますので、ご協力のほどよろしくお願いします。皆様からのフィードバックはいつでもお待ちしています。
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アークコミュニケーションズの2Hは4月から始まる。2Hは様々な組織開発の手法を試してみよう。