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寄付と協賛は意味合いが違う:大学生のイベントは教育的観点からも「協賛金」として集めてもらいたい

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■東大には年に2回、大きな学園祭がある。その季節になると、実行委員会から「ご協賛のお願い」が郵送されてくる。いつからそうしているのか忘れたが少額を寄付している。そうすると学園祭プログラムの後ろのほうに名刺大に私の名前が載る。

■去年から関東大学女子サッカー連盟の理事を引き受けている。学生がアークコミュニケーションズを訪問し、「協賛」のお願いに来る。リーグのプログラムの後ろに小さく会社の「広告」を出している。

Make a wishという難病の子供たちの夢をかなえる団体がある。子供に全く興味のなかった独身時代だったが、その活動に敬意を表して少額の「寄付」を続けている。

■3年前から東大女子卒業生の会さつき会が作った地方女子学生を対象とした奨学金制度の委員長を務めている。「寄付」を集める側でもあり、自分自身が「寄付」をする側でもある。

さて、「協賛」と「寄付」は何が違うのだろう?

協賛:見返りを求めるもの、対価があるもの、つまりビジネス
   広告効果・広報効果を期待されていることが多い

寄付:見返りを求めないもの、つまり善意
  しかし、金銭に変換不可能な見返りは求めている
   感謝の気持ちや寄付者の期待に応える行為など

じゃあ、五月祭のプログラムに名刺大の名前が出て、それが私にとって協賛金相当の見返りになっているのか?と問われれば、それは否である。
母校への愛、学生への支援と言う、実質「寄付」の気持ちで行っている。

でも、これは絶対「協賛」であってほしいと思う。
感謝の気持ちを表明するだけで、若者が、自分たちの遊びに他人からお金をもらってはいけないと思っているからである。

大学生はこれから社会に出ていく。多くの人は報酬をもらいその対価として何かをしている。大学時代に、目標収集金額があって、協賛という対価が必要なものを獲得する努力を行うことは、教育上も望ましいのではなかろうか。

そして、いつの日か、実行委員会側が私にとって協賛金相当の見返りがあったと本当に思わせる広報・広告効果を出す可能性もゼロではない。

「いだたいたものにはそれ相応のお返しをする」ということを常に考えてほしいと思っている。


さて、協賛と寄付は税務上も違ってくる。

企業の側から見ると、協賛は「100%損金」で落ちる。寄付は寄付控除対象なら、何らかの税控除はある。
一般的に言って、企業の観点からは、協賛のほうが税務上望ましい。

個人の側から見ると、協賛は税控除はゼロである。寄付控除対象なら何らかの税控除があるが、そのハードルは高い。(さつき奨学金には寄付控除があるが、Make a wishには寄付控除はない)

これは協賛金や寄付金を集める立場にいる人には、是非知っていてほしい。

昔は協賛や寄付を少額出す立場だけだったのだが、最近は集める立場になることも多くなった。特にスポーツ関係の支援をいただく時に、これは寄付であるべきなのか、協賛であるべきなのか考え、どういうお返しを支援者にお渡し出来るのか考えている。マイナースポーツやマイナーイベントで正直広告効果は得にくい。協賛をいただく時は広告以外の効果を提供する工夫をしている。


さて、協賛と寄付の違いを記述する際、「受ける側には寄付者に感謝の気持ちをもってもらいたい」と書いたが、寄付者がそれを求めることは少ない。むしろ、寄付者のほうが感謝の気持ちを持っていることが多いくらいだ。

寄付金を集める側になって、お礼を言いに行くと、逆にお礼を言われることも多い。
「こんな素晴らしい取り組みをして下さって、私が感謝しているくらいです」と寄付者に言われたこともある。
だからこそ、寄付者に対する感謝の気持ちは絶対忘れてはいけないし、何らかの形でお返ししなければいけないとも思う。

最近学生にちょこまか少額援助をすることが多くなり、思いの丈を書いてみた。
学生へのエールとして。

<関連エントリー>ふと寄付の桁を一桁上げようと思った。本当に出来るのだろうか??5年前に書いたエントリー。10倍にはなっていないが、現在の私の寄付総額の桁は上がった)

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