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人事制度改革2:第一歩はミッションは何か、会社からのメッセージにはどういうものがあるのか振り返ること

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会社からメンバーへのメッセージは私が基本的には発している。飽きっぽい私の性格ゆえ、言葉は色々変えている。同じ人間が発しているのだから本質はさして変わりはないだろうと「本人」は思っている。しかしながら、本当だろうか?そこで、評価制度を作る際は、まず、自分が今まで発してきたメッセージがどういうものだったのかと振り返ることから始まる。

今まで私がメンバーに繰り返し、話してきたことをまとめてみると・・・

基本理念(7つのバリュー)
会社を立ち上げた時に基本理念を作り、今もその気持ちは変わっていない。しかしながら、最近この言葉を使うことはあまりない。創業当初はよく使った言葉であったが、7つもあって長いし、覚えられない。社員証の裏に書こうかとも思ったが、私の好みに合わなかった。
・私たちは、顧客の立場にたって、プロフェッショナルな観点から、ソリューションを提供します。
・私たちは、的確、効果的、効率的に情報を伝えるコミュニケーションサービスを提供します。
・私たちは、10人から1回ずつ依頼をいただくより、1人から10回依頼をいただく仕事をします。
・私たちは、大きな視野を持ちながら、ひとつひとつ目の前の仕事を周到に進めます。
・私たちは、正しいことが何かを常に心に問いかけながら仕事を行います。
・私たちは、変化に対応できることが重要だと信じ、新しい仕事やしくみに積極的に取り組みます。
・私たちは、会社と自分と社会の幸せを増やしながら仕事を続けます。

楽しく、正しく、新しく
短くて覚えやすくてキャッチ―でいいじゃない、と思ったのがこの言葉だ。
私が大事と思ったことを端的に表している。しばらく使っていたのだが、ある時、「この表現が誤解を生んでいる」とマネージャー間で問題になった。メンバーが若かったこともあり、こちらの説明不足もあり、「楽しい」が「ラクをしたい」「楽しくない仕事はしなくてよい」と一部の人に伝わり、あまり言わなくなってしまった。当たり前と思って言及していなかったせいかメンバーの顧客への意識が薄いようなのも気になっていた。今考えれば引っ込める必要はなく、それを基にもっと会社の意図を説明すればよかったのだが。

3つのP
会社と顧客と自分のベクトルをあわせ同じ船に乗る(Positioning)、プロアクティブ(Proactive)に問題を解決、顧客に感謝されお金をもらえるプロフェッショナル(Professional)なサービス
これは結構気にいってしばらく言っていたのだが、どうしても3つの「P」にしたくて、ベクトルあわせをPositioningとしたことに、翻訳会社の社長として心の呵責があった。

Communicate Locally, Market Globally
Valueばかりに注目して、Missionを話していないことが気になっていた。話しづらかったのは、こんなに小さな会社なのに、事業が翻訳・WEB企画制作・派遣と3つもあって、まとめづらかったからだ。戦略は捨てることなので、何かを強調すると、強調されなかった事業の人々に対して負の影響があることが気になっていた。
しかしながら、この言葉をMissionとしてから、迷いが消えた。

私の中ではこれら4つのメッセージは何も矛盾がないと思っていた。弊社の評価制度は私が社員全員の顔が見えているという理由もあって、かなりゆるく運用されているので、私が評価し続ける限りは、そこにもあまり矛盾がないと感じていた。

しかしながら、1年ほど前から、大里商店からもっと脱却して(この規模の大きさの会社の割には社長の影響は少ないと思っていたのだが)、会社として継続的に誰もが顧客へ均一のサービスが提供出来るようにしたい、そうしないと会社がこのまま大きくなると崩壊してしまうのではないかと危機感が出た。

sustainableなサービスの提供
去年の10月からこの言葉の基に、具体的に色々な指示を出している。
顧客との結びつきを強めるための施策、サービスに均一性を持たせるための仕組みつくり、社員が増えたことでブラックボックス化を防ぐためのプロセスの可視化。
そこで、この動きを加速させるために、sustainableなサービスを提供するために必要な資質を分析し、評価軸を作ることにした。
この評価軸は、コンセプチュアルには簡単に出来たのだが、実用に移すには随分苦労してしまった。(この話は、別エントリーで話す)
人事システム改革の第一歩は、会社のMissionが何か確認し、そしてそれを実現するために自分が今まで何を言ってきたのか振り返って、メッセージ性をより強くするという作業をしたということだ。

<関連エントリー>人事制度改革1:変わること自体がストレス。でも評価軸が会社からの一番のメッセージ


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