翻訳発注ルール2:翻訳開始前の準備に手間をさく(続き)
ルール3に進もうと思ったのだが、スタイルガイドのことを書き加えたくなったのでルール2の続編を。
IT業界のクライアントはスタイルガイドを完備しているところが多い。I社やM社など、OSなどのメジャーなソフトウェアを販売している会社がかなり精緻なスタイルガイドを用意しているので、そのソフトウェア上で動くアプリケーションを作成してる会社は彼らのスタイルガイドに準拠して作っていることが多い。(し、そうしたほうがよい)
I社やM社のスタイルガイドはボリュームが多いのが難点だが(冊子1冊分くらいある)、なかば業界標準になっているので、ある程度汎用性はある。
さて、そうでない業界でのスタイルガイドはどうすべきか?
個人的には2~3ページ程度のシンプルなガイドラインをお薦めする。
ルールは守られなければ意味がない。守るにはルールの量も限度がある。作るほうも、ルールが多すぎると、ルール内で矛盾を起こす。
このガイドライン、翻訳以外にもなかなか役に立つ。
当然、一から文章を作る時に便利だ。マニュアル・プレスリリースなどを作る時もそうだが、特にホームページのコンテンツを書き起こす時に便利だ。ホームページのコンテンツは、各担当者が各々製品・サービス紹介などを書くことが多い。普段文章を書きなれない複数の人数の人が書く時に、統一をとりやすいし、また、それらを編集する人(外部のライターなど)のガイドラインにもなりうる。文体(ですます調、である調)や表記の基本的なルール(半角・全角の区別、カッコや中黒など記号の使い方)を揃えただけでばらつきは随分少なくなるものなので。
注記:このエントリーは当社発行小冊子「翻訳品質を上げる7つのルール」の補足として書いています。小冊子に興味がある方はこちらからお求め下さい。
http://www.arc-c.jp/present1/index.html