単身赴任者が10人集まると・・・
今から15年前日本人10人で北京に携帯電話を販売する営業事務所を合弁で立ち上げに行った。時代も時代だったし、全員単身赴任。独身の単身赴任者が女性2人と男性1人、後は全員既婚者だったと思う。
当時、北京でマンションを借りると、麻布にマンションを借りるより高いという完全な外国人向け料金で、お金をセーブしたかった私たちは、香港系のホテルで生活していた。
毎日誰かの部屋で小さなトラブル(水が出ない、物がなくなるなど)が起こって楽しかった。トラブルが起こるたびに部屋を変えてみたりするのだが、また別のトラブルに巻き込まれたりして。
メンバーのほとんど誰も中国語を話せないし、観光気分も1週間しか続かない。出張は多かったが残業は少なかったので、夜をすぐさま持て余すようになってしまった。
いつの間にか出来上がったのが、J's Bar。 アメリカから赴任してきたJayさんというニックネームの日本人の部屋に皆で毎晩入り浸るようになった。小さな部屋に10人集まって、ただひたすら飲むだけだ。そのうち部屋に帰るのも面倒になり(といっても、隣の部屋だったりするのだが)彼の部屋には複数人の人間が寝泊りするようになった。(ベッドはツインだったので、一人はベッドに寝られるが、他のメンバーは椅子に寝たり、床に寝たり)
皆そんなことは一言も言わなかったけど、それくらい、心細くて、寂しくて、一致団結していたのだ。
立ち上げフェーズが過ぎたら、Jayさんはアメリカに帰国し、J's Barは解散。
その頃は、もう皆中国で生き延びていけるようになってはいた。
J's Barは異国の地、中国での独り立ちを助けるための巣であった。
そのJayさんがアメリカから日本に遊びに来た。会うのは・・・8年ぶりだ。(なぜなら8年前に私は自分の披露宴に呼びつけたから^^;)
会うのが楽しみ!J's Barのお陰で今の私がある。