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撤退の判断

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K2単独・無酸素登頂に成功した登山家の戸高雅史さんのお話を聞いた。興味があったのは、成功談のほうではなく、チョモランマ北西壁で8,500mまで到達しながら撤退したその判断であった。
「8,000mを超える山への登頂は天候・体調を含めすべての条件が揃っていないと達成できない」と穏やかにおっしゃったが、その判断をした時の心境をもっと聞いてみたかった。
登頂に成功したら世界で初めてという栄誉の前には、私だったら、よっぽどのことがない限り前に進みそうだなぁと思ったので。

スキーオリエンテーリングをしているので、冬山に入ることは多いが、登山経験はほとんどない。が、登山に関する本を読むのは大好きで、特に遭難に関する本を読むのが好きだ。

ビジネスも突撃するより撤退することのほうがはるかに難しい。
「苦難をもろともせずに進むこと」と「無謀」は紙一重。「勇気ある撤退」と「根性なし」もどこに線が引けるのだろう??
命を失う危険のある登山において、どうやって冷静に判断できるのだろう??それとも冷静になど判断できるものではなく、単なる確率論の世界なのだろうか??

遭難に関する本は本人ではなく、第三者(または同行者)が書いた本がほとんどだ。当人がどういう気持ちで判断を下したのか、本当のところはわからない。新田次郎の八甲田山死の彷徨は小説だから、なんだかお馬鹿な指揮官のせいで大勢の命が失われたという風に読めてしまうが、本当にそうだったのだろうか??指揮官はその時その時、どういう気持ちで判断していたのか、もし私が指揮官だったらどうだったのかと、しごく考えさせられる。

自分のもともとの性格はどちらかというと無茶が好きなタイプだと思う。(スキーオリエンテーリングをしていると特にそう思う^^;)
が、ビジネスにおける私の性格は慎重だ。指揮官なるもの慎重に進路を指し示さなければいけないと思っているが、いざという時は右か左かわからなくても決断しなければいけないものだとも思っている。

それにしても、いかに私が「ヒマラヤ」オタクであるかがわかった。登山の経験もないのに、やたら地名(氷河の名前まで!)やら専門用具がわかるんだよねぇ(笑)

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