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翻訳トライアル:立場を代えると見えること

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翻訳会社は翻訳者の実力値を判定するために、翻訳トライアルと称する翻訳のテストを行うのが通常だ。
翻訳家は翻訳の腕前を上げ、この翻訳トライアルに臨むのだが、実は翻訳以外の要素でマイナス点がつく人が結構いる。

当社は翻訳家になるため修行中の方にこの翻訳トライアルの窓口業務(翻訳者からのトライアルを受付け、評価者に依頼し、その結果を翻訳者に連絡する)をしていただくことにしている。そうすると決まって、「目からウロコが落ちました。考えればしごく当たり前のことなのに、翻訳のトライアルを受ける側には見えていないことが多いんですねぇ」と言う。

翻訳学校は翻訳の技術を教えても、なかなかビジネスパーソンとしての技術は教えない。翻訳家というフリーランスの立場は一見必要になさそうに見えるが、他人と働く上でのビジネスコミュニケーションスキルの重要性を問われるのだ。

翻訳以前にマイナス点がつく例をあげると

・メールの本文に何も書かずに訳文だけを添付したメールを送ってくる
 思わずSPAMメールかと思い削除しそうになった
・他社と間違ってメールを送って来る
 複数の翻訳会社のトライアルを受け混乱しているらしい。本番の仕事をお願いしても・・
・メールの本文が誤字脱字だらけ
 トライアルもこのように誤字脱字だらけなのかと疑ってしまう
・要領の得ない質問をメールや電話で何度もしてくる
 あー、この人と仕事をするといつもこうなんだろうなと思わせてしまう
・要綱に書かれているルールを守らない
 翻訳上の細かい指示をしても守ってくれないのだろうなぁと不安になる

「こんなこと基本中の基本じゃない」と思われるかもしれないのだが、テストに一生懸命受かろうとしている方は意外に気が付かない。
大学の入試や資格試験がいい例だが、テストというのは、テストの結果だけがものをいうことが多い。
しかし、翻訳会社が行うテストは、これから一緒に仕事をするのに適切なパートナーかどうかをトータルで見ているのだ。

前述の翻訳家の卵は、こう言った。
「結果を見る前に、この人とは仕事をしたい、したくないと思っちゃうんですよ。そんなこと自分がトライアルを提出していた時には考えたこともありませんでした。少しでもトライアルで高い点数をとりたかったので、結構しつこく質問をしたこともあって、今思うと恥ずかしい。次にトライアルを受けるときに参考になります!」

最近はトライアルの受付をメールから応募フォームに変えたのでメールそのものの文章の評価が出来なくて実は少々残念。
http://www.arc-c.jp/recruit/trans/trs_idx.html

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