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暗礁に乗り上げた NVIDIA の Arm 買収 ~Armにとっては茨の道か

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ついに、というか、やはり、というべきか。

Bloombergが、NVIDIAがArmの買収を断念しようとしていると報じました。

NVIDIA、Arm買収を断念か──Bloomberg報道

このブログでもさんざん「深刻化」とか「窮地に」とか書いてきましたので、それほどの驚きは無いのですが、業界での受け止め方は概ね好意的というか、安堵感が漂っています ^^;

NVIDIAがArmを買収できなくても、NVIDIAもArmも損はしない

その一方で出てきているのが、SoftbankがArmを再度IPO(株式上場)させるのではないかという観測です。私は以前、Arm売却がうまくいかないほうがSoftbankグループにとっては良いのでは無いかという記事を書いたこともありますが、財務状況が悪化しているSoftbankには、これ以上Armを支える余力は無いのかも知れません。勿体ない、と思うのですが、仕方ないですね。(私のお金ではありませんし。。)

figure_stop.pngただ、ArmがIPOということになると、Armは結構厳しい立場に立たされるかも知れません。私はArmがSoftbankに買収された2016年に、以下の様なブログを書きました。

ソフトバンクのARM買収 - ARMは何故買われたのか?

優良企業であるArmがSoftbankへの売却の道を選んだのは何故か、を考察していますが、簡単にまとめると、

  1. 上場していると、成長を続け株価を上げ続けなければならないというプレシャーに晒される
  2. Armが強みを持つスマホ/タブレット市場は成熟化に向かっており、大きな成長は望めない
  3. 新しい分野としてIoTがあるが、そこに進出するためには多大な開発費を投入する必要がある
  4. 公開企業のまま多額の開発費を投入するのは経営的にリスクになる
  5. Softbankに買収してもらえれば、そういったプレッシャーから解放され、開発投資も存分にできる

といったようなことです。しかしその後、IoT市場は思ったように伸びず、コロナによる株価の低迷でSoftbank自身の資金繰りが悪化し、Nvidiaへの売却につながります。こちらの記事でも、同様な分析がされています。

NVIDIAによる買収、失敗すればArmは業績低迷か

つまり、そもそも業績向上へのプレッシャーから逃れ、資金の心配をせずに腰を据えて次世代の技術を開発していきたいと思っていたのが、またそうしたプレッシャーに晒される環境に戻るということで、これはArmにとってはあまり良くない環境でしょう。Softbankも、ゆくゆくは再上場を考えてはいたようですが、今はまだその時期とは思えません。

政府による買収!?

その他、なんと日本政府が買収するのでは、などという話も飛び出しました。

ソフトバンクGに新たな打撃、米提訴でアーム売却に暗雲-軌道修正も

日本政府では半導体に再度力を入れようという動きがあるだけに、ひょっとすると本気かもしれませんが、過去の事例を見ても、政府が介入するとロクなことにならないのですよねえ。。やめておいた方が良いように思います。

大手プラットフォーマーの更なる巨大化を懸念

その他に考えなければならないのは、大手プラットフォーマーが仕掛ける大型買収が規制当局を警戒させているという側面があるのだろうということです。

NVIDIAとArmの買収契約が失敗に終わったら、それはビッグテックのM&Aにどのような意味があるのだろうか

この記事にあるように、昨年くらいから各国政府が大企業の巨大買収に介入し、断念させたり保留させたりする事例が目立ってきています。これは言うまでも無く、既に巨大なプラットフォーマーがさらに巨大化することを懸念しているのでしょう。今後はこういった規制は強まりこそすれ、弱まることは無さそうです。

 

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詳しくはこちらをご覧下さい

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  • 回数 :全10回+特別補講
  • 定員 :120
  • 会場 :オンライン(ライブと録画)
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詳細なスケジュールは、こちらに掲載しております。

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