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●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【60.8%】新卒採用の転換期に、市民目線で今後の行方を考えてみるというのはどうか

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 今春卒業した大学生の就職率が【60.8%】にとどまり、超低空飛行を続ける新卒採用。上がらない就職率に加え、就活期間の長期化など問題山積みの状況を何とか打破するべく、最近になってニュースがいろいろと出ていますね。
 
 「大学卒業後の数年間は新卒者と同じ扱いにしてはどうか」とか、「新卒採用の選考開始を4年生の夏以降にしてはどうか」とか。さらには就職協定の復活という声が聞こえてきたり、一方で新卒採用を国内採用から外国人採用に切り替える企業が出てきたり。長引く経済環境の混迷が、雇用に大きな影響を及ぼしている中で、次を模索する動きが水面下で始まっているようです。
 
 先週、朝日新聞の社説に、昨今の新卒採用状況を俯瞰(ふかん)して概説した記事が掲載されました。読まれた方もいらっしゃると思います。こうした記事は、専門用語も多くて難解な内容になりがちなのですが、そこは朝日新聞。誰が読んでも、たいへんわかりやすくまとまっていると思います。

…(前略)…今のような状況が続けば、日本の大学の人材育成機能はどんどん弱体化してゆく。そのツケが企業にも社会にも回ってくる以上、放置できない。せっかく生まれた改革の機運を広げる胆力を、経済界全体に求めたい。

朝日新聞2010年10月23日付け社説より一部引用

 これは社説の最後に書かれたメッセージですが、大学の役割(の一部)を「人材育成機能」と称したのは巧妙な表現ですね。今の状況は、当事者である学生はもちろん、大学にも企業にもよくない。それを踏まえて改革を、というメッセージは、世論も同意するところではないでしょうか。
 
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 法政大学キャリアデザイン学部長の児美川孝一郎教授のツイートで、日本学術会議・東京大学・朝日新聞社が主催する公開シンポジウム『大学教育と職業との接続を考える』が予定されていることを知りました。登壇者の顔ぶれもそうそうたる面々で、児美川先生も登壇されるとのこと。

第1回「大学生の就職をめぐる諸問題と当面の打開策」
    * 日時:平成22年11月22日(月) 13:00~17:00
    * 会場:東京大学安田講堂(東京都文京区本郷)
    * 定員:1000名 参加費:無料
    * 登壇:髙祖敏明 勝間和代 寺田学 出井伸之 大橋秀雄
児美川孝一郎
            寺岡秀 牧原晋 山上浩二郎 本田由紀(敬称略)

第2回「大学教育と産業社会の関係について考える」
    * 日時:平成22年12月20日(月) 13:00~17:00
    * 会場:東京大学安田講堂(東京都文京区本郷)
    * 定員:1000名 参加費:無料
    * 登壇:北原和夫 北森武彦 井上洋 前原金一 広井良典 居神浩
            
大久保秀夫 山上浩二郎 本田由紀(敬称略)

※公開シンポジウム『大学教育と職業との接続を考える』より一部引用

 敢えて登壇者の略歴は引用しませんでしたが、大所高所から集められた各界の論客揃いだと言えるでしょう。
 
 新卒一括採用は、戦後長い時間をかけて日本経済に根付いた、我が国固有の経済システムということができると思います。それが今、大きな曲がり角を迎えているわけです。興味を持っている、とは言わないまでも、今後が気になっている方も多いことでしょう。こうした機会を利用して、世の中の流れを自分なりに考えてみる、というのはいかがでしょうか。

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