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【9000点】家電エコポイント制度を「お役所仕事」だと思ってしまう、些細な理由

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 グリーン家電普及促進事業として昨年から導入された「家電エコポイント制度」。導入当初は制度の運用面でいろんな不満が聞こえてきましたが、今年4月からは様々な改良がなされています。「ゴールドサポート販売店」で申請手続きの代行ができるようになり、申請用紙も改良され、申請~ポイント発行までの期間が短縮され、PCや携帯で申請状況が確認できるようになり、LED電球等の必要交換ポイントが半分になるなど、具体的な改善努力が功を奏してか、利用者も順調に増えているようですね。
 
 6月に入って、我が家でも15年使ったエアコンの買い換えをしました。猛暑を前に試運転をすると、動くのですが、どうも調子が良くない。さらに、メーカーに問い合わせてわかったのですが、これまで使ってきたエアコンの電気代を現行の基準で計算すると、省エネ達成率は約48%で、年間74,400円になるとのこと。さすがにこれは高すぎでしょ! そんなわけで買い換えに踏み切って、昨日我が家に真新しいエアコンがやってきました。省エネ達成率は100%、年間電気代は36,000円の予定です。今回獲得したエコポイントは【9000点】。よし、早速申請しなくちゃと、用紙を取り出したのですが、、、「うーん、これはちょっとねぇ」と残念に思うことがありました。
 
Before1

 ▼見て欲しいのが、ページ下部の規約部分です
Before2
 上記は申請用紙の中面です。申請をされた方なら一度は必ず目にしていると思います。わたしが気になったのは、この下部「家電エコポイント発行・交換申請についての規約」という部分。読んでみると、結構大事なことが書いてあるんですが、これが実に読みにくい。というか、正直読む気にならないんです。文字そのものは決して小さくないのですが、1行の文字数がやたら長く、改行されていないし、行間が詰まっているので、かな~り読みにくいのです。広告や編集の仕事をしていたから気になったのか、とも思ってみたのですが。いや、やっぱりこれ、誰が見ても読みにくいと思いませんか。
 
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 家電エコポイントの手続きについては、導入当初から「なぜこんなに時間がかかるのか」をはじめ、様々な不満点がネットに書き込まれているのを見ています。そこには「お役所仕事」という修飾語句がついているものも多かったですね。わたしも前回申請したときに約5ヶ月かかり、これはさすがに長すぎるんじゃないのかと思いました。今年に入って改良されたということで、そこは期待しているのですが、この規約を見て、やっぱりなぁと思ってしまったわけです。
 
 でも、不満を言っているだけでは情けないので、ちょっと考えて作業してみました。用紙の規約部分をスキャンして文字をOCRで読み取り、同じスペースで再デザインしてみたのが下記です。
 
After1

 ▼こちらも規約部分だけ拡大するとこんな感じです
After2_2

 再デザインでやったことは、文字の書体と大きさと行間の変更、改行の挿入、そして段組の変更です。文字は、規約中に全部で 54 35 回登場する「家電エコポイント」というフレーズを「<エコP>」に省略化した以外、他は何も変えていません。右下にあった「環境省 経済産業省 総務省」という文字は、ページ右上に配置場所を変えました。それだけです。
 
 見え方には個人差があるでしょうから、一概に言えないでしょうが、これだけ単純なことでも、少しは読みやすくなったと思うのですが、どうでしょうか。ちゃんとデザイナーさんが手を入れれば、さらに読みやすく改良することができるはずです。今回やってみたことは小手先の改良ですが、この視点で用紙全体を見直せば、もっともっと使いやすくできることがあるのではないでしょうか。
 
 使い手の立場に立てば、簡単なことで改善できることがたくさんあるように思います。「お役所仕事」なんて言われないようにするには、こうした「ちょっとしたこと」が大きいように思うのですが、、、すみません、余計なお世話だったかもしれません。。。
 
※2010.6.28.09:48 文中の誤りを訂正しました

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