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【2.8%】 2020年になっても電気自動車は100台中3台に満たない、という嬉しくない予測

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 11日に米デトロイトで開幕した北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)。GM破綻の余波がまだ色濃く残るショーの中で、米国メーカーを除く世界中の自動車メーカーが電気自動車(EV)、ハイブリッド車(HV)を一斉に発表していますね。
 
 THE WALL STREET JOURNAL日本版がこう伝えています。

(前略)…伊フィアット、独アウディ、独BMW、中国BYDの各社はいずれも、現在開発段階にある新型電気自動車の出品を予定している。日産は今年後半に生産開始予定の電気自動車「リーフ」を披露する予定だ。トヨタ、ホンダ、独フォルクスワーゲンの3社はガソリンと電気を併用するハイブリッド車の新製品の公表を予定している。一方、米ゼネラル・モーターズとフォード・モーターはガソリン式の小型、中型車を大々的に宣伝する…(後略)

 ※THE WALL STREET JOURNAL日本版 1月8日付け配信記事より引用

 昨年春のトヨタ・新型プリウスVSホンダ・新型インサイト発売、夏の三菱・i-MiEV発売など、日本はHV・EV競争で世界の半歩先を進んでいると思っていましたが、ここにきて世界中のメーカーの巻き返しが始まった感が漂ってきます。
 
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 先のTHE WALL STREET JOURNAL日本版の記事では、ボストン・コンサルティングが行った興味深い調査結果が併せて紹介されています。

(前略)…米ボストン・コンサルティング・グループは5日に発表したリポートで、バッテリー技術に画期的な改革がもたらされない限り、電気自動車の広範な普及は難しいとの見解を示している…(中略)…同社の推計によると、電気を100%使用した自動車が2020年の世界の自動車市場に占める割合は【2.8%】で、一方ハイブリッド車またはプラグインハイブリッド車(小型のガソリンエンジンと家庭用電源で充電できるバッテリーを両方搭載した電気自動車)の占める割合は23%になる見込み…(後略)

THE WALL STREET JOURNAL日本版 1月8日付け配信記事より引用

 EVの普及が進めば量産効果でバッテリ価格が下がる。しかしバッテリ価格が下がらないと、EVの普及は難しい。ニワトリが先かタマゴが先か、という話なのかもしれません。
 
 そんな中、昨夏に業務用としてi-MiEVを先行発売した三菱自動車が、今年春に予定している一般個人向け販売を前に、価格を引き下げる方針を表明しています。「値下げは段階的に進め、実質価格を現在の約320万円から2014年までに200万円台前半にする方針」(asahi.com 2010年1月8日付け配信記事より引用) 普及に一歩踏みだそうという三菱の意気込みが伝わってきませんか。
 
 こんな時こそ、政府が国策として支援策を打ち出す必要があるように感じます。もっと言えば、世界の中で、いち早く積極的なEV普及支援を打ち出した国が、一歩リードするのではないかと。かつての太陽光発電を巡る国際情勢の変化の歴史を見れば、一目瞭然ではないでしょうか。。。

Comment(2)

コメント

今、アル・ゴア著の"Our Choice"を読んでいるのですが、太陽光発電や風力発電のように連続供給が難しい電源をもっと普及させるためには、電気自動車のバッテリーを電力貯蔵手段として最大限に生かすべきだ、というような指摘がありました。多様な産業にまたがる全体像を打ち出すのは、他でもなく政府の任務だと思います。

佐川さん、なるほどコメントありがとうございます。
 
国の限られた予算を使う先として、「国がやればいいこと」じゃなく、「国じゃないとできないこと」にお金を使ってもらいたい。拙い言い方ですけど、そう思います。民間がやればいいこと、地方がやればいいことを、「事業仕分け」で分類した一方で、国じゃないとできないことというのが絶対にあるはずですよね。

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