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●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【5問】「円高で困ることを3つ上げなさい」という問題を期末試験で出した先生

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 ちょうど今週は、我が家の娘たちが2学期末試験中。娘の中学では、社会の試験で必ず時事問題が【5問】出ることになっており、試験日が近い食卓では、きまってこの話題が出ます。今回はコレじゃないのか、とか、いやいやコレだよとか、家族全員がいろいろ勝手に娘に言い、試験後に誰が当たったかを競ったりするわけですが、それはともかく。わたしはこの先生にお会いしたこともありませんが、結構好きかもしれません。やり方はどうであれ、時事問題が出ることをきっかけとして世の中のことに興味を持つことにつながり、机上の学問より実学に近いことを学ぶ機会になりますよね。【5問】という分量も結構いい感じだと思います。ちなにみ今回は「事業仕分け」「普天間」「黙秘権」「ブラジル」「リオデジャネイロ」が出たそうです。なるほどね。
 
 昨日の夜、友人と近所のイオンでばったり会い、娘が同級生だとわかり、中学3年ということで受験の話になりました。その中でこの社会の先生の話をしたところ、友人の娘さんが通う中学で
「円高で困ることを3つ上げなさい」という問題が出たことを知りました。さらにその先生は、試験後の授業で、生徒の回答を一覧表にして配布し、円高が世の中に与える影響について生徒の目線で授業したそうです。
 
 わたしはこの先生に会ってみたいと思いました。教科書準拠のマニュアル的指導、詰め込み式授業、一方的に黒板に書いて板書させる手法が多いと聞いている中で、こんなリアルな授業を試みている先生がちゃんといるんだと、とっても嬉しくなりました。すごく手間がかかるけど、その手間のおかげで、リアルさがある。しかも生徒の回答を元にすることで、生徒が共感できる言葉で教えようとしていることに、感動すら覚えました。
試験で点数をつけることも大事だけど、そこから生徒の理解と記憶に残るところまできっちり面倒をみる先生。ステキだと思いませんか。
 
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 わたしの高校時代、印象に残っている先生の一人に、
世界史の辻村先生がみえます。先生は、小さな声でボソボソとしゃべり、決して話しが上手いという印象ではないのですが(先生ごめんなさい)、たとえば1894年に日清戦争があり、1904年に日露戦争があったという2行を黒板に書いた上で、その間に何があったのか、なぜ日本は2度も戦争に出たのか、世の中がどう動いたのかという話を淡々と話してくれる先生でした。教科書にも書いてないことだし、多分入試にも出ない話なんだろうけど、その余計な話のおかげで、わたしは世界史がよくわかるようになり、大好きな科目になりました。

 今年の時事問題、円高の影響が高校受験に出るかどうかは別として。事実を暗記する以上に、その背景を知ることがいかに大事か。また学校で学ぶことが、社会で起きていることを理解するためにどれほど大事か。社会に出ればその大切さがわかります。もちろんわたしも、中学高校時代にはわからなかったことですが。

 「教科書の行間を話してくれる先生」「今の世の中を分かりやすく教えてくれる先生」がもっともっと増えたら、学校の授業はもっと楽しくなるだろう…そんなことを痛切に感じました。。。
 
(追伸)
 
妹尾さんが「【速報】米自動車救済法案決裂!ドルレート88円突入、今89円台!」なんて書いてから1年弱過ぎて。」というエントリーをされてます。大変興味深い視点です。合わせてご参照ください。。。

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