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【50名】 私がアップルのサポートにポジティブな理由

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 4ヶ月ほど前のエントリーで、2回に渡って「私がアップルのサポートにネガティブな理由」を書きました。昨年末にmacbookを購入し、久しぶりにアップルPCのユーザーとなって以来、私が接したアップルジャパンのサポートについて感じたことを正直に披露したわけですが、最近、その印象が少し変わりました。

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 私がmacbookを使い始めて約半年が経過。最近、少しばかり不調を覚えていたのですが、その原因が判明せず、気になっていました。こんな時、今までなら①Webで解決の糸口を探してみる ②詳しい知人に相談する ③それでも解決しなければサポートダイヤルにコンタクトして相談する、という手順を踏みます。おそらく多くの方が、似たような方法で対処されているかと思います。

 しかしながら、一口に不調といっても、症状は千差万別。状態を説明しにくかったり、いつも再現するとは限らなかったり。またインストールしたソフトウェアや追加したパーツに問題が起因する可能性があるような場合は、PCメーカーに相談しても解決できないことが多いでしょう。実際のところは、問題がハード的なものなのかソフトによるものなのか、はたまた単に設定の問題なのか、それすら判断しにくいケースも多々あると思います。こんなときは、問題の原因がどこにあるのかを見極め、対処するに至るまでには相当の手間と時間を要することになります。

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 そこで今回、名古屋にあるアップルストアにmacbookを持ち込み、サポートの方に相談することにしたわけです。アップルストアには「Genius Bar」という対面式サポートが開設されており、そこには常にGeniusと呼ばれるサポート専任スタッフが常駐しています。彼らはApple製品のあらゆる知識を習得したエキスパートであり、対面式でトラブルの相談から症状の確認、故障診断、そして修理対応から見積までを一手に引き受けてくれます。

 Genius Barの一番優れている点は、症状を直接確認しながら、顧客の相談を対面式で受け、短時間で対処法を判断してくれる点でしょう。場合によってはその場で修理対応をしてくれます。直販店を置いているPCメーカーは最近増えつつありますが、こうした「駆け込み寺」を用意しているPCメーカーは聞いたことがありません。ストアまで出向くには相応の手間がかかりますが、それでもこの場で解決できるなら、まさに「急がば回れ」でしょう。

 また最近では電話を含めたサポートを有料化しているPCメーカーも多く、macの場合も電話でのサポートは90日まで無料となっており、期間延長にはアップルケアへの加入(有料)が必要です。しかしこのGenius Barは保証期間の期間内外を問わず、無料で相談が可能です。

 今やPCは仕事に生活に欠かせない存在になっており、「すぐに何とかして欲しい」的な対応を望む場合も出てきます。クルマなら全国各地のディーラーがそんなサポート機能を有していますが、PCの場合は残念ながら上記のようなサポート体制がないのが現状でしょう。アップルの場合でも、Genius Barを置いているのは全国7箇所のアップルストアだけであり、クルマのディーラーのようにはいきません。しかし7箇所とはいえ、いざという時の駆け込み寺があるというのは、ユーザーにとっては大変大きなメリットではないでしょうか。今回Genius Barに触れたことで、PCメーカーのサポート体制はどうあるべきか、あらためて考えさせられました。

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 ところでGenius Barは、直訳すれば「天才酒場」となりますね。酒が出るわけではないのですが、バーカウンターがあって、その椅子にかけながら相談をしている様は、アップルストアのスマートな雰囲気とあいまって、ステイタス感を感じる方も多いと思います。スタッフの肩書きはGenius。サポートスタッフを“天才”と呼ばせるのは、いささか傲慢な感じもしないではないですが。

 ちなみに私が出かけた名古屋のストアにはGeniusが7名いるそうです。聞けば、全国どのストアでも同じくらいの人数のGeniusが常駐していて、全国では【50名】以上になります。予約できることを知らずに直接店に出向いたのですが、ほとんど待ち時間もなく、相談を受けてもらいました。サポートを必要とするような状態にはなりたくないと思うのが普通の感覚でしょうが、こんなオシャレな空間で、爽やかなGeniusと相談していると、「たまにはいいかも…」なーんて感じちゃったりするから、不思議なものです。サポートですら、優越感というか、所有する喜びみたいなものを感じさせてしまうのも、アップルの巧さなんでしょうね。。。

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