【25.0%】 私がアップルのサポートにネガティブな印象を持っている理由(2)
前回に引き続き、アップルのサポートについて、もうちょっと考えてみたいと思います。
PCを含む家電品のメーカー無料保証は、通常使用時の故障に対して1年間無料というのが一般的でしょう。また使い方の説明から不具合への対応などは、電話(フリーダイヤル)での対応+E-mailでの対応、というのが標準的なところでしょうか。しかしながら、サポート体制構築にかかるメーカーの費用は年々上がり続けていることから、一部のメーカーはサポートの有料化や無料期間限定に踏み出しています。
こうした一般論を踏まえて、アップルのサポートを、私の経験を加えて整理してみます。
- マニュアルは基本、製品には添付されていない
- Web上にはマニュアルが用意されている
- 疑問点の解決には、熱烈なファンがWeb上でTipsを多種公開しているのでとても便利
- 電話でのサポートは、購入後90日間の限定(iPodは90日間に1回のみ!)
- コールセンターの方の対応は丁寧でした
- アップルストアで質問すると、とても気持ちよく教えてくれました
- 自然故障に対するメーカー無料保証は1年間
- 3年(iPodは2年)への延長保証制度あり(AppleCare)
- AppleCareは、とても高額である(たとえばMacBookなら31,500円)
こう並べてみると、属人的な対応はともかくとして、仕組みとしては、独自性があるわけでもないし、日本の他メーカーに比べて勝っているとは言えないなぁ、というのが私の印象です。
(追記:デルやHPなど米系のPCベンダーも、アップルに似たサポート体制があります。サポートに対する認識・感覚は、国柄みたいなものが根底にあるのかもしれませんね。日本では、サポート=サービス=無料、みたいな認識がある一方で、米は違うのかも。)
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私はPCだけでなく、家電品を購入する場合、メーカーの1年保証では不安で、必ずといっていいほど家電店の延長保証制度を活用しています。多少高くても、満足できる延長保証がある店で購入するようにしています。当然、MacBookもそうしようと思っていたのですが、なんと私がよく利用する店では、Apple製品は延長保証制度の対象外とのこと。
- 店員さん:「Apple製品で延長保証が必要な場合はAppleCareを購入してください」
- ワタシ:「私はこの店の延長保証制度を高く評価しているので、この店に買いに来ているのですが」
- 店員さん:「Appleさんは契約条件が厳しくて、当店の延長保証は対象外とすることが販売条件になっているのです」
この話題は以前にも<【1億台】 iPodは、使いやすいけど買いにくい~中学生の娘の、グサッとくるつぶやき>でも少し書きましたが、ちょっと残念なやり方だと、私は思っています。
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さて。先回のエントリーで、コールセンターに問い合わせをしたと書きましたが、それは、「Appleさんから、なぜか同じメールが毎回3通届くので、1通にしたいのですが、方法がわからないので教えて欲しい」という質問でした。しばらく電話口で待ちましたが、短時間では解決方法が判らず、調べるので時間が欲しいとのこと。私は、「急がないので、解決方法が判ったら登録しているメールアドレスにお知らせください、こちらで手続きが必要なら方法を指導ください」と伝えました。
すると、担当の方は、「コールセンターでは、こちらから電話やメールをすることができませんので、お手数ですが改めてお電話をいただけますか」との回答。なんか変だなぁと思い、どうしてアップルさんから回答の連絡をもらえないのか尋ねると、
「当社のルールで、そう決まっておりまして…」
結局、理由が判明したらアップル側で修正対応をいただくということで決着したのですが。そっかぁ…そうなんだぁ…先回のエントリー同様、やっぱりアップル(ジャパン)のルールは、どうも顧客志向じゃないなぁと感じてしまった次第です。
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日経マーケット・アクセスが企業情報システム担当者を対象に行った、国内の主な情報通信製品/サービス・ベンダーへの満足度調査というのがあります。その中の「サポート・サービス」の不満足率では、APCジャパン28.4%、アップル【25.0%】、デル23.9%でワースト3という不名誉な結果を残しています。これはいわばプロに聞いたサポートの満足度であり、一般コンシューマーとは視点が違うのかもしれません。
一方、米ミシガン大学が行った全米の顧客満足度調査では、アップルが5年連続でトップに立ったそうです。これは製品の性能や機能、価格、サポートなどすべてを総合的に含んだACSIスコアという指標で毎年行っている調査であり、サポートだけをピックアップしたものではありませんが、アップルが顧客の高い支持を得ていることは間違いないようです。
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ひょっとしたら、アップルは、その熱狂的なファンに甘えてはいないだろうか…これが私のアップル(ジャパン)のサポートに対する正直な印象です。手厚いサポートには、コストがかかりますし、それは製品価格にFBされ、利用者への不利益につながりかねないということも判っているつもりです。またサポートに求めるものは人それぞれであり、すべての人に満足を得るのは大変難しいということも承知しています。
でも、でも、2回に渡って取り上げた一連の疑問は、顧客志向とは違う方向で考えられている仕組みの問題に起因すると、どうしても感じてしまいます。一人のアップル・ファンとして、いや、わたし以上にアップルが大好きな多くのファンのためにも、アップルらしいサポートの提供を期待したいと思います。
※先回のエントリー【90日】 私がアップルのサポートにネガティブな印象を持っている理由(1)も是非ご覧ください。