【8,500人】 考えない若者を生んでいるのは誰なのか
先回のエントリーでTVドラマ『婚カツ!』の話題を取り上げました。視聴率的には確かに不振な推移となっているようですが、婚活というテーマ自体は、何かと旬なのかもしれませんね。
婚活といえば、名古屋で初の風変わりなイベントが5月28日に予定されています。その名も『親の縁は子の縁交流会』。早い話、親が参加する集団お見合いだそうです。調べてみると、すでに結構な開催実績があって、中部地方では初開催ですが全国では71回目になるそうですから、ちょっと驚きました。
これは札幌の結婚相談室オフィス・アンが主催するイベントで、同室のWebSiteによれば、これまでに東京・大阪・福岡など全国を巡回し、のべ【8,500人】の親が参加したそうです。このお見合い、当事者である子どもは参加できなくて、その親だけが参加するというのがミソ。よくある結婚相談所と異なるのが、お見合いに参加するのに1万円かかる以外に、登録料や紹介料などは不要というシンプルかつ安価なシステムで、これも人気の理由だとか。
事前にプロフィールを提出すると、会の前に実名・大学名を伏せた一覧表が送られてきて、それを見ながら事前検討。当日は、お眼鏡にかなった親元にかけより、身上書と写真を渡して我が子をPRする光景が繰り広げられる(中日新聞2009年5月13日付け朝刊より引用)というから、何ともスゴイですね。
親が合コンしてどうするよ~
って思わないわけでもないですが。結婚しない女性が増え、また草食系男子が増殖する昨今ですから、これもまた必然なのでしょうか。
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婚活に限らず、最近は子どもの“人生の節目”に、親が関わる度合いが高まっているように思えます。たとえば進学では、大学が開催するオープンキャンパスに親が同伴する比率が年々高まっています。大学によっては、親向けのオープンキャンパスや進学説明会を開催するケースも増えています。進路決定に何らか親が関与するのは昔からのことだと思いますが、最近は子ども以上に親が積極的になっている感があり、それを受けて、どの大学も親対策に余念がありません。進活も親の時代、なんでしょうかね。
また就活も同じ。一昨年あたりから、親向けに会社説明会や会社見学会を開く企業が出てきて、話題になったことを覚えていらっしゃる方も多いと思います。ただ折からの景気後退で新卒者の採用を手控える企業が増えていますので、今年はどうなるのかわかりませんが。リクルートで採用関連事業に携わる後輩にヒアリングしてみたところでは、就活も学生ばかりでなく親を意識する傾向にあるというのは間違いないようです。
進活、就活、婚活…親が出しゃばれば子どもが引っ込む
これが世の中の道理だと思うのですが、どうなんでしょうか。親の心子知らず、とは昔から言われることですが、最近はそんなことに構わず、親がどんどん積極的になっているわけです。とにかく親の干渉から逃れたかった私の時代とは明らかに違いすぎて、戸惑うばかりです。
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以前の『雇用崩壊』発刊に関連したエントリー「解決すべきは雇用なのか、就職なのか」でも、最近の若者に共通する主体性の弱さに触れてきました。今回紹介したことと合わせて考えるに、親と子の関係に見られる変化が若者世代に見られる弱さを育んでいる一因になっている、というのは考えすぎでしょうか。このままだと、子ども世代は自分でモノを考えなくなってしまう…と一抹の不安を感じてしまうのですが、ちょっと飛躍しすぎでしょうかね。。。