【250】 オバマ大統領は、Mr.Quarter
オバマ・米国新大統領の就任直後の支持率が68%を記録したとか。歴代大統領の中でも、ケネディ大統領に次ぐ高い数値とのことで、上々のスタートといったところでしょうか。これは文字通り期待値の大きさを示す数値であり、逆の見方をすれば、今の米国が抱える閉塞感の裏返しだとみることもできるかもしれません。就任以来、すでにオルタナブロガーの多くがオバマ大統領について取り上げ、日本でも時の人となっていますので、少々出遅れ気味ではありますが、私も少し触れてみたいと思います。
オバマ大統領の就任演説には、全米から【250】万人が集まったと報道されています。米国の人口が3億人だとすると、その8.3%がホワイトハウス前に集まったということになりますから、結構すごいことですよね。実はこの【250】という数値、オバマ大統領を語る時によく出てくる数値となっているのです。
オバマ大統領の就任演説をインターネットでライブ中継でご覧になった方も多数いらっしゃるかと思います。この中継で技術的なサポートを担当したLimelight Netwaorks,Inc.は、このライブ中継に世界中からアクセスした数が【250】万人だったと発表しています。同社によると、「インターネットのライブ中継で記録したトラフィック量で世界最高を記録した」とのこと。
とにかく米国民の期待を背負い、世界中の注目を一身に集めての門出となったわけですが、何と言っても解決待ったなしの状況にあるのが、深刻度を増している経済問題です。この経済問題に対しては、就任前の昨年12月6日に経済再生計画を発表。その目玉として【250】万人の雇用創出を宣言しています。なぜ【250】万人なのか、その内訳を示す資料を見つけられませんでしたので、その真意は定かではありません。が、まさかオバマ大統領自身も、自分の就任演説に同じ数の人が集まるとは想像しなかったでしょうね。
調べてみると、経営不振に陥っているビッグ3(GM、フォード、クライスラー)救済のため、昨年11月に民主党が、【250】億ドルの低利融資を拠出する支援法案を提出しています(結果は174億ドルに減額されましたが)。またある試算では、もしビッグ3の経営が行き詰まり、事業規模を半分に縮小することになった場合に、全米で【250】万人の失業者が出るという報道もありました。
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ご紹介したように、オバマ大統領は、偶然にも【250】という数値に縁があるようです。この25という数値、日本では中途半端な数値だという印象があるかもしれませんが、米国ではキリのいい数値として、様々な場面で多用される傾向にあります。ご存じのように、25セント硬貨もある米国、quarter(1/4)という単語は様々な機会で目にします。アメリカンフットボールの試合はトータル80分を各20分×4クォーターに区切って行われますし、企業業績は1年を四半期に区切って発表されます。そういえばマクドナルドの話題の新商品もquarter pounder(1/4ポンド)でしたね。米国では、.99と同じく重宝な数字なのかもしれません。
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それにしても、オバマ大統領の就任で一番感動したのは、就任演説に【250】万人が集まった光景です。正直、私は【250】万人という人間を一度に(1枚の画面内に)見たことがこれまでありませんでした。仮に1m2の土地に4人が立ったとして(かなりギュウギュウ詰めですが)も、【250】万人が立つためには62万5,000m2が必要となります。これは、東京ドームにして約13.3個分の面積に相当し、一辺が791mの正方形の土地が必要となる計算になります。こんな感じで、想像しただけでもあまりに非現実的な大勢の人間が一度に集まった絵を、私は生まれて初めて見ました。正直、カラダが震えましたね。これが【250】万人かと。
さて。何かと【250】という数値がまとわりついてくるオバマ大統領、私は敬意を表して「Mr.Quarter」と呼ばせていただくことにします。次はどんな【250】で、米国民を、いや、世界中で彼の活躍を待っている人たちを喜ばせてくれるのか。楽しみに待ちたいと思います。。。
※関連リンク
オバマ新大統領、雄弁にアメリカ再生を訴え250万人を魅了(FNNニュース)
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