【114.7円】 100円割れ店も続々!ガソリンが安くなってホントによかった…んだろうか
私は職場まで片道21kmをマイカーで通勤しています。もちろん通勤以外にも使いますから、月間の走行距離は約1,500kmくらいでしょうか。仮に燃費を10km/Lで計算すれば、1月に150Lのガソリンを買っていることになります。今年に入ってからのガソリン価格高騰は、正直厳しかったです。言うまでもなく、ガソリン価格の高騰は、モノの原材料費や物流経費の上昇に直結し、食品から生活必需品まで実に多くの物が値上がり、マイカーを使う使わないに関係なく、市民の日常生活にマイナスの影響を与えてきました。
それがこのところの急降下で、今や店頭価格はレギュラーで【114.7円】(12月15日時点のレギュラーガソリン店頭価格、全国平均、石油情報センター12月17日発表)にまで下がっています。同センターの集計では、19週連続の値下がりで、2004年8月末以来、ほぼ4年4カ月ぶりの低水準とのことです。私がいつも利用するセルフスタンドでは、会員価格で103円/Lで、火木曜日はさらにサービスデーで1円引き、さらにハズレなし(?)のスロットマシン付きで、最低でも1円引きなので、しめて101円/Lとなっています。全国で見ると、すでに100円を下回る店も続出しているようで、特に高知県では90円台前半で競争激化しているとか。
ガソリン店頭価格が史上最高値(185.1円、全国平均、石油情報センター調べ)を記録したのは今年の8月で、わずか4ヶ月前のことです。つまり、半年もたたないうちに、およそ半額近くにまで下がってしまったわけです。上がるにせよ下がるにせよ、それには理由があるのでしょうが、ここまでくると、春から夏にかけての急騰、4月の暫定税率1ヶ月だけ廃止ですったもんだ事件がいったい何だったんだと言いたくなります。もちろん、安くなってよかったんですが。でも、何だかおかしいですよね。
::: ::: :::
日本のガソリン店頭価格は、元をたどると仕入れ先である中東産の原油価格に連動していると言われます。その基軸となっているのが、ドバイ市場のスポット価格なんですが、その価格は史上最高値を記録した今年7月に比べると、約1/3にまで下がっています(指数で7月の最高値:約138、12月頭:35〜45)。もし最高値を記録した7月頃の原油価格が反映されたであろう8月のガソリン店頭価格185円を基準として考えると、現在のガソリン価格は、税金や為替変動を織り込んでも、もっと下がっていいはずでは、と思ってしまうのですが、そうはなってないですよね。
また、2004年8月頃と同水準というので、その頃の原油価格を調べてみると、ちょうど今より若干安いくらいの価格(指数で約38、2004年7月)となっており、為替を考えれば、現在のガソリン店頭価格はほぼ妥当な線かなぁということになります。
::: ::: :::
先物取引という仕組みがある以上、避けきれない現実だと言ってしまえばそれまでです。原油という現物がある商品なのに、実需と関係ないとは言わないまでも、実需では説明できない次元で価格が変動してしまうのは、さすがにおかしいなぁと思ってしまいます。原油に限らず、穀物しかり、石油以外の鉱物資源しかりです。やっぱりマネーゲームに翻弄されたということになるのでしょうか。この先何年もたってから、2008年を振り返ったとき、「あの頃は○○バブルがはじけた」なーんて語られるんでしょうか。この辺はまったく専門家でもないので、素人の感想レベルで申し訳ないのですが。
::: ::: :::
ともかく、これだけ短期間で価格の変動が大きいと、製品価格や物流価格への反映がすごく難しくなるのではないでしょうか。一般市民目線で見れば、現在の価格が適正に石油価格が反映された結果なのかどうか、きわめて判断が難しいということになります。ガソリン価格は特に消費者も敏感ですし、同じ商品を多数のスタンドが販売しているという現状、どうしても競争が激しくなるわけで、多少のタイムラグはあれど、価格にはきちんと反映されていくだろうと思っています。しかし、今年に入って石油価格高騰を理由に値上げされた製品・サービスの価格は、ちゃんと適正価格に戻っている(いく)んだろうか。とても動向が気になるところです。。。
参考1 : 財団法人日本エネルギー経済研究所 石油情報センター
参考2 : ドバイ原油価格チャート
追加情報:12月18日、給油した時点でさらに価格が下がっていました。この価格からさらにスロットマシン値引きがあるので、結局99円/Lでした。ついにこの店も100円割れの仲間入りです。。。