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●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【1,500億円】 Amazonっぽい図書館とか、Amazonみたいな電子辞書とか

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 一度心地よいサービスを体験すると、今度はそれが基準となってしまい、他にも同様のサービスを期待してしまう。こんな経験、どなたにもあるのではないでしょうか。たとえば会議に出席して、ペットボトルのお茶が出されると、次からはお茶が出てこないと、サービスが悪いと感じてしまう。たとえば商品を購入するときに、通常は20,000円くらいだったものが、たまたま10,000円で良い買い物ができると、次からは同じような商品を買うときに、10,000円が基準価格になり、それ以上だと高いと感じる。人間はどこまでも欲深い生き物だなぁと思います…すみません、私だけかもしれませんが。

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 たとえば、Amazon.co.jpの「この本を買った人はこんな本も買っています」については、余計なお世話だという人もいらっしゃるでしょうが、私は結構お世話になってまして、これがまた憎いくらいにツボを押してくるんですよね。なるほどねぇ…って2回に1回は思うんですけど、みなさんはいかがでしょう。

 実際にAmazon.co.jpの売上高は推定で【1,500億円】(2007年、wikipedia.より)と推定されており、リアル小売店舗の業界トップ紀伊國屋書店を上回ることになります。Amazonの仕組みが信頼されている証だとも言えるでしょう。

 他のサイトで商品を探している時、特に迷っている時などは、Amazonみたいに推奨してくれないかなぁ、私の気持ちをちゃーんと理解してくれて、グイッとくるようなナイスな商品案内をしてくれないかなぁ…なーんて思ってしまうことがあるんですけど。単なる押し売りはダメですよ。ちゃんとツボを押さえてくれないと、それこそ余計なお世話ですからね。

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 Amazonの仕組みについては、これまでも多くのエントリーされていますので、私があらためて何か申し上げられることはないのですが、今日図書館の若手職員と話していて、ふと思ったことがありまして。たとえば、図書館の蔵書検索機能に、「この本を借りた人はこんな本も借りています」みたいなサービスがあったら、気が利いてるんじゃないかと。そうすれば、図書館の利用率も上がるんじゃないかい? すみません、何のヒネリもないアイデアで。

 ではもうひとつ。たとえば、電子辞書で単語を調べたときに、「この単語を調べた人は、こんな単語も覚えると役立ちます」的に、その単語から派生する熟語・類義語・活用形を紹介する機能、どうですか。電子辞書って、その単語のことは判るけど、それ以外はまったく判らないから、単語力・語彙力がつかないって指摘がありますよね。それをAmazonさんの力を借りて、ちょっとでも改善しようという他力本願的なアイデア。ダメですかね。

 調子に乗ってもう1本。たとえば、よく使うスーパーで、買った商品情報をPOSレジのデータから取り出して、「今週はコレがお買い得ですよ」みたいなメールを携帯に送ってくれると嬉しい(by 同僚の主婦)。お魚をよく買う人には、「今週はクロマグロ刺身が100g198円!」みたいな。ここまで望むとは、怠け者というか、しっかりしてるというか。

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 こんな風に考えていくと、商品を買った時に関連・類似・発展系の商品をリコメンドする仕組みって、何にでも可能性があります。もちろん、それが気の利いた提案になってないと逆効果。そう、サービスと押し売りは紙一重なんです。

 Amazonさんの仕組みは協調フィルタリングというアルゴリズムをベースに構築されているようですが、その仕組みをどなたか汎用性があるプログラムとして提供してくれませんか? Amazonさんが特許を開放していただけると一番早いんでしょうが。そんな甘い話はないでしょうね。。。

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