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― IT部門とマーケティング部門のハザマで ―

【シーズン1 第9話】アウトプットとアウトカムの違い Chalk and Cheese

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 私は30代で携わったイスラエルのビジネスと、40代での外資系ITベンダーのカントリーマネジャーになるハザマの数年間を、ビジネスコンサルタントとして活動していました。

  • 大手グローバル企業のTPSコンサルティングの直販営業支援
  • 大手SIerの営業推進コンサルティング
  • 医療系ITベンチャーの新商品開発コンサルティング(PM)
  • 米国企業の日本法人のMarket Entryコンサルティング
  • 印刷系企業のWebビジネスへの業態変革コンサルティング
  • その他(2つの財団の新事業)

 以上の6つの異なるタイプの事業でしたが、口先で語り、紙をアウトプットするだけのコンサルティングほど虚しいものはない、と感じていたため、1社を除き、なるべく実務を一緒に行うことで、改善・改革の推進エンジンになることを心がけていました。

 しかし、デジタルマーケティングの領域では、この記事IBMインタラクティブ エクスペリエンスを日本で本格始動に「Webやマーケの業界でコンサルティングというと実務を行わず、戦略設計のみという印象がある」とあるように、紙のアウトプットとして戦略設計だけ行い、泥臭い実装や運用の現場を避ける傾向があります

 特にマーケティングの場合は、【シーズン1 第2話】エンタープライズCMSをオープンソースCMSに置き換えれるか!? でまとめたように、アウトカムが重要です。「マーケティングの目的は顧客創造(Create a Customer)なので、納期や品質に加え、アウトカムが重要視されます。膨大なお金と時間と人員を費やし、高品質で使いやすいシステムを開発しても、マーケティングの場合は顧客創造(Create a Customer)がなければ、それはアウトカムがないということになります。」

①戦略設計⇒紙のアウトプット
実装⇒ITシステムのアウトプット
③運用顧客創造(Create a Customer)などのアウトカム(Cheese)

 運用の段階になって、巷で有名なコンサルタントによる戦略設計(机上の空論に陥りやすい)からの実装(運用を考慮しない傾向がある)にも拘わらず、思ったようなアウトカム(成果)が出ず、振り出しに戻って①戦略設計の根本的なやり直し(オムニチャネルを含んだが必要になるようなことは、できることなら避けたいものです。

 しかし、大多数のWebやマーケ業界のコンサルティング会社は①で留まり、戦略設計とITシステムの実装を一貫してできる会社だけが②に踏み込める、という現実の中で、①②③を串刺しで横断し、粘り強くアウトカムに結び付けることをミッションにする人はほとんどいません。

 この役割を担うマーケティングテクノロジストは、IT部門の中でも、マーケティング部門の中でも、これから発掘し育成していかなければならない必須の人材となります。しかし、マーケティングテクノロジーが多岐に渡るため、ヒマラヤのシェルパのような国内外の専門家ネットワークが必要になることも確かです。

 そこで私は、自分のつたない経験からの判断基準で、有名無名に関わらず選んだ国内外の専門家のシェルパ・ネットワークを構築しました。ちなみに、このネットワークにオープンイノベーション(イスラエルのオープンイノベーション)を含んでいるのは、日本のインターナショナル企業(従来のマルチカントリーオペレーション)が、グローバル企業(グローバルマネジメントによる全体パフォーマンスの追求)に変容している現在、本社の機能軸(Region軸でなく)としての「グローバルマーケティング」というマスクドニードが表出することを想定しているためです。

「Customer Experience、オムニチャネルペルソナ、カスタマージャーニー、行動シナリオ、オープンソースCMS、PIM、DAM、インバウンドマーケティング(MA)、アクセスログ解析、データディスカバリ(セルフサービスBI)、統計解析(R言語)、AWS、UI/UX、ソーシャル、多言語翻訳、オープンイノベーション(イスラエルのオープンイノベーション)など」 なお、このシェルパネットワークへの"ブリッジ"ここです

 (参考:弱い紐帯の強さ Strength of Weak Ties

● 雑談のネタ【Coffee Break】
https://blogsmt.itmedia.co.jp/CMT/coffee-break/

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