【シーズン2 第8話】俊敏なデジタルマーケティング基盤にデータディスカバリ(セルフサービスBI)を搭載
今回は、「マイクロサービス方式の組み合わせとペンシルのようなイプシロンロケット」で考察したデジタルマーケティング基盤をイプシロンロケットのようにさらに完成に近づけましょう。
イプシロンロケットのプロジェクトマネージャーの森田泰弘さんのインタビュー記事によると、イプシロンは固体燃料であることはもちろん「自律点検」や「モバイル管制」が特徴です。
現在のデジタルマーケティングの分野は「人の軸」のマーケティングオートメーションを中心としたモノリシックなOracle Marketing Cloudと、「モノの軸」(商品情報コンテンツ)のCMSを中心としたモノリシックなAdobe Marketing Cloudがあります。「人の軸」はペルソナ(IT部門の人はペルソナを知らない?)、行動シナリオ、カスタマージャーニーなどで可視化し、その行動をアドテクではクッキーレベル(アドテク=デジタルマーケティング?)で追跡し、コンバージョンされ、MAからSFAへと収斂するものです。
「モノの軸」ではCMSだけでなくPIMを活用し商品情報コンテンツを戦略的なマーケティング基盤とする流れ(オムニチャネルにはPIM(Drupal、Agility、Hybris)が必須!)はオムニチャネル思考の浸透で本流になってきました。
次に現れるニードは「人の軸」「モノの軸」の2軸に加えて、「時間の軸」を加えたものになり、「購入前」(未来)「購入時」(現在)「購入後」(過去)をデータを基盤にマーケティングすることです。そんな中、最近データディスカバリ(セルフサービスBI)ベンダーと「モノの軸」の構築基盤のCMSベンダーが手を組むニュースが出てきました(日立INSソフトウェアとミックスネットワークがBIツールとCMSの連携に関して協業)。
「マイクロサービス方式の組み合わせとペンシルのようなイプシロン」で考察したデジタルマーケティング基盤は、データディスカバリ(セルフサービスBI)を搭載することでEvidence Based Marketing(EBM)の基盤になります。この基盤はグローバルで自利利他の例外管理(データディスカバリ(セルフサービスBI)は自利利他のグローバル例外管理へ!)ができるようになれば、例外が可視化され「自律点検」ができ、誰でもスマホやパソコンから自社のマーケティングデータを過去、現在、未来と「人の軸」と「モノの軸」で「モバイル管制」ができるのです。
2014年1月4日に「勝ち続けるためのデジタルマーケティング経営(原著)」をGumroadで出版して以来、いずれマーケティングは数値分析を得意な人がリードするEvidence Based Markeingと、人間観察を得意とする人によるアナログ手法(パブロカザルスと行動観察)の2つの流れに収斂されるのではないかと思い、特に前者のEvidence Based Markeingの基盤となるデータディスカバリベンダー各社に、2014年に集中的に調査を重ねてきました。以下はその時のレポートです。
- データディスカバリの主要4ツール比較--デジタルマーケティングに活用(DOMO、QlickView、Spotfire、Tableau)
- 利用従業員の比率トップのBIツール「Yellowfin」
- データディスカバリツール「SAP Lumira」の強み
- 縦横無尽のデータディスカバリツール「Oracle Endeca Information Discovery」
- アサヒビールのデジタル戦略とデータディスカバリ活用
そして、これらのヒアリングをベースに、デジタルマーケティングにおける 7つのデータディスカバリツール その設計思想・長所・短所 「7つのSWOT分析」としてまとめました。
マイクロサービス方式であれば、例えば、AWSのQuickSight(UIとSPICEエンジンは分離されている)と7つのデータディスカバリのいずれかを、変幻自在に組み合わせることで、例外が可視化され「自律点検」ができ、誰でもスマホやパソコンから自社のマーケティングデータを過去、現在、未来と「人の軸」と「モノの軸」で「モバイル管制」がいつでも可能なのです。
● 雑談のネタ【Coffee Break】
https://blogsmt.itmedia.co.jp/CMT/coffee-break/
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