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先日富士スピードウェイでF1日本グランプリが開催されました。レース後3億5000万円のチケットを払い戻すというニュースはテレビやラジオでも放送されていました。実際にその席がどうなっていたかをご紹介したいと思います。

場所はC席で富士SWの見所と言われる1コーナー(ストレートエンド)の外側です。元々常設のスタンドがあり、その上部に仮設スタンドが増設されました。仮設スタンドは鈴鹿でもF1の時には設置されます。この仮設スタンドの下の方に座るとなんとコースが見えません。実際の席(仮設の2列目)から撮った画像が↓です。

Img_0364s

コースの白線がピットアウトしたマシンが通るところで通常は白線の手前をF1マシンが通ります。早い話が常設スタンドに隠れて全く見えない訳です。見えるのはコーナーを曲がった先でそれも鉄柵越しに見えるだけです。立ち上がると見えるので1m仮設スタンドを高くするか、常設スタンドより数メートル後ろにある仮設スタンドの位置をもう少し前にすれば問題なかったと思われます。但し目の前の階段の部分とかはハッキリ言ってセンスのない設計だと思います。

ちなみにこの席の価格は61,000円。人気のある1コーナーの席ですのでかなり高めの設定になっています。自由席の価格11,000円との差額50,000円を7000人に払い戻すので3億5000万円になるわけです。

さて具体的な払い戻し方法はどうなるのでしょう。会場で日曜に配られたチラシはこんな感じで5日以降に詳細がアナウンスされるようです。でも最初にこの席に座って他の場所で観戦することにした人はこのチラシをもらってない可能性があります。って言うか普通の宣伝チラシの様にC席のチケットゲートで配っていたので受け取らなかった方も多いと思われます。

Fsw_c

他人事ながら気になるのはヤフオク等で転売されたチケットの扱いです。今回のF1はハッキリ言って超不人気なレースでした。提灯報道ではチケットは完売と言われていましたがサーキット内でも指定券を売っていましたし、レース直前まで名古屋のFM局では「残りわずか貴重なチケットが入手できます」と売れてないことがバレバレな宣伝を流していました。場所が東京に近付き、しかもチャンピオン争いが白熱しているので本来は人気が上がるはずだと言われていたのに…。
昨年の鈴鹿のF1ではレース直前のヤフオク価格は約2倍、今年は半額は当たり前、場合によっては1/3の価格にまで暴落していました。毎年チェックしている訳ではありませんが、もしかすると過去最低かと思われます。
http://aucfan.com/
↑のサイトで「F1 C席」で2007年9月を検索すると200件以上の取引があります。チケット購入はネットで申し込みが基本ですので主催者が連絡を取れるのは正規に買った人となります。半額でヤフオクで売った人は更に50,000円がもらえるのでしょうか。実際のチケットを持っていることが条件だとしても、終わったらチケットを捨ててしまう人もいると思います。場内で大々的にアナウンスしていたわけではなく、レース後ニュース報道で知ったり、まだ知らなくて後日知人から聞いたりする人もいるかも知れません。まだまだ問題が沢山ありそうな感じです。

私が初めてF1を観たのは86年のモナコ。87年から20年間は鈴鹿皆勤賞で観てきました。22回目のF1の印象は下から数えて…1番…でしょうか。かなり最低のF1でした。天気は仕方がないと言われるかもしれませんが、富士でF1を3回開催して2回が雨(霧)で開催が危ぶまれる状態です。80年代にはWEC(世界耐久選手権)が開催されていましたが、その時も雨で悲惨なレースがありました。WECは当時日本で開催される唯一の世界格式の4輪レースだったと思います。イメージとしてはル・マン24時間を1/4にした感じのレースです。記憶では今回のようにセーフティーカーが先導する間にポルシェチーム等海外勢は棄権して国内チームだけで半分に短縮されたレースを行い「規定周回を満たしたので払い戻しはしない」と主催者は高らかに宣言していました。今回も冷たい雨の中、延々とセーフティーカー先導で無理矢理レースを成立させようとしている様に感じました。

鈴鹿は20年間で1回だけ台風で予選を中止しましたが、富士のようにサーキット自体が雲の中に入って霧で視界がなくなる様な心配はありません。二十数年前はGCとF2で年6回ほど富士のレースを観ていましたが天候の影響を受けやすいことは否定できないと思います。秋雨前線の影響を受けやすい時期の開催なので、今後鈴鹿と富士で交互開催になるようですが正直言って鈴鹿だけで開催してくれた方が観客もチームもドライバーも幸せな様に思います。天候だけでなくバスの問題、価格の問題、規制の問題と不満を感じることの多いF1でした。その辺りはまた後日報告したいと思います。

奥川浩彦

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奥川浩彦

iPR(アイピーアール)CEO。メルコ(現:バッファロー)の広報、イーレッツの面白グッズ&ネーミング担当を経て2006年末に独立。広報のノウハウ話しや役にも立たない話題など…。

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