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2008年8月8日 » |
昨日は「日経就職ゼミ サマースクールin福岡 日経×就職」で講演してきました。
http://www.nikkei4946.com/seminar/seminar.cgi?ID=1821
昨日のイベントは2部構成で、
第1部は、
九州人気企業の人事担当者座談会「こんな人材が欲しい!」
■参加企業 TOTO(株)・西部ガス(株)・(株)高田工業所・西日本鉄道(株)・トヨタ自動車九州(株)
など地場企業の人事担当者の方々に集まってもらったパネルディスカッションでした。
私もイベント開始前に控室でお話をさせていただきましたが、人材の採用、育成に熱意ある人事担当者の方々の話は非常に参考になりました。第1部のパネルディスカッションも聴講させていただきましたが、人事担当者の方々の熱意は学生に伝わったのではないかと思います。モデレータを務められました高田工業所様、お疲れ様でした。
経済産業省が定義した社会人基礎力では、
〇前に踏み出す力
〇考え抜く力
〇チームで働く力
といった、職場や地域社会で働く上で必要な力を養うことの必要性を訴えています。
今回の第1部のパネルディスカッションでも、人事担当者の方々のお話をお聞きしていると、この社会人基礎力を学生時代に磨いてきてほしいということを伝えられていました。
・面接で変に自分を飾らないでほしい
・学生時代にこれだけは打ち込んだというものを作ってほしい
・相手から好かれるためには自分が相手を好きにならないといけない
・大学3年生の夏休みから積極的に動いていることは十分に評価する
・最終的には一緒に働きたいと感じるかどうかで判断しているところもある
などの人事担当者としてのアドバイスも語られていました。
今回、私が感じたのは、人事の人たちって「かっこいいな~」ということです。
自分の会社の理念や方向性、それから何よりも企業への高い帰属意識を感じました。
以前の投稿でも書きましたが、子供たちや学生にとって「かっこいい大人」ってのが減ってきています。
外見ではなく、考え方、働き方が「かっこいい」というところを見せるのが、子供や学生や若手社員にとっての一番のモチベーションになりますし、その人と一緒に働きたいという気持ちが就職という会社と人材の縁を作るのではないかと思っています。
これらの第1部の内容を頭にインプットして、パネルディスカッションなどでは時間的にちょっと足りなかった部分、それから人事担当者の方々が伝えたりなかったと思われる部分を補完するということも意識して第2部の講演にのぞみました。
参加した学生は第1部と第2部を連続で受講していますので、それを意識してあげないと彼らの頭の中に「納得!」という感覚を植え付けることはできません。
今回の第2部の内容は、5月にアクロス福岡で行った「地域に愛される企業のトークライブ」の内容に近かったと思います。このイベントでは、私が先に講演をして、それから地場企業の人事担当者の方にパネルディスカッションをしてもらいました。
映像にも出ていますが、ガンガン!学生から質問があがって、途中で質問を止めてしまったイベントでした。
仕事という手段を通じて自分の人生で何を成し遂げるのか?
ということを意識すると、働く地域もある程度は絞られるのではないかということが、その5月のイベントの主旨です。
自分の故郷を離れることがいけないということではありません。
最終的に自分が何を成し遂げるために、手段としての仕事をどのような形で選択するのかということを考えてほしいということです。その中で自分の故郷が寂れていくのを防ぎたいという意識がある学生には、故郷への価値提供という意味も含めて職業選択をしてもよいのではないかと話をしています。
世の中の動物の中で、人間だけが自分の将来のことを考える。
これは、神戸大学の金井先生の著書に書いてあったヒントです。
将来を予見して今の行動を決定できる
自分の将来を想像(創造)できる
将来を予見するときにイメージ化を行うのですが、そのイメージを明るいイメージにするのか、暗いイメージにするのかというのは個人の自由ですし、その自由があるので人生は面白いと私は感じています。
自分はついつい暗いイメージをもってしまう
ということであれば、身の回りにプラス思考の人間を集めて、自分もついつい明るいイメージを持てるような環境に身を置いてくださいということです。ひとりきりで考えると自然に不安が拡がり、思考もマイナススパイラルに入っていきます。
就職活動の仲間というのはライバルではなく、一緒に将来を考える仲間でもある。
というのが、昨日のテーマでもありましたので、席が隣になった人とは十分にコミュニケーションをしてもらいました。
隣の人たちと話す彼らの表情が、人事担当者の人たちが言う、本当の彼らの姿であり、それが見えにくいというのが採用活用の難しさではないかと思っています。
それから、一部の地場企業様にはすでにご案内していますが、採用試験や採用面接などの就職活動の中では見えない学生の本質的な部分を可視化する『ビズパス(Bizpass)』についても今回のイベントに参加していた学生に紹介しました。
大反響です!
私の周りには、学生時代からボランティアなどの活動に献身的に参加したり、社会との接点をさぐってイベントを企画したり、他の学生の就職支援のために活動したり、大学で必死に勉学に勤しんでいる学生がたくさんいます。
ただ、就職活動という画一化された形式では評価されにくい部分があったり、その画一化されている採用形態に疑問をもっていたりする学生もいます。そもそも変な企業の論理での平等性や集団就職的な考え方(集団採用、現場ばらまき)、学業との両立を図るための簡易的な採用活動など、学生でも疑問に思う就職活動が日本では、はびこっています。
私の周りにいる学生は、面接のときには自分が今までやり遂げたことや自分が何を考えて行動しているのかを、うまく話せない場合もあります。それもビジネススキルだと言えばそこまでですが、ビジネス経験のない、自分の将来に不安を感じている状態で冷静に話せるほうが不思議だと思っています。
であれば、彼らの本質を可視化できれば、という思いで、ビズパスという仕組みを提供しています。
私たちはじかに学生の活動を支援していますので、彼らの本質を知っています。
また、学生と接する機会が多いので、彼らを集めることができます。
集まってもらったところで、社会人基礎力を意識した形で各種プロジェクトを実行してもらっています。
その活動をポイント制で加点して、企業の方々に知ってもらおうとする動きをNPOとして行っています。
上のスライドでは、ある大手企業の人事担当者の人が、
「森戸さんとかが指導している学生でしょ?一次面接くらいは免除するよ!いきなり内定は無理だけど(笑)」
と言ってくれたことから、「一次面接免除も!」というキャッチをつくっています。
本当に企業のために、企業のお客さんのために喜んで働ける人材を、企業の人たちと一緒に育成していしたいという思いがありますので、誤解を恐れずにキャッチとして出しています。
企業の人事担当者は学生の本音だけでなく、学生が大学時代に本気で打ち込んだことを知りたがっています。
ただ、学生は大学時代に何に打ち込むべきかということに迷っている側面もあります。
だから、私たちはNPO法人九州学生ネットワークWANという学生団体を立ち上げています。
そのNPOとしての活動の中で、スクール事業(CANPASS)を行っていて、その中で「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」を養ってもらっています。
その中でも突出した頑張りを見せた学生には、企業の人材育成のプロの目から判断してパス(BizPass)を発行しようというものです。今年の就職活動生には200枚くらいを発行したいと思っています。(青はエントリーカードで黒はプレミアムカードです)
昨日も講演が終わって、たくさんの学生さんが質問や相談に来てくれました。
実は、私は18時から打合せがあったのですが、全部対応していたら・・・学生の質問対応が終わったときには17時55分でした。しかし、学生の皆さんの素直な質問や向上心あふれる質問はこちらにも元気をくれます。
今回のイベントは第1部、第2部の流れができていて非常によかったのではないかと思います。
さすが、日本経済新聞社様のイベントです。
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