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ドメインのセカンダリーマーケットは成長している……といっても、実ははっきりした数字が示せるわけではない。以前のエントリで取り上げたchance.comのようにプレスリリースで公開されるのでもなければ、個々の取引については公開されないものも多いからだ。今回は、市場規模を示す情報について取り上げてみる。

ひとつはSedoである。Sedoはドイツで企業されたドメイン取引やマネタイズを専門とする企業であり、現在はUnited Internet AG社の傘下にあるが、会社情報には昨年8月の実績として、その規模を示す数字が紹介されている。

Domain transaction volume per month: > $8 million
Number of member accounts created: 1,400,000
Number of domains in our database: 13,500,000
Number of parked domains: 3,200,000
Number of domains sold per month: > 3,000

月あたりのドメイン取引の総額は800万ドル以上(登録ドメイン数は1350万)に上る(少し前は400万ユーロと記載されていたはずだが)。ここに掲載されている数字はたまにしか更新されないのだが、たとえば2008年2月時点では、月間の取引総額は600万ドル(登録ドメイン数は1150万)だった。さらに2006年5月にまで遡ると、300万ユーロ(当時の為替レートで約400万ドル、登録ドメイン数は500万)となっていた。宣伝のために取引額の多い月が選ばれている可能性もあるが、市場規模が増加傾向は示されている。

もうひとつがDNJournalのDomain Sales情報である。このサイトでは、ほぼ毎週、オークションサイトなどで公開されたドメイン取引についてランキングを更新しており、さらに年間ランキングも公開している。各年の情報は以下の通りである。

これだけではわかりにくいだろうから、年ごとの100位までの取引総額と100位の取引価格を表にしてみた(2004、2005年は1万ドル以上の取引がすべて公開されていたが、2006年以降は100位までに限定された)。

トップ100の総額100位の価格
2004年 $9,911,482 $23,000
2005年 $16,431,221 $48,000
2006年 $29,705,008 $70,000
2007年 $43,450,718 $100,000
2008年 $43,947,756 $100,000
2009年 $34,622,312 $73,500

2008年末の金融危機の影響を受けて2009年はかなり落ち込んでいるが、依然ドメインの取引は行われている。また、前述の通り公開されない取引が増えている可能性もある。たとえば、2004年にはme.comが46万ドルで取引されたが、その後AppleがMobile Meのために買っている。その価格は公開されていないが、かなり上乗せされたことは間違いないだろう。

※本エントリは、個人ブログからの転載です(多少、改変しています)。

mohno

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平成元年にIT業界に入って以来、開発ツールに関わり、主にマーケティング中心に活動してきました。現在はフリーランス。

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