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IT業界で日々起こるニュースから、少し先の未来を読みとっていくためのコラムです。

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2009年4月20日の投稿

2009年5月7日 »

YouTubeにおける企業プロモーション成功事例 

ロッテ Fit‘s ダンスコンテスト with YouTube
http://lotte-fits.jp/dance/

赤字をタレ流しているといわれているYouTube事業だが、日本国内では、ToyotaのiQを初めてとして、いろいろな企業の動画キャンペーンで成果を見せはじめているようだ。

今回、ご紹介するのが、ロッテのガム(?)新製品のFit‘s

一度見てしまうと、頭に、リズムとメロディーとダンスがずーっと繰り返されてしまう。

まずは、CMを見てみよう。もちろんyoutubeだから、このように自由にembedが可能だ。

 

http://www.youtube.com/watch?v=x_z1Icyu5gI

課題曲バージョン

さらに時報のついた踊りを紹介するブログパーツまである。

 

あとは、もう応募するだけだ。もしくは、コンビニで購入するかだ?

応募期間はあと一週間ある。動画もぜひ試してみたい!

応募期間    : 3月23日(月) ~ 4月27日(月) 23:59締切

作品公開期間 : 4月14日(火) 10:00 ~ 5月11日(月)

賞品

   グランプリ  : 賞金100万円  副賞 ロッテFit’s1年分(365個) 1名
   2位賞金   : 賞金 20万円  副賞 ロッテFit’s1年分(365個) 1名
   3位賞金   : 賞金 10万円  副賞 ロッテFit’s1年分(365個) 1名

当選発表:2009年5月12日(火)

キャンペーンとしては、CMのダンスコピーもしくは創作して投稿するだけ。

優勝すると100万円!というインセンティブというシンプルなものだ。

賞金も総額130万円

しかし、なかなかな、このキャンペーンうまく功名にできている。

一概に販売促進キャンペーンとも言いにくい。

むしろ、ネットコミュニティでの世界観を共有しながら、製品の認知を高めるという広告寄りの企画だろう。

賞金100万円も魅力だが、応募のプロセスを自分でもView数を見ながら楽しめるという利点がある。

当然、知人にバイラル的に応募者が紹介してくれる。

「テレビCM&ネット参加」 という立体と平面のマトリックス型広告とでもいうべきだろうか。

ロッテのサイトはこちらだ
http://lotte-fits.jp/cm.html
ランディングページだが、単なる刈り取りサイトではなく、キャンペーンの世界観をそのまま残されている。

新しい広告サイトと考えるべきだろう。

テレビCMはたまたま見るものだけど、キャンペーンサイトはユーザーが、わざわざ見に来るものだ。

そこには、刈り取りや、露出ではなく、おもてなしが本来、必要だったのだと気づかされる。

また、YouTubeキャンペーンのユニークなところは、通常のコンテストは締め切り直前に応募が殺到するのだが、このキャンペーンは再生回数のみでランキングが決まるので、早く応募すればするほど早く公開され、有利になるという点だ。

そう、YouTubeキャンペーンには、「プロセス」があるのだ。

また、個々には、ダンスの振り付けがある。
CMのダンスをおどるために、何度もCMを見る必要がある。

実にウマい!
http://lotte-fits.jp/dance/dance.html

ダンスのはいった「CM」をこうやって解説されるのも初めての経験だ。
http://lotte-fits.jp/dance/dance.html

ロッテは、日本人の特性をよく理解していると思う。

一から自由に作っていいと言われると、何もできないが、このように見本があって、しかも15秒という短い時間の中で技を競わせたら、世界一の技術を発揮できる国民性だからだ。つまり、盆栽のような限られた空間の中での創作が得意なのだ。

しかも、サンプルとしての動画も31本もある。
このあたりも参加するためのアイデアの参考になるだろう。

http://www.youtube.com/watch?v=xJ93ESdCJgI&feature=SeriesPlayList&p=3B0931B94D225437

すでに、2009年04月20日の時点で、926動画がアップロードされ、掲載されている。

見はじめてしまうと、病み付きになってしまう。日本全国、職場で、家で、学校で!
CMのマッシュアップはこの時点でも成功ではないだろうか?

気になったダンスを少しだけピックアップ! 

うーん、仕事にならなくなってしまいそう…
動画を見るのも仕事のひとつだった…。

http://lotte-fits.jp/dance/user_dance.php?

http://www.youtube.com/watch?v=bcFuLWeIi6w

http://www.youtube.com/watch?v=ieokwB9WkbA

http://www.youtube.com/watch?v=p_39PUsQKWw

http://www.youtube.com/watch?v=kTvQ19_QMZI

http://www.youtube.com/watch?v=vSvngh0jF8Q

http://www.youtube.com/watch?v=E9ihUKc-HiY

http://www.youtube.com/watch?v=wPJISF4cpEw

もちろん、すべて見るという行為はできないが、相当楽しい。

まさにCGMの正しい垂直展開プロモーションではないだろうか?

また、このサウンド、実はよーく聞くと、40代後半以上の人には懐かしく聞こえるはずだ。

そう、原曲は、「狼少年ケン」のテーマなのである。
こちらもYouTubeがあるので、引用しやすい。いい時代だ。

サウンドメイクも、40代以上は懐かしく、30代には、かわいく聞こえ、10代には新鮮という状態だ。

いったい、どんな作品が100万円ゲットするのか?

2009年05月12日が待ち遠しい。手帳に書き込んでしまった。

KNN神田

遠い昔、遥か彼方の銀河系の地球で、「Windows XP」というOSが誕生した。

それは、2001年11月16日(金)の出来事だった。
http://www.microsoft.com/japan/presspass/addcont.aspx?addid=145

そのOSは、地球上で最も売れたOSとして、歴史上に名前をとどめる事となる。おそらく、Windows7が無事にリリースされても、しばらくは増え続けることだろう。もしかすると、今世紀中は、いや未来永劫に、この記録は破られないのかもしれない。今後ともこのシリーズのOSが有償ならばだが…。

あれから、8年、約3,000日が経過した今でも、サービスパックという無償のパッチを当てることにより、一般的にはまったく問題なくWindows XPは、使用することができる。 

そして、Windows Vistaが、2007年01月30日に発売されるが、「ダウングレードサービス」という新製品より、旧製品の方を選びたい人向けのサービス(?)が展開され続けている。これは、果たしてサービスといえるのだろうか?別にヴィンテージOSが好きな人向けのサービスでもない。

また、ボクの場合、このXPに費やした費用よりも、この間にシマンテックや、マイクロトレンドに、OSの脆弱性によるウィルスソフトに支払った金額の方が上回った。

さすがに、Microsoftが、同様のサービスに参入した時には、頭に来たが…
http://onecare.live.com/standard/ja-jp/purchase/default.htm
(PC 3 台まで使用可能で年間 5,775 円もする)

さらに、現在主流となりつつあるネットブックの基本OSは、Vistaではなく、XPなのであるから、この製品の偉大さを物語る。この劇的に進化するIT業界の中で、8年も前に誕生した製品が、いまだに愛用されているという構図は、すばらしいとしか言いようが無い。

同じ頃に、誕生したApple iPodの変化を見てみよう。

「Windows XP」が発売される24日前、2001年10月23日、第一世代の初代iPodが誕生している。
「iTunes」という「CDリッピングソフト」が無償でリリースされる。
5GBのハードディスクドライブ(約1,000曲)を搭載し、価格は399ドルで重さは185gであった。

そして、現在のiPod Shuffleは、4GBのシリコンメモリとなり、ハードディスクや、さらにスイッチもなくなっている。値段は1/4、重さは10.7gであるから94.2%のダイエットである。さらに、iPhoneという電話機能がついたiPodが世界で1700万台販売されている。iPodTouchの1300万台を合計すると、約3,000万台のキーボード&マウスレスの、タッチテクノロジーのユビキタスOSが広がっている。

CDリッピングソフトであった「iTunes」は、「iTunes Store」となり、世界最大の音楽流通サイトとなった。さらに、「PodCast」という音声配信のプラットフォームとなり、いまや映画やテレビ番組まで販売している。

これでも、変化の早いIT業界で考えると、実は、普通の3,000日間分(8年間)の当然の進化なのだろう。

一方、MicrosoftのWindows XPの3,000日間は、サービスパックがたったの3回だけ登場しただけである。8年間にたったのこれだけだ。
これほどまでに完成されたOSを登場させたMicroSoftは驚異とも言える。

その間、MacOS Xは何匹のネコ科を隔てただろうか?

しかも、2009年第2四半期(2008年10〜12月)の売り上げは、
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3615
前年同期比2%増の166億3,000万ドル。Client部門はVistaがこんな最悪な状況でも、8%ダウンしただけ、Server & Tools部門は年賦ライセンス販売が貢献し、このご時世になんと15%もアップしている。

反対にAppleの2009年第1四半期(2008年10〜12月)の売り上げは、
http://www.apple.com/jp/news/2009/jan/22results.html
過去最高の101億7,000万ドル。Appleの売り上げは、過去最高でも、Microsoftの約3/5しかないのだ。

Microsoftのビジネス効率は、まさに驚愕に値する。

8年前の製品と、それに劣る新製品OS、税金のように課せられたライセンシーで、進化し続けてきたAppleをモノともしない。

しかし、今後のクラウドコンピューティング時代、Microsoftの未来はどこへ向かうのだろうか?

ボクがゲイツなら、いや、バルマーなら、即刻、XPをフリーライセンスにして、全世界のPCに無料でインストールし、量的制覇を貧困国でも展開してから、次の戦略を考えるだろう。

おそらく2010年初頭(遅れることがあっても、早まることはない)に、Windows7が出荷されてからの売り上げを見ながら、バルマーは、その時期を判断するのだろうが…もはやOS、しかもパッケージという製品での販売では、2010年が最後の収穫の年となることだろう。

次なる、MicroSoftの金のなる木をバルマー将軍は、果たして見つけることができるのだろうか?

遠い昔、遥か彼方の銀河系の地球という星の21世紀初頭のお話しでした。

KNN神田

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プロフィール

神田敏晶

神田敏晶

世界で一番小さなデジタル放送局「KandaNewsNetwork」ビデオジャーナリスト。ビデオカメラ1台で世界をかけめぐりる万年27歳がITニュースを解説!関西大学講師、宣伝会議講師、デジタルハリウッド講師、早稲田大学大学院非常勤講師など

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