「電子メールもFAXもDBで一元管理――オラクルがCollaboration Suite 10g発表」(発表の中身はこの記事へ)
この記者発表会は、プレス/アナリストの前にずらりとPCが並べられ、Collaboration Suiteに直接ふれられるという珍しい趣向で開かれた。
実際にさわったのは旧来のコラボレーションツール(インターネット会議ツールのようなもの)にもあったチャットやアンケートなどと、簡易なエンタープライズコンテンツ管理機能だけ。「だけ」ではあるのだが、説明を聞く「だけ」なのと実際に動かすのではまったく違う。日本オラクルのエンターテイナー、西脇さんのプレゼンは相変わらずで、うけることにすべてをかけている。印象はよい。
さわってみた範囲では、使い勝手に少々難ありと感じるところもあった。たとえば、タブインデックスのナビゲーションがデフォルトだと通常とは逆に右から左へと流れる。とはいえ、Collaboration Suiteそのものには、出てきたころから注目してきた。今回のバージョンアップでカバーする範囲が広くなった。きちんと評価されればもっと売れていいとは感じる。
ただ、結局のところチャットより電話の方が話が早い。アンケートもそれほど頻繁に使うことはなさそうだ。幸いなことに、Collaboration Suiteはカバーする範囲が広い。「業務でこういう使い方をすればすごく便利」という新しい提案がほしいところだ。
BEAがプラムツリーを買収した(NABENOさんと磯島さん、教えてくれてありがとうございます)。@ITの新野さんが書いているので、参照してほしい。
これは、オラクルのBEA買収がなくなった証拠だと考える。オラクルによるBEA買収の噂は、かなりの真実味をもって報道されていた。ということは、少なくともオラクルからBEAに対して買収提案はあったとみていい。それなら、このタイミングでBEAがプラムツリーを買収したということは、オラクルからの提案を蹴ったか、もしくはオラクルがBEAに興味を失ったのかのどちらかだ。主体がどちらなのか気になるところだが、交渉を打ち切ったのはオラクル側だろう。競合製品を持っていて、買収の方向性がずれる。
いま、オラクルがベリングポイントに興味を示しているという噂がある。ピープルソフト、リテック、そしてプロフィットロジックで当面のアプリケーションの拡充は終わり、次はサービス分野を強化するためにSI大手を買うという見方だ。ピープルソフト買収後も、BEA買収資金は別予算で持っていたと噂されるオラクル。その資金をベリングポイントに注ぎ込むのか、いやそもそも本当にそんな資金はあったのだろうか。
個人的には、オラクルは当面ソフトウェア分野の買収を続けるとみている。リテックとプロフィットロジックは小売業界での存在感を高めたい戦略で、次はSCMではないか。それも小売りと関連のあるベンダーだと予想する。SCM専業大手ならどこでも小売業者を顧客としているが、プロフィットロジックを買収したのでマニュジスティックスを買うことはないだろう。大手ならi2を買う可能性がある。i2が黒字化して買収のハードルは高くなってしまったが。
CRM分野でも、オラクルによるシーベル買収の噂は根強い。ただ、シーベルの時価総額はi2のおよそ10倍だ。ちなみに、BEAはシーベルの4分の3くらいか。ユーザーベースを買うならシーベルよりBEAではないかな。