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昨年ブレークしたモバイルビデオが、今年さらなる成長を見せことは間違いないだろう。今回は、モバイルマーケティング戦略の中で最も企業の注目を集める、モバイルビデオの可能性と、モバイルビデオの導入を成功に導くためのベストプラクティスについて考えてみたい。


【1】 トレンド予想-1:2012年、モバイルビデオはニッチからメインストリームに

スマートフォンとタブレットの普及は、消費者の生活とビジネスに大きな変化をもたらした。例えば、チェックしたいニュースは、通勤途中にスマートフォンやタブレットでいつでも好きな時間に確認することができる。また、飛行機での移動中も、iPadで映画を楽しむことができる。我々消費者は、モバイルに以前よりも多くの時間を費やしている。

大きな変化はビジネスの世界でも起きている。モバイルは、もはやニッチではなくメインストリームな存在になっている。消費者は、デスクトップPCやノートPCの代替品としてではなく、モバイル端末を欠かすことができない端末として利用している。

特に、ノートPCに匹敵するスクリーンサイズと性能を兼ね備えたタブレットが登場した衝撃は大きい。IDCは、タブレットの2011年の最終的な販売台数は6000万台になるだろうとしている。また、JPモルガンによれば、タブレットの2012年の利用者数は約1億人になるとのことだ。

以上のデータからもわかるように、スマートフォンとタブレットのさらなる普及に後押しされながら、モバイルビデオは爆発する。米国のミレニアム世代(2000年以降に18歳となる、1982年以降に生まれた人たちを指す)にとって、モバイル端末は最初にビデオをみるための端末として根付いているという。

スマートフォンの勢いも止まらない。ニールセンによれば、スマートフォンの市場占有率は、3年前の18%からアップして50%近くになるという。さらに今後は、4Gの導入とWiFiの普及が今まで以上の成長を後押しするということだ。

手に取った瞬間にインターネットにつながるスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末は、ビデオの視聴に向いている。自宅だろうが、オフィスだろうが、移動中だろうが、どこにいてもビデオを楽しむことができる。4GやWiFiが普及すれば、画質も今まで以上の品質が期待できる。

2012年、Mobile Marketerは1億人の人間がモバイル端末でビデオを視聴し、TOP100に名を連ねるブランド企業の80%がモバイルビデオ広告キャンペーンを展開するだろうと予測している。また、リサーチ会社のモバイルスクェアは、2012年のモバイル広告予算が、2011年の20億ドル以上になるだろうと予測している。

2012年、モバイルビデオは完全にメインストリームの座に君臨するだろう。


【2】 トレンド予想-2:2016年、約4億人の消費者が無料でモバイルビデオを視聴

モバイルビデオの台頭は2012年以降も止まらない。ABIリサーチの報告によれば、3億9千万人の消費者が無料でモバイルビデオを視聴するだろうということ。

ポイントは、あくまでも無料だという点。ABIリサーチによれば、モバイルビデオがこれだけ爆発しても、キャリアもプロバイダーもビデオコンテンツをマネタイズすることは無理だろうと予想している。

その理由は、フリーミアモデルが定着しているからだ。キャリヤやプロバイダーだけではない。コンテンツを保有している企業が、モバイルビデオを事業化する上で一番に検討しなければならない課題は、消費者にコンテンツの利用料金を払ってもらう方法を見つけることだ。しかし、これが簡単ではない。なぜなら、消費者はインターネットのあらゆる場所に、無料で利用できるコンテンツがあることを知っているからだ。

一部の専門家は、最初にフリーミアモデルで全てのユーザに基本サービスを提供し、そのあとに少数のヘビーユーザ向けにプレミアムコンテンツを提供し収益を得るモデルがあると言うが、成功する確率は低いと思われる。まだ広告モデルの方が成功しそうだ。以前は、たくさんの無料ユーザを抱えるのは、法外なコストがかかる以外の何物でもないという意見が主流だったが、今となってはフリーミアモデルが主流になりつつある。

消費者自身もフリーミアモデルを望んでいる。ビデオではないが、アップルやリムが提供しているテキストや写真などのメッセージ送信サービスは全て無料だ。アプリだって、無料のものに人気が集まる。モバイルビデオがコンテンツとして消費者に受け入られるには、無料であることが必須となる。


【3】 トレンド予想-3:2012年、モバイルビデオ広告が爆発する

2011年、ブランド、出版社、小売事業者は、ユーザとエンゲージする方法としてモバイルビデオ広告を採用した。そして2012年、モバイルビデオ広告は様々なプラットフォームに混合されながら成長し続けるだろう。

2012年、企業は従来までの媒体に費やしていた広告予算をモバイルビデオにを切り替えるに
違いない。なぜなら、モバイルビデオは効果測定が簡単だからだ。従来までのビデオプレロール広告は、企業側がビデオを見ている人間の特定ができなかった。しかし、モバイルビデオとソーシャルを組み合わせれば、ビデオを見たユーザが特定できる。

ビデオを見たユーザを特定できるメリットは大きい。ビデオを見たユーザに、様々な情報をフィードバックし、新しい見込み客の開拓ができるからだ。消費した広告予算の効果が目に見えるため、次の広告出稿計画が立てやすくなる。

2012年、モバイルビデオ広告のざらなる成長によって、モバイルビデオ広告はウェブ広告戦略の重要な一部分になるだろう。モバイルビデオ広告は、モバイルマーケティングのミックス戦略の一部として、単独で計画されるものではなく、むしろより大きな戦略として考えるべきである。2012年、フォーチュン500ブランド企業の多くが、モバイルビデオ広告に予算を大きくシフトするだろうと予測されている。

中でも、広告かビデオクリップが始まる前までに終わるストリーム配信ビデオ広告は、投資対効果と価値の面で人気が高いとされている。リサーチ会社リズムは、ストリーム配信ビデオ広告は、ウェブサイトの平均コンプレッションレートが72%であるのに対し、87%のコンプレッションレートがあると報告している。

オラクルの調査報告によれば、モバイルユーザの43%が、カメラをモバイル端末と交換したという。モバイル端末が、どのようにして消費者のいつでも欲しいガジェットの1つになったかを証明する興味深いエピソードだ。モバイルビデオは、モバイル、ウェブ、テレビの3つのスクリーンを横断するコンテンツとして、消費者の生活に入り込むだろう。

企業の広告全体の予算に占めるモバイルビデオへの投資は、2012年も間違いなく増え続ける。


【4】 モバイルビデオ広告の導入を成功に導く5つのベストプラクティス

モバイルビデオ広告を採用したキャンペーンの効果については、様々なデータが公開されている。

ヤフーによれば、モバイル広告を見た人のアドリコール率は、ほかのどんな媒体より15%も高いという。また、インサイトエクスプレスは、モバイルビデオ広告キャンペーンがPCをターゲットとしたビデオ広告キャンペーンよりも広告認知が2倍もあると報告している。では、高い効果が見込めるモバイルビデオを活用するベストな方法とは何だろう?最後に、モバイルビデオ広告を導入する際の参考になる、5つのベストプラクティスを紹介したい。


① 可能な限り多くのユーザに届けるために複数のタイプのビデオ広告を展開する

モバイル端末でビデオ広告を視聴するにはいくつかの方法がある。ビデオコンテンツを再生する前にビデオ広告を再生するインタラクティブビデオ、ゲームのレベルに移る間やアプリケーションをインストールした時にビデオ広告が再生されるインタラクティブプレロール、消費者がバナーなどのマークをタップした後にビデオ広告が再生される、タップ型インタラクティブビデオなどだ。これら全てのフォーマットで広告を展開することで、大量のユーザに視聴してもらえるようになる。

モバイル専用サイトを好むユーザもいれば、アプリを好むユーザもいる。また、ゲームを利用するユーザもいれば、ニュースを利用するユーザもいる。ユーザの興味はそれぞれ違う。よって、できるだけ多くのユーザにビデオ広告を視聴してもらうには、複数のタイプのビデオ広告を展開する必要がある。


② エンゲージメントを増やすためにビデオ広告とディスプレイ広告を組み合わせる

モバイルビデオ広告は、ディスプレイ広告とリッチメディア広告と組み合わせることでさらに効果が増す。バナー広告とフルページの広告は、モバイルビデオ広告と組み合わせることで、それぞれCTRが45%と50%に増加すると報告されている。

消費者は、同じブランドのバナー広告とフルページの広告で、他のコンテンツをクリックする用意ができている。ディスプレイ広告の中にビデオ広告を用意すると、ビデオ広告の視聴回数も増える。広告効果を最大限に発揮するには、ビデオとディスプレイ広告を同じモバイル専用サイトかアプリに展開するのがベストだ。


③ 他の情報にリンクできるタップ機能付きのインタラクティブビデオを用意する

典型的な15秒のビデオ広告の後に、インタラクティブビデオのオプションをタップして、消費者により長いフルレングスのコマーシャルを見せる。この機能は、広告に興味のない消費者は延長された広告を見る負担から解放されるという効果がある。全ての消費者が広告に友好的なわけではない。

インタラクティブビデオのタップ機能はアプリでも使うことができる。そして、インタラクティブビデオのタップ機能は、21%のビデオコンプレッションレートと7.2%の平均CTRという非常に高いエンゲージメント効果をもたらす。

これらの統計は、インタラクティブビデオのタップ機能が、消費者と深くエンゲージするために効果があることを証明している。。


④ 独自性を出すためにも倍いるビデオ広告の中にカスタムなボタンを用意する

広告主は、モバイルビデオ広告にユーザに次のアクションを促し、様々なマーケティングデータが収集できる特別なボタンを表示することができる。

例えば以下のような使い方がある

 ● ウェブサイトにリンクする

 ● フェイスブックにシェアする

 ● ツイッターにシェアする

消費者はこれらのボタンをかなり高い割合でクリックする。標準的な”ウェブサイトにリンクする”というボタンをつけたインタラクティブビデオは、CTR1が27%、さらにカスタムボタンを付けたインタラクティブビデオの平均CTRは1.5%という結果が報告されている。


⑤ モバイルビデオ広告はプレミアコンテンツと一緒に表示させる

企業は、自分たちのモバイルビデオ広告が表示される場所について神経を配る必要がある。消費者に気づいてもらえないような時間帯や場所、または消費者があまり好ましいと思っていないコンテンツと一緒にモバイルビデオ広告が表示されたら、ブランドイメージはすぐに傷ついてしまう。モバイルビデオ広告は、消費者にとって価値のあるプレミアコンテンツと一緒に表示させるのがベストだ。

消費者がプレミアコンテンツを視聴するためにウェブサイトにアクセスしているのであれば、モバイルビデオ広告もプレミアコンテンツと一緒に表示させるべきである。この場所と時間への気配りが成功への第1歩となる。

終わり。

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プロフィール

伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

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