2月24日にソフトバンクモバイルさま、イシン株式会社の大木さんと一緒に開催するセミナー「動画×アイパッド:企業のためのアイパッド最新活用セミナー」 について再度告知させてもらいます。と言っても、単なるプログラムの概要ではなく、当日私が話しをする内容ついて簡単に紹介したいと思います。
ここ最近の私の関心はモバイルにあります。モバイルと言っても、どちらかというと従来までの携帯ではなく、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイス系です。タブレットについては、PCに分類する考え方もあるようですが、私はモバイルに分類するのが適切だと考えています。
また、米国ではスマートデバイスという言い方よりも、モバイルという言い方が一般的になっているように感じます。そして、そのモバイルが、陳腐な表現になってしまいますが、いま米国で間違いなくキテいます。
そんな背景もあって、2月24日のセミナーでは以下について話をする予定です。
■ 予定しているコンテンツの内容
1. 米国における最近のモバイルの動向
・2011年末のホリデーシーズン期間におけるモバイルのショッピング動向
・2012年2月に開催されたスーパーボウルにおけるモバイルの利用動向
・モバイル広告の現状と成長予測
・モバイルコマース、タブレットコマースの現状と成長予測
2. 米国における最近のモバイルビデオの活用事例
・モバイルビデオの優位性
・クロスチャンネルモバイルビデオの活用事例
・モバイルビデオブランディングの活用事例
・モバイルビデオマーケティングの活用事例
・モバイルコマース、タブレットコマースでのビデオ活用事例
3. 国内における最近のモバイルビデオ活用事例
・CM配信活用事例
・アパレル業界のモバイルビデオブランディングの活用事例
・行政機関のコンテンツ配信活用事例
・ビデオ社内報活用事例
・営業支援ビデオ活用事例
4. その他
・モバイルビデオ導入のポイント
・モバイルビデオ導入コスト
最近は国内でも、企業や教育機関がiPhoneやiPadを導入した事例が増えています。中でも、ビデオはiPhoneやiPadと非常に相性が良く、人気のコンテンツの1つになっています。そして、iPhoneやiPadとビデオを組み合わせた事例もたくさん登場しています。そんな、企業のモバイルビデオの活用事例を、できるだけ詳しくたくさん紹介したいと考えています。
まだ多少空きがありますので、これからiPhoneやiPad+ビデオの導入を検討している、iPhoneやiPadを導入したものの上手く活用できていない、ビデオ始めたいけどどんなコンテンツしたら良いかわからないなどといった課題をお持ちの企業の担当者の方は是非ご来場ください。お待ちしております。
また、イシンの大木さんからは、国内のビデオ以外の事例や、導入当たって気をつけておきたいポイント等、役に立つ話がたくさん聞けます。
セミナーへのお申し込みは以下のサイトから可能です。是非早目にお申し込み下さい。
2月5日のスーパーボウルでのマドンナのパフォーマンスがネットで話題になっている。好き嫌いは別にして、マドンナらしい圧巻のパフォーマンスだったことだけは間違いない。同時期に公開されたマテリアルをセルフカバーしたミュージックビデオも、スーパーボウルがテーマになっていて面白い。
マドンナのミュージックビデオは、YouTubeに数多くアップされているので、お気に入りのビデオを探してみてほしい。今日は、最近公開されたばかりのユニークなミュージックビデオを2つ紹介したい。
2つのビデオは、出演しているバンドの知名度もビデオの制作手法も全く違うにもかかわらず、ビデオの持ってる独創性という点で共通点を持っている。どちらもチェックしておきたいビデオだ。
① レッド・ホット・チリ・ペッパーズのインタラクティブビデオ「Look Around」
● レッド・ホット・チリ・ペッパーズのインタラクティブビデオ:Look Around」
人気ロックバンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの新作ミュージックビデオ「Look Around」が面白い。ミュージックビデオには珍しいインタラクティブビデオのスタイルを取り入れているのだが、今までのインタラクティブビデオにはない、非常にユニークな内容になっている。
基本的には、視聴者がマウスとキーボード操作で、自由に画面上のコンテンツをコントロールできるようになっている。
★ 「Look Around」の簡単な操作方法
[↑] ズームイン(画面が大きくなる)
[↓] ズームアウト(画面が小さくなる)
[→] 右に移動
[←] 左に移動
右から2番目の「Show Hints」ボタン:次のアクションのヒントが表示される
右上の✖ボタン:前のアクション画面に戻る
絶対に試してみて欲しいのが [→]と[←]キーだ。押し続けていると、画面が少しづつ横に移動して、最終的にはシーンが切り替わってしまう。非常に珍しい新しい場面に切り替えるインタフェースだ。
■ 「Look Around」の操作方法<ズームイン&ズームアウト>
■ 「Look Around」の操作方法<シーンの切り替え>
レッド・ホット・チリ・ペッパーズのような大物バンドが今回のようなインタラクティブミュージックビデオを公開したことで、今後他のバンドも真似してくる可能性が十分ある。実際に体験してみるとわかると思うが、自分のお気に入りのバンドの練習風景を自由に操作できるのは、ファンにしてみればこれほど嬉しいことはない。自然とビデオの視聴時間も長くなってくる、そんな完成度の高いビデオである。
② オーケー・ゴーの「Needing/Getting - Official Video 」
● オーケー・ゴー:Needing/Getting - Official Video
もう1本は、毎回独創的なミュージックビデオが人気のシカゴ出身の人気バンド、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」。レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Look Around」とは正反対のハチャメチャな演出で今回も楽しませてくれる。
圧巻なのは、何百台ものピアノとギターを車に取り付けたバーのようなもので鳴らしながら疾走するシーン。しかも、いつものようにちゃんと車内で歌と演奏もこなしている。普通のミュージックビデオでは考えれられないような独創的な演出で、今回も見る者を楽しませてくれる。
今回のオーケー・ゴーの「Needing/Getting」だが、驚いたことに自動車メーカーのシボレーがスポンサーについている。確かに、自動車をよく確認するとシボレーであることがわかる。自動車を使ったパフォーマンスが得意なオーケー・ゴーなので、自動車メーカーと相性が良いのは間違いないが、大手の自動車メーカーが独創的な演出を得意とするオーケー・ゴーのスポンサーになったというのはかなり画期的なニュースだと言っていいだろう。
参考までに、先日のスーパーボウル向けにシボレーが公開したビデオが、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」と同じモチーフで制作されており、比べてみると面白い。
● シボレー:Chevy Volt - Aliens (Super Bowl Ad 2012)
③ 今回のまとめ
今回紹介した2本のミュージックビデオを見て感じたのは、ミュージックビデオもコンテンツの中味が問われる時代になりつつあるということ。単にお金を注ぎ込んで豪華なだけのビデオでは、ファンは振り向いてくれなくなっている。ビデオコンテンツの企画力や中味が問われる時代になったと言っていいだろう。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Look Around」は、インタラクティブというミュージックビデオでは珍しい技術を採用して、ファンに新しい経験をもたらしてくれた。キーボード操作で画面をいろいろ切り替えていると、スタジオを自分がコントロールしているような錯覚に陥ってくる。
アーティストがファンとエンゲージする1つの方法として、インタラクティブミュージックビデオは今後注目されるだろう。なぜなら、間違いなくビデオの視聴時間が普通のミュージックビデオよりも長くなるからだ。
一方、オーケー・ゴーの「Needing/Getting」は、技術的に全く目新しいものはないが、彼らの企画力の素晴らしさがコンテンツの全てだと言っていいだろう。独創的なビデオコンテンツを創造すれば、シボレーのようなビッグスポンサーの目に留まる可能性があることをオーケー・ゴーは証明してくれた。
なんだか、ミュージックビデオが面白くなってきそうだ。
⇒ ニュースソース:「Look Around" With The Red Hot Chili Peppers Interactive Music Video」
ウォルト・ディズニー・カンパニー傘下の米国大手スポーツ専門チャンネルESPN(日本語ではイーエスピーエヌと発音する)のモバイル事業部門の責任者マイケル・ベイルが、先月(2012年1月25日‐28日)開催された「MediaPost's Mobile Insider Summit」 カンファレンスで、「モバイルが1番目のスクリーンである」と発言したニュースが米国でちょっとした話題になっている。
モバイルが1番目のスクリーンだという発言は、モバイルがテレビとPCよりも重要な端末であることを示唆する、モバイルにとって非常に重要な意味を持つ発言だ。遡れば、グーグルの元CEOエリック・シュミットが、2010年2月にバルセロナで開催された「Mobile World Congress」カンファレンスで、”Mobile First”という言葉で来るべきモバイル時代の幕開けを宣言してからわずか2年でそれが実現したことになる。
今回は、ESPNが最近ローンチしたアプリを参照しながら、ESPNのモバイル戦略とスポーツビジネスにおけるモバイルの可能性について考えてみたい。
【1】 ESPNのモバイル戦略について
ESPNにとってモバイルがいかに重要であるかを示す数字がある。まず、2011年にESPNのモバイルコンテンツの利用に消費した時間が前年より45%も増えているという。また、ESPNのモバイルからの視聴者は2,000万人を超えており、その上常に15万人が接続されているENPNにとって4番目に大きなネットワークに成長しているとのこと。
● 数字で見るESPN
① 2011年のモバイルの利用時間は前年度より45%増えている。
② モバイルからの視聴者は2千万人を超えている。
③ 15万人が常時接続されている。
ESPNにとって、モバイルはコンテンツ戦略の根幹を成すものであり、新しい番組を企画する場合でもまずモバイルへの対応を1番目に考え、その後にテレビ、ウェブ、印刷物への対応を考えるという。つまり、コンテンツの企画を考えるスタート地点がモバイルになっているというのだ。そして、こうした背景が「モバイルが1番目のスクリーンである」との発言につながっていく。
● コンテンツの企画はモバイルへの対応を1番目に考える
また、モバイルは視聴者を増やすためにも重要であり、特に海外市場を見据えた国際的観点から見た場合、モバイルは視聴者を増やすために欠かせないという。つまり、海外市場の観点から見ても、モバイルは最優先するべきメディアになっているということだ。
では、ESPNは実際にどのようなモバイル戦略を実行しているだろうか。ESPNが最近ローンチとしたコンテンツを見てみたい。
【2】 ESPNのモバイル戦略にとって重要なアプリ
ESPNのモバイル戦略を語る上で外せないのが、昨年から力を入れているタブレット用のアプリ開発だろう。
① WatchESPN
WatchESPNは、アップルストアから無料で入手ができるが、残念ながら日本ではダウンロードができない。よって、ウェブで調べた記事をベースに概要を伝えたい。
WatchESPNは、タイムワーナーケーブル、ブライトハウスネットワークス、ベライゾンFiOsテレビの会員であれば、iPadからライブイベント映像が見れることから、米国のユーザの間ではかなり話題になったアプリだ。日本で利用できないのが本当に残念。
現在はiPhone用アプリも提供されているらしく、WatchESPNでは現在以下のビデオコンテンツの視聴が可能だとのこと。
・NBAのレギュラーシーズンとプレイオフ
・メジャーリーグベースボール
・アメリカンフットボール
・マスターズ、USオープン、
・大学のフッボール、バスケットボール、バークレイプレミアリーグ
・テニスの4大大会他
これらのコンテンツは、全てライブストリーミング配信されており、会員は、お気に入りのESPN番組にアクセスしてライブビデオを視聴することができる。
尚、WatchESPNのコンテンツは、ウェブサイト上でも視聴することができるので、内容はこちらで確認してほしい。
● WatchESPNアプリのキャプチャー画面
② ESPN The Mag
ESPNは、WatchESPN以外にも有料・無料のアプリを数多くローンチしているが、日本でも利用できるアプリとして、ESPN The Magがある。ESPN The Magも無料で提供されており、特に会員登録などをしなくてもビデオコンテンツの視聴やマガジンのダウンロードができる。ESPNのコンテンツを手っ取り早く体験してみたいというユーザには持って来いのアプリだ。
※ ESPN The Magはアップルストアから無料でダウンロードできる。
● ESPN The Magのキャプチャー画面
ESPN The Magで一番お薦めのコンテンツはやはりビデオだ。スポーツファンの興味を離さない試合のハイライト、ダイジェスト、インタービューなどの高品質なビデオがたくさん用意されている。
ESPNがアプリに比重を置くのには理由がある。モバイルからコンテンツにアクセスするトラフィックを調査したところ、トラフィックの大部分がアプリからだったという。ESPNの場合、メインコンテンツはライブとオンデマンド両方の形式で提供するビデオになる。ビデオへのアクセスには、モバイル専用サイトよりもアプリが向いているということなのだろう。
ESPNによれば、今後もアプリ開発への投資は増えるだろうとのことだ。
【3】 今回のまとめ
ESPNにとって、モバイルは、大量のビデオコンテンツと消費者、そしてテレビ、ウェブ、紙媒体などのメディアを接続するゲートウェイの役割を果たしている。モバイルはESPNのクロスプラットフォーム戦略の中心として機能しているのだ。
ESPNは、テレビの視聴率を増やすためにも、モバイルへの投資は今後も欠かせないと判断している。ESPNにとって、モバイルとテレビは視聴率を奪い合うものではなく、お互いを補完し合う関係になっていると言っていいだろう。モバイルをきっかけにESPNを知ったユーザは、違う目的のためにテレビの視聴を検討するようになるのだという。
ESPNによれば、モバイルを中心としたクロスプラットフォーム戦略は、消費者だけではなく、広告主の企業にもメリットをもたらすという。ESPNの番組に広告を出稿したいが、テレビ、ウェブ、印刷物に出稿する予算がない企業にとって、モバイルはコストをあまりかけずにESPNのスポンサーになるベストな方法だという。
“Mobile 'First Screen‘(モバイルが1番目のスクリーンである)”は、現時点ではスポーツビジネスに限ったことなのかもしれない。しかし、スポーツ以外のコンテンツ、音楽、映画、アニメなどの分野で“Mobile 'First Screen‘(モバイルが1番目のスクリーンである)”が叫ばれるようになるのは、もはや時間の問題だろう。
最近のモバイルの勢いを見ていると、そう思わざるおえない。
今週末の日曜日(2月5日)、いよいよ全米が待ち焦がれているNFLスーパーボウルが開催される。今年は、ニューヨークを本拠地とするジャイアンツが4季ぶりに進出するとあって、ニューヨーカーの間でも関心がひときわ高いらしい。
このスパーボウルだが、米国内だけでも1億人がテレビ中継を視聴すると言われている。そして、期間中に放映されるテレビコマーシャルの価格が、世界で最も高額であるとして知られている。今年の30秒枠の放映料の平均価格は350万ドル(約2億7千万円)、1秒換算にすると約900万円だ。
ただ、価格がこれだけ高騰しても、注目度も桁違いであることから、世界的に名前が知られている企業がこぞって出稿することでも知られている。今年も昨年に引き続き、ゼネラル・モーターズ、BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、トヨタ自動車、ホンダ、現代自動車などモーター業界の出稿が多く、ハーフタイムはちょっとしたモーターショーが繰り広げられることになりそうだ。
そんな中にあって、飲料業界の巨人コカ・コーラは、昨年の11月から展開しているシロクマ保護キャンペーンを、今回のスーパーボウルとタイアップさせ展開すると発表した。しかも、今回のスーパーボウル用の広告は、テレビ、ソーシャルメディア、モバイルの3つのメディアをミックしたカタチで展開するらしい。
特に興味深いのが、コカ・コーラがキャンペー用に用意したビデオを、ソーシャルメディアを通して試合中に友達や家族にシェアすると、シロクマ保護基金に自動的に1ドル寄付ができる仕組みになっている点だ。
【1】 モバイル端末で簡単に1ドル寄付できるコカ・コーラのシロクマ保護キャンペーン
今回のスーパーボウルとタイアップしたシロクマ保護キャンペーンを説明する前に、コカ・コーラが昨年の11月に始めた本来のシロクマ保護キャンペーンについて説明しておきたい。
コカ・コーラとシロクマの付き合いは、実は1922年に遡る。シロクマの保護活動をするために、クリスマスシーズンにシロクマを起用した白い缶のコカ・コーラを発売したのが始まりである。1993年には、世界自然保護基金(WWF)と一緒に、シロクマとシロクマの生息地北極を保護するための活動を支援するためにパートナーシップを結んでいる。
そして、昨年の11月にコカ・コーラとWWFが共同で立ち上げたのがArctic Home基金だ。コカ・コーラはWWFに200万ドル(約1.5億円)を寄付し、さらに2012年3月15日までに消費者が寄付した額(最大100万ドル)を追加で寄付するとしている。キャンペーン期間は2011年11月から2012年2月までの4カ月間で、キャンペーンを記念して2頭の子熊を連れた母シロクマがデザインされた白い缶のコカ・コーラを発売している。
※ 残念なことにこの白缶、日本では発売されていない。
■ コカ・コーラのArctic Home基金キャンペーン限定の白缶
■ Arctic Home基金に関するビデオ
Arctic Home基金への寄付はモバイル端末から簡単にできる。白缶を買った消費者は、缶に記載されたテキストコードを、モバイル端末からArctic Home基金に送るだけだ。これだけで1ドルの寄付が完了する。寄付に必要なコードも、白缶かボトルのパッケージを買えばすぐに見つかるらしい。また、寄付した1ドルは、キャリアから毎月送られてくる請求書に自動的に加えられる。
寄付はもちろんPCからもできる。消費者はPC用のウェブサイトにアクセスして、クレジットカードで寄付ができる仕組みになっている。キャンペーンでは、消費者がArctic Homeプログラムについて学びながら寄付ができるiアプリも展開している。アプリをダウンロードすれば、消費者はゲーム、ポイント収集、勝者への挑戦権、タブレットのプレゼント応募、北極旅行のプレゼント応募などのコンテンツが利用できる。
コカ・コーラ側はこのArctic Home基金について次のように語っている。
「我々Arctic Homeの最初のゴールは、認知度の拡大とシロクマと生息する場所の保護を助けるためのファンドの創出である。Arctic Homeを通して立ち上がったファンドは、調査、現地の知識の集約、コミュニティベースの協力を通して、シロクマとシロクマの住んでいる北極を保護するWWFの活動を支援するために使われます。また、我々はファンとコミュニケーションができるいかなる方法でも試します。モバイル、店舗内、自宅の外、ウェブサイトなど。我々はこの360度アプローチが、効率的なマーケティングと認知度アップのための本質であると信じています」
中でも、簡単に寄付ができる利便性を消費者に提供している、モバイルがキャンペーンの中心であることは間違いないだろう。
【2】 専用のモバイルサイトからビデオをシェアして1ドル寄付できるキャンペーン
コカ・コーラは、さらなる寄付金集めのために、来るスーパーボウルとタイアップした巨大な広告キャンペーンを展開する。それは、このスーパーボウルのためだけに用意されたモバイル専用ウェブサイトを使った、大規模なシロクマ保護キャンペーンになる。
コカ・コーラのスーパーボウル用の広告は、テレビ、モバイル、ソーシャルメディアの3つのメディアを横断したカタチで展開される。公開されている情報によれば、試合の経過をリアルタイムに反映させ、3つのメディアに横断的に配信するらしい。
スーパーボウルの主役ももちろんシロクマだ。コカ・コーラは、今回のマルチチャンネルキャンペーンの顔に、例のシロクマを起用している。スーパーボウルの試合中、試合のために最適化されたモバイル専用サイトのURL、cokepolarbear.comを自分のモバイル端末のブラウザに入力してサイトにアクセスできる。そして、そのモバイルサイト上で、消費者は試合の経過によって更新されるビデオが視聴できる。
■ スーパーボウル専用モバイルサイトのキャプチャー
今回のキャンペーンのメインコンテンツは、どうやらビデオのようだ。その証拠に、寄付するのにビデオが使われている。寄付の仕組みも非常に簡単だ。
消費者が専用モバイルサイトで視聴したビデオを、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを通して友達や家族にシェアする毎に、コカ・コーラがシロクマ保護キャンぺーンに1ドル寄付するという仕組みだ。お気に入りのビデオをシェアするだけで、シロクマを保護する活動に参加できるのである。
今回のスーパーボウル用のキャンペーンでは、ビデオと並んでソーシャルメディアもかなり重要なポイントになっている。フェイスブックファンページはファン同士がコミュニケーションする場として、さらにビデオをシェアする場として活用されるだろう。また、ツイッターは#GameDayPolarBearsのハッシュタグを用意して、試合中簡単にツイートできるようにするらしい。
今回のコカ・コーラのスーパーボウル向け広告キャンペーンは、昨年の11月に始まった大規模なArctic Home基金のフィナーレを飾ることになるのかもしれない。また、コカ・コーラは、シロクマ以外の野生動物を保護する活動も支援している。2月5日の結果を楽しみに待ちたい。
【3】 今回のまとめ
試合を観戦しながら、ダイナミックに更新されるビデオをモバイル端末で視聴する。想像しただけでワクワクしてくる。モバイルは、スーパーボウルのような野外で行われるイベントと相性が良い。
日本でもサッカーの試合やアーティストのコンサートなどでの利用が考えられる。コンテンツは、すぐに理解できるビデオに尽きるだろう。時間も15~30秒くらいがベストだ。モバイルを活用したキャンペーンは手軽に始められることから、今後も面白い事例が増えてくる分野だと考えられる。
成功のポイントは、今回のコカ・コーラが実践しているように、ウェブサイト、アプリ、ソーシャルメディアなどとミックして展開することだ。
⇒ ニュースソース:「Coca-Cola drives campaign donations via branded Super Bowl mobile site」
米国のZmagsから、1,500人のスマートフォンとタブレット所有者を対象に、2011年のホリデー期間中のモバイルコマースの現状を調査した非常に興味深い調査レポートが発表されている。そこで今回は、この調査レポートで明らかになったモバイルコマースの現状についてまとめてみたいと思う。
【1】 モバイルの所有者はアプリよりもウェブサイトを好む
2011年のホリーデーシーズン期間が記録的なセールスを記録したこと、そしてモバイルコマースが無視できない大きな存在になったことは、いろいろなレポートで報告されている通りである。例えば、その中のエピソードを1つだけ紹介すると、タブレット所有者の87%が昨年のホリデー期間中に自分のタブレットを使用し、平均325ドルショッピングしたという。
しかし、それ以上に興味深い今回の調査結果は、スマートフォンやタブレットのアプリを使ったショッピングを好む消費者が、たったの4%しかいなかったことである。この4%という数字は、ちょっとした衝撃を与えてくれる。
ショッピング用アプリの方が、ブラウザベースのモバイルとタブレットコマースの専用ウェブサイトよりも優先順位が高いと考えていた小売事業者が多いはずだからである。下のグラフを見てほしい。スマートフォン、タブレットともにアプリを使ったショッピングを好むと回答した所有者はどちらも4%しかいない。一方、専用ウェブサイトでのショッピングを好むと回答した所有者は、タブレットが9%、スマートフォンが14%となっている。
Point-①:
アプリを使ったショッピングを好むモバイルユーザはわずか4%
■ 消費者が好むショッピングのスタイル
アプリがスマートフォンとタブレットの所有者に好まれていないのではない。あくまでも、ショッピングの目的で利用する際にアプリが好まれないというだけだ。ゲーム、ビデオ、音楽の利用では断然アプリの方が人気が高い。
ショッピング利用にアプリが好まれない理由について考えてみたのだが、一番の理由は、PCのウェブサイトで使い慣れた使用感から離れたくないからだと考えている。アプリの種類にもよるだろうが、アプリのユーザーインタフェースはお世辞にも使いやすいとは言えないものが多い。あのYouTubeでさえ、PCの方が断然使いやすい。
スマートフォンはまだしも、タブレットはスクリーンサイズもノートPCにほぼ匹敵する大きさを実現している。ショッピングにPCと同じ使用感を求めるのは当たり前のことだろう。ウェブサイト並みの使用感を実現したアプリが登場してこない限り、この差はなかなか埋まらないような気がしてならない。
参考までに、下のグラフは、米国の小売事業者のモバイルコマース用のアプリを提供している割合を表したものである。モバイルコマース用のアプリを提供済みの小売事業者はまだ19%に過ぎない。ただ、消費者のニーズとは反対に、今後提供する小売事業者が増えてくることは間違いなさそうだ。
Point-②:
モバイルコマース用アプリを提供している小売事業者はわずか19%
■ モバイルコマース用アプリを提供してる小売事業者の割合
【2】 タブレット所有者はカウチポテトを好み、ハッピーとワクワク感を感じている
Zmagの調査結果によれば、タブレット所有者の約3分の1が自分のタブレットでショッピングするのを好むという。また、2011年のホリデー期間中にタブレットでの購入が多かった分野は、電化製品、洋服、おもちゃ、ラグジュアリーで、特にタブレット所有者の半分以上が、自分のタブレットで洋服を探すと回答している。
タブレット所有者の38%が自分のタブレットを通して商品を購入している。また、タブレットでブラウジング&購入されている割合は、玩具がブラウジングが43%で購入が38%となっており、何人かのタブレット所有者は、ダイヤモンドの指輪、時計、ブレスレットなどの高額商品を自分のタブレットを使って購入したという。
興味深い調査結果はそのショッピングスタイルだ。タブレット所有者は長時間ソファに寝転びながらショッピングするカウチポテト派が多いという。タブレット所有者の50%が、ソファの上がショッピングする一番好きな場所であると回答しており、それ以外に20%がベット、キッチン、ショッピングモール、コーヒーショップ、交通機関の中でショッピングすると回答している。
このショッピングスタイルは、タブレットコマース特有のものだと考えられる。今までのイーコマースのように、PCの前に座ってショッピングだけを楽しむのではなく、何か他の作業をやりながら、ついでにショッピングを楽しむのがタブレットコマース流ということになる。
Point-③:
タブレット所有者の50%がカウチポテトスタイルのショッピングを好む
もう1つ興味深い調査結果が、タブレット所有者のショッピングの際に感じる感情の種類だ。タブレット所有者の50%以上が、他のオンラインショッピング、モバイル、店舗内でショッピングするよりもハッピー、ワクワク感を感じながらショッピングしていると回答している。
この感情を感じる割合は男性よりも女性に多く、ハッピーと感じているのは男性が51%で女性が57%、ワクワク感を感じているのは男性が36%で女性が46%。しかし、2011年のホリデー期間中に自分のタブレットで201~500ドル消費した割合は、女性の37%に対して男性は52%という調査結果が出ており、ハッピーとワクワク感は感じていても、財布の紐は固いという女性の特徴がよく出ている。
Point-④:
タブレットは消費者をハッピー&ワクワクさせる
最後に、2012年の予測として、スマートフォン所有者のシッピング率は19%、タブレット所収者のショッピング率は49%という数字が出ている。この数字は、スクリーンサイズの大きなタブレットの方がショッピング向きなことを示している。よって、2012年以降のモバイルコマースの主役が、今まで以上タブレットになることはまず間違いないだろう。
【3】 参考情報
②「87 Percent of Tablet Owners Using Tablets for Holiday Shopping, Finds Zmags Study 」
eMarketer から、米国のモバイル広告市場が急成長しているという調査報告が発表された。eMarketerは、2011年9月にも同じ調査報告を発表しており、今回は前回の修正予測になる。会社の決算報告に例えるなら、予想以上に数字が伸びそうなので、慌てて上方修正したというところだろうか。
今回eMarketerから発表された修正予測は、前回の予測をかなり大きく上回っており、モバイル広告への投資が、米国の企業にとって重要なポジションにあることを証明する結果となっている。
⇒ eMarketer:「US Mobile Ad Spending Soars Past Expectations」
【1】 eMarketerの2011年9月と2012年1月の市場規模予測の違い
まず、eMarketerが2011年9月に発表した予測と、今回発表した最近の予測がどれくらい違うのかを見てみたい。下のグラフは、eMarketerが公表しているデータを私が1つのグラフにまとめたものである。
グリーンが2011年9月に発表された予測データ、ブルーが2012年1月に発表された予測データだ。去年の米国のモバイル広告の支出を、当初は2010年の7億4千万ドルから65%アップの12億3千万ドルと予測していたが、これを今回、89%アップの14億5千万ドルに修正している。
2011年だけを見れば、たかが2億2千万ドルの差にすぎないこともあり、大きなインパクトはない。問題は2012年以降の差だ。今年の予測データを、2011年9月時点では、前年度から47%アップの18億ドルと見ていた。ところが、この2012年の支出予測を、今回は80%アップの26億1千万ドルに大幅修正している。ここですでに8億ドルもの差異が出ている。
そして、2013年以降はこの差が年々開く一方になる。3年後に当たる2015年の数字を見てほしい。当初44億ドルと予測されていたのに、今回は約2倍の87億ドルに大幅修正されているのである。それだけ、モバイル広告が当初の予測を大幅に上回る勢いで伸びているということになるのだが、それにしても凄い数字だ。
■ eMarketerによる米国モバイル広告費の市場規模予測差異
■ eMarketerによる米国モバイル広告費の成長率差異
まだ半年も経たないうちに大幅に予測を修正せざるおえなかった理由はなんだったのだろうか。eMarketerは、米国のモバイル広告市場において以下の要因があったことを指摘している。
① グーグルのモバイル検索エンジン広告の急速な拡大
② タブレットとスマートフォン向けディスプレイ広告の急速な成長
③ グーグルのAdMob、アップルのiAdをはじめとしたモバイル広告ネットワークの成長
つまり。スマートフォンとタブレットの急速なシェア拡大が、モバイル広告費の市場を予想を超えたスピードで押し上げたと考えていいだろう。また、eMarketerはもう1つの要因として、リサーチ会社や大手広告代理店から最新の調査データを入手できたことをあげている。複数のデータをまとめて、より精緻な予測を行なった結果が、今回の修正に反映されていると見ていいだろう。
【2】 米国のモバイル広告費に関する各種調査比較
モバイル広告費の市場規模予測については、いろんなリサーチ会社や広告代理店が調査レポートを公開している。それぞれのレポートが、どれくらい差異があるのか、eMarketerのデータを参考にして表にまとめてみた。
一番上がeMarketerが2011年9月に発表したデータ、その下が今回発表したデータである。それ以下は各リサーチ会社や広告代理店などが発表したデータをそのまま引用している。
■ 米国のモバイル広告市場規模予測の各種データ比較表
この表を見てもわかるように、市場規模予測のデータほど当てにならないものはない。これだけバラバラだと、どの調査レポートを信用していいのかわからなくなってくる。今回のeMarketerの市場規模予測データは、フォレスター・リサーチのデータに一番近い。両方のバランスを見るのが、正しいアプローチなのかもしれない。
eMarketerも、今回これらの調査レポートを参考にしたことを認めている。そう言う意味では、かなりビジネスの実態に合った調査報告だと考えていいだろう。
【3】 米国モバイル広告費のフォーマット別シェア
次に、モバイル広告費がどんなフォーマットに分類されるのか、フォーマット別の広告費の支出額とシェアの成長率を見てみたい。eMarketerは、モバイル広告のフォーマットを、検索エンジン広告、ディスプレイ広告、メッセージング広告、ビデオ広告の4種類に分類している。
下のグラフは、eMarketerが発表したデータを元に、2011年から2016年までのモバイル広告のフォーマット別の広告費の支出額と、全体に占めるそれぞれぞれのシェア率をまとめたものだ。
■ 米国のモバイル広告費のフォーマット別支出額
■ 米国のモバイル広告費のフォーマット別シェア
① 検索エンジン広告
今回のeMarketerがモバイル広告費の市場規模予測を修正するきっかけになった背景には、モバイル検索エンジン広告の急速な成長があると言われている。
eMarketerは、2011年のモバイル検索エンジン広告費を、前年の2億5千万ドルから3倍近くアップした6億5千万ドル、そして今年2012年は前年の約2倍である12億8千万ドルと予測している。その後の成長率は鈍化し、2016年のモバイル検索エンジン広告費は53億ドルとなる。
モバイル検索エンジン広告は、モバイル広告費のフォーマット別で、6年間に渡り首位の座を守り続ける。しかし、全体に対するシェアは2011年が45.0%で、2014年の50.3%をピークにその後は低下し続けることになる。結果的には、2011年から2016年までの6年間でシェア率は3.5ポイントしか伸びていない。
長いスパンで見ると、わずかではあるが、シェアは低下傾向にある広告フォーマットだと考えられる。
② ディスプレイ広告
eMarketerは、2011年のモバイルディスプレイ広告費を4億5千万ドル、そして今年2012年は前年の2倍近い8億6千万ドルと予測している。その後の成長率はモバイル検索エンジン広告ほどではないものの、やはり鈍化し続け、2016年のモバイルディスプレイ広告費は40億ドルとなる。
モバイルディスプレイ広告は、モバイル広告費のフォーマット別では6年間に渡り検索エンジン広告に次ぐ2位の座を守り続ける。シェアも2011年の30.7%から毎年増え続け、2016年には2011年から7.7ポイントアップの37.0%となる。
広告費の支出額だけではわからないが、モバイル広告費全体に占めるシェアを見ると、将来性は検索エンジン広告よりもディスプレイ広告の方が高いことがわかる。2011年の両者のシェアの差は15.7%あったが、2016年にはこれが11.5%にまで縮まっている。
③ メッセージング広告
eMarketerは、2011年のモバイルメッセージング広告費を2億8千万ドル、そして今年2012年は3億2千万ドルと予測している。その後の成長率も前年を下回ることはないものの、急成長することもなく、2016年のメッセージング広告費は約5億ドル。
メッセージング広告は、モバイル広告費のフォーマット別で2013年までは3位に座るが、2014年にはモバイルビデオ広告に追い抜かれてしまう。シェアも2011年の19.6%をピークに、その後は毎年下がり続け、2016年には2011年から15.1ポイントダウンの4.5%%になってしまう。
モバイルメッセージング広告は、広告費の支出は下がることがないものの、モバイル広告費全体に占めるシェアは急速に存在感を失い、将来性があまり期待できないモバイル広告フォーマットだといえる。
④ ビデオ広告
Marketerは、2011年のモバイルビデオ広告費を6千8百万ドル、そして今年2012年は前年の2倍以上1億5千万ドルと予測している。その後の成長率は全フォーマット中ダントツの勢いを見せ、2014年にはメッセージング広告を追い抜き、最終的な2016年のモバイルビデオ広告費は11億ドルになる。
モバイルビデオ広告は、全体に占めるシェアでも2013年にメッセージング広告を抜き去り、2011年に4.7%しかなかったシェアは2016年に10.0%にまで上昇する。ポイントだけで見れば6年間で4.3ポイントのアップに過ぎないが、シェアを2倍以上も伸ばしているのは、全フォーマット中モバイルビデオ広告だけだ。
モバイルビデオ広告は、今後最も成長が期待できるフォーマットとして、広告代理店や広告主である企業から注目されている。2011年時点では6千8百万ドルと1つだけ桁が違っているが、LTEやWiFiといったインフラが整備されれば、今回の予測を大幅に超える可能性が残されている唯一のフォーマットだと考えられる。
【3】 今回のまとめ
今年の1月19日、同じeMarketerから米国のオンライン広告費に関する市場規模予測も発表されている。
⇒ eMarketer:「US Online Ad Spend to Close in on $40 Billion」
2012年のオンライン全体の広告費は395億ドルで、初めて旧メディア(新聞、雑誌など)の338億ドルを上回るという。2012年は、オンライン広告にとって歴史的な1年になりそうだ。
さて、2012年のモバイル広告費が26億ドルということは、上方修正したとはいえ、オンライン広告費全体から見れば、そのシェアはまだ6.6%しかない。しかし、ここで注目したいのは、オンラインビデオ広告費の成長率だ。
オンラインビデオ広告費の2012年の成長率はすでに23.3%しかない。一方、モバイル広告費の2012年の成長率は80%もある。つまり、オンライン広告全体で見ればさほどの成長率はもう期待できなくなっており、今後の成長はモバイルの肩にかかっているのだ。
下のグラフを見てほしい。2012年に6.6%に過ぎなかったモバイル広告費のオンライン広告費全体に占めるシェアは年々増え続け、2016年には17.5%にまで上昇する。オンライン広告の未来がモバイルにあると言っても決して過言ではない。
■ オンライン広告費とモバイル広告費の支出額
■ オンライン広告費とモバイル広告費の成長率とモバイル広告費のシェア
セミナー開催の告知です。今年1回目のセミナーを、ソフトバンクモバイルさま、イシンの大木さんと一緒に開催することになりました。
ソフトバンクモバイルさまからは最新の動向とお得な料金プランのご紹介、イシンの大木さんからはアイフォン&アイパッド法人導入の実態と課題についてお話いただきます。私は、動画とアイパッドを活用した国内・海外の動向と活用事例について話す予定です。
イシンの大木さんとは、昨年の11月に続き2回目のセミナーになります。今回もどんな話が聞けるのか非常に楽しみです。
以下はセミナーの概要です。
■ 開催日時: 2月24日(金曜日):15:30~18:00
※15:15~受付開始
■ 開催場所: ソフトバンクモバイル本社会議室
※〒105-7317 東京都港区東新橋1-9-1
■ 参加料金: 無料(事前登録制となっております)
■ 定員: 30名
■ プログラム:
● 15:15:受付開始
● 15:30-16:00:
始めの挨拶:ソフトバンクモバイル株式会社
● 16:00-16:50:
第1部:「アイフォン&アイパッド法人導入の実態と課題」
講師:イシン株式会社 代表取締役 大木豊成
http://jinzai-ikusei.co.jp/
● 16:50-17:00:休憩
● 17:00-17:50:
第2部:「動画×アイパッド:最新のトレンドと活用事例」
講師:ビムーブ株式会社 代表取締役 伊藤靖
http://www.bemoove.jp/
● 17:50-18:00:質疑応答、名刺交換他
※セミナーの内容は変更となる場合がございます。
予めご了承下さい。
お申込みは以下からのフォームからお願いします。
⇒ http://動画配信サービス.jp/information/?p=11
ご興味のある方は是非参加下さい。当日会場でお会いできるのを楽しみにしております。
昨年ブレークしたモバイルビデオが、今年さらなる成長を見せことは間違いないだろう。今回は、モバイルマーケティング戦略の中で最も企業の注目を集める、モバイルビデオの可能性と、モバイルビデオの導入を成功に導くためのベストプラクティスについて考えてみたい。
【1】 トレンド予想-1:2012年、モバイルビデオはニッチからメインストリームに
スマートフォンとタブレットの普及は、消費者の生活とビジネスに大きな変化をもたらした。例えば、チェックしたいニュースは、通勤途中にスマートフォンやタブレットでいつでも好きな時間に確認することができる。また、飛行機での移動中も、iPadで映画を楽しむことができる。我々消費者は、モバイルに以前よりも多くの時間を費やしている。
大きな変化はビジネスの世界でも起きている。モバイルは、もはやニッチではなくメインストリームな存在になっている。消費者は、デスクトップPCやノートPCの代替品としてではなく、モバイル端末を欠かすことができない端末として利用している。
特に、ノートPCに匹敵するスクリーンサイズと性能を兼ね備えたタブレットが登場した衝撃は大きい。IDCは、タブレットの2011年の最終的な販売台数は6000万台になるだろうとしている。また、JPモルガンによれば、タブレットの2012年の利用者数は約1億人になるとのことだ。
以上のデータからもわかるように、スマートフォンとタブレットのさらなる普及に後押しされながら、モバイルビデオは爆発する。米国のミレニアム世代(2000年以降に18歳となる、1982年以降に生まれた人たちを指す)にとって、モバイル端末は最初にビデオをみるための端末として根付いているという。
スマートフォンの勢いも止まらない。ニールセンによれば、スマートフォンの市場占有率は、3年前の18%からアップして50%近くになるという。さらに今後は、4Gの導入とWiFiの普及が今まで以上の成長を後押しするということだ。
手に取った瞬間にインターネットにつながるスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末は、ビデオの視聴に向いている。自宅だろうが、オフィスだろうが、移動中だろうが、どこにいてもビデオを楽しむことができる。4GやWiFiが普及すれば、画質も今まで以上の品質が期待できる。
2012年、Mobile Marketerは1億人の人間がモバイル端末でビデオを視聴し、TOP100に名を連ねるブランド企業の80%がモバイルビデオ広告キャンペーンを展開するだろうと予測している。また、リサーチ会社のモバイルスクェアは、2012年のモバイル広告予算が、2011年の20億ドル以上になるだろうと予測している。
2012年、モバイルビデオは完全にメインストリームの座に君臨するだろう。
【2】 トレンド予想-2:2016年、約4億人の消費者が無料でモバイルビデオを視聴
モバイルビデオの台頭は2012年以降も止まらない。ABIリサーチの報告によれば、3億9千万人の消費者が無料でモバイルビデオを視聴するだろうということ。
ポイントは、あくまでも無料だという点。ABIリサーチによれば、モバイルビデオがこれだけ爆発しても、キャリアもプロバイダーもビデオコンテンツをマネタイズすることは無理だろうと予想している。
その理由は、フリーミアモデルが定着しているからだ。キャリヤやプロバイダーだけではない。コンテンツを保有している企業が、モバイルビデオを事業化する上で一番に検討しなければならない課題は、消費者にコンテンツの利用料金を払ってもらう方法を見つけることだ。しかし、これが簡単ではない。なぜなら、消費者はインターネットのあらゆる場所に、無料で利用できるコンテンツがあることを知っているからだ。
一部の専門家は、最初にフリーミアモデルで全てのユーザに基本サービスを提供し、そのあとに少数のヘビーユーザ向けにプレミアムコンテンツを提供し収益を得るモデルがあると言うが、成功する確率は低いと思われる。まだ広告モデルの方が成功しそうだ。以前は、たくさんの無料ユーザを抱えるのは、法外なコストがかかる以外の何物でもないという意見が主流だったが、今となってはフリーミアモデルが主流になりつつある。
消費者自身もフリーミアモデルを望んでいる。ビデオではないが、アップルやリムが提供しているテキストや写真などのメッセージ送信サービスは全て無料だ。アプリだって、無料のものに人気が集まる。モバイルビデオがコンテンツとして消費者に受け入られるには、無料であることが必須となる。
【3】 トレンド予想-3:2012年、モバイルビデオ広告が爆発する
2011年、ブランド、出版社、小売事業者は、ユーザとエンゲージする方法としてモバイルビデオ広告を採用した。そして2012年、モバイルビデオ広告は様々なプラットフォームに混合されながら成長し続けるだろう。
2012年、企業は従来までの媒体に費やしていた広告予算をモバイルビデオにを切り替えるに
違いない。なぜなら、モバイルビデオは効果測定が簡単だからだ。従来までのビデオプレロール広告は、企業側がビデオを見ている人間の特定ができなかった。しかし、モバイルビデオとソーシャルを組み合わせれば、ビデオを見たユーザが特定できる。
ビデオを見たユーザを特定できるメリットは大きい。ビデオを見たユーザに、様々な情報をフィードバックし、新しい見込み客の開拓ができるからだ。消費した広告予算の効果が目に見えるため、次の広告出稿計画が立てやすくなる。
2012年、モバイルビデオ広告のざらなる成長によって、モバイルビデオ広告はウェブ広告戦略の重要な一部分になるだろう。モバイルビデオ広告は、モバイルマーケティングのミックス戦略の一部として、単独で計画されるものではなく、むしろより大きな戦略として考えるべきである。2012年、フォーチュン500ブランド企業の多くが、モバイルビデオ広告に予算を大きくシフトするだろうと予測されている。
中でも、広告かビデオクリップが始まる前までに終わるストリーム配信ビデオ広告は、投資対効果と価値の面で人気が高いとされている。リサーチ会社リズムは、ストリーム配信ビデオ広告は、ウェブサイトの平均コンプレッションレートが72%であるのに対し、87%のコンプレッションレートがあると報告している。
オラクルの調査報告によれば、モバイルユーザの43%が、カメラをモバイル端末と交換したという。モバイル端末が、どのようにして消費者のいつでも欲しいガジェットの1つになったかを証明する興味深いエピソードだ。モバイルビデオは、モバイル、ウェブ、テレビの3つのスクリーンを横断するコンテンツとして、消費者の生活に入り込むだろう。
企業の広告全体の予算に占めるモバイルビデオへの投資は、2012年も間違いなく増え続ける。
【4】 モバイルビデオ広告の導入を成功に導く5つのベストプラクティス
モバイルビデオ広告を採用したキャンペーンの効果については、様々なデータが公開されている。
ヤフーによれば、モバイル広告を見た人のアドリコール率は、ほかのどんな媒体より15%も高いという。また、インサイトエクスプレスは、モバイルビデオ広告キャンペーンがPCをターゲットとしたビデオ広告キャンペーンよりも広告認知が2倍もあると報告している。では、高い効果が見込めるモバイルビデオを活用するベストな方法とは何だろう?最後に、モバイルビデオ広告を導入する際の参考になる、5つのベストプラクティスを紹介したい。
① 可能な限り多くのユーザに届けるために複数のタイプのビデオ広告を展開する
モバイル端末でビデオ広告を視聴するにはいくつかの方法がある。ビデオコンテンツを再生する前にビデオ広告を再生するインタラクティブビデオ、ゲームのレベルに移る間やアプリケーションをインストールした時にビデオ広告が再生されるインタラクティブプレロール、消費者がバナーなどのマークをタップした後にビデオ広告が再生される、タップ型インタラクティブビデオなどだ。これら全てのフォーマットで広告を展開することで、大量のユーザに視聴してもらえるようになる。
モバイル専用サイトを好むユーザもいれば、アプリを好むユーザもいる。また、ゲームを利用するユーザもいれば、ニュースを利用するユーザもいる。ユーザの興味はそれぞれ違う。よって、できるだけ多くのユーザにビデオ広告を視聴してもらうには、複数のタイプのビデオ広告を展開する必要がある。
② エンゲージメントを増やすためにビデオ広告とディスプレイ広告を組み合わせる
モバイルビデオ広告は、ディスプレイ広告とリッチメディア広告と組み合わせることでさらに効果が増す。バナー広告とフルページの広告は、モバイルビデオ広告と組み合わせることで、それぞれCTRが45%と50%に増加すると報告されている。
消費者は、同じブランドのバナー広告とフルページの広告で、他のコンテンツをクリックする用意ができている。ディスプレイ広告の中にビデオ広告を用意すると、ビデオ広告の視聴回数も増える。広告効果を最大限に発揮するには、ビデオとディスプレイ広告を同じモバイル専用サイトかアプリに展開するのがベストだ。
③ 他の情報にリンクできるタップ機能付きのインタラクティブビデオを用意する
典型的な15秒のビデオ広告の後に、インタラクティブビデオのオプションをタップして、消費者により長いフルレングスのコマーシャルを見せる。この機能は、広告に興味のない消費者は延長された広告を見る負担から解放されるという効果がある。全ての消費者が広告に友好的なわけではない。
インタラクティブビデオのタップ機能はアプリでも使うことができる。そして、インタラクティブビデオのタップ機能は、21%のビデオコンプレッションレートと7.2%の平均CTRという非常に高いエンゲージメント効果をもたらす。
これらの統計は、インタラクティブビデオのタップ機能が、消費者と深くエンゲージするために効果があることを証明している。。
④ 独自性を出すためにも倍いるビデオ広告の中にカスタムなボタンを用意する
広告主は、モバイルビデオ広告にユーザに次のアクションを促し、様々なマーケティングデータが収集できる特別なボタンを表示することができる。
例えば以下のような使い方がある
● ウェブサイトにリンクする
● フェイスブックにシェアする
● ツイッターにシェアする
消費者はこれらのボタンをかなり高い割合でクリックする。標準的な”ウェブサイトにリンクする”というボタンをつけたインタラクティブビデオは、CTR1が27%、さらにカスタムボタンを付けたインタラクティブビデオの平均CTRは1.5%という結果が報告されている。
⑤ モバイルビデオ広告はプレミアコンテンツと一緒に表示させる
企業は、自分たちのモバイルビデオ広告が表示される場所について神経を配る必要がある。消費者に気づいてもらえないような時間帯や場所、または消費者があまり好ましいと思っていないコンテンツと一緒にモバイルビデオ広告が表示されたら、ブランドイメージはすぐに傷ついてしまう。モバイルビデオ広告は、消費者にとって価値のあるプレミアコンテンツと一緒に表示させるのがベストだ。
消費者がプレミアコンテンツを視聴するためにウェブサイトにアクセスしているのであれば、モバイルビデオ広告もプレミアコンテンツと一緒に表示させるべきである。この場所と時間への気配りが成功への第1歩となる。
終わり。
2012年は、モバイルビデオを含んだ広い意味でのモバイル戦略が、ソーシャル以上のインパクトを与えるのではないかと考えている。ソーシャルもコマースも、モバイルへの対応をなくして成功を得るのは難しいと考えられるからだ。
ソーシャルメディアに関する米国の最新情報が手に入ることで人気があるSimply Zestyの1月22日(米国時間)付けのブログに興味深いタイトルの記事が掲載されている。要約すると、3年前にスタートしたSimply Zestyが、もしもいま会社をスタートするとしたら、100%モバイルにフォーカスするだろうという内容で、モバイルの可能性について述べている。
⇒ Why The Next Breed Of Agencies Should Be 100% Mobile Plays
モバイルが2012年にブレイクするだろうという数字をベースにしたレポートは数多く報告されているので、今回はモバイル戦略を実行して成功を得た具体的なケーススタディを2つ紹介したい。
【1】 シアーズとメイシーズについて
米国を代表する小売業のシアーズとメイシーズについては、日本人でも名前くらいは知っているのではないだろうか。どちらも米国を代表するリアルな店舗を構える小売事業者だが、その歴史や業態にはかなりの違いがある。
お互い歴史のある米国を代表する小売事業者でありながら、現在の業態や客層にはかなりの差があり、比較対象としてはかなり面白いのではないかと考えた。
では、シアーズとメイシーズそれぞれのモバイル戦略の共通点と違いはどこにあるのだろうか。2社が実際に実行した具体的な戦略を分析することで、それが明らかになるはずだ。尚、ここでモバイルという言葉を使う時は、スマートフォンやタブレットを含んだ広い意味の総称であることを断わっておく。
【2】 シアーズのモバイル戦略
■ モバイル専用サイトとアプリの両方を提供
シアーズでは、スマートフォンを所有している顧客の10人中7人が、スマートフォンを買い物やブラウジングに利用しており、モバイルは売上を増やすための重要な戦略の1つになっているという。そのために、シアーズはモバイル専用サイトとアプリの両方を提供し、どちらからも商品の注文・購入ができるようにしている。
※ スマートフォンでアクセスするとモバイル専用サイトが立ち上がる。
※ アプリは無料でアプリ購入サイトでダウンロードできる。
シアーズは、モバイルを、消費者が買い物をするための便利なツールとして提供しているだけではない。消費者がモバイルを使って、どこにいても、いつでも買い物ができる環境を提供する意外に、QRコードから探している情報がすぐに見つけられる機能も提供している。これによって、シアーズを利用する顧客にとって、アプリは必要な情報をいち早く入手するための貴重なツールにもなっている。
また、シアーズはソーシャルへの対応も進めており、いち早くアプリをローンチしている。シアーズによれば、アプリは顧客とのエンゲージメントに効果があるという。そして、モバイルはソーシャルメディア、顧客、ブランドの3つを統合するために必要だとのことだ。
※ アプリの活用方法
① 商品の注文と購入ができる
② 最新の情報が収集できる
③ ソーシャルで情報の共有とエンゲージメントができる
■ リアルな店舗でモバイルを活用
シアーズのモバイル戦略の特徴は、ウェブだけではなく、リアルな店舗にまで展開している点だ。
シアーズによれば、消費者というのは、ウェブと店舗の両方で最高のサービスを望んでおり、顧客を満足させるためには、常にウェブと店舗の両方に新しい戦略を打ち出す必要があるという。どちらか1つだけでは、十分な結果が得られないということだ。シアーズの言葉を借りれば、モバイルはウェブと店舗の両方にお客を連れて来る接着剤としての役割を果たすという。
その言葉を証明するかのように、シアーズは、ウェブと店舗を融合させた面白いサービスをいくつか展開している。
① モバイルから商品の受け渡し方法が選べる
シアーズは、モバイル専用サイトとアプリの両方から商品を注文・購入できるようにしているが、その際、購入した商品を自宅に届けてもらうか店舗まで取りに行くかを選べるようにしている。
また、店舗で商品を購入した場合でも、シアーズは約700以上の店舗に指定の駐車場を完備しており、希望すれば商品を駐車場まで届けてくれる。また、もしも消費者が店舗での受け取りを選んだ場合は、商品を受け取ることができる指定の商品受け取りセンターも用意している。
この商品の受け取り方法を選べるというサービスは非常にユニークだ。オンラインショッピングと聞くと、反射的に自宅への配送を思い浮かべてしまうが、店舗がある小売事業者の場合は、店舗での受け渡しを選択する消費者がいたとしても確かに不思議ではない。店舗で商品を受け取ることで、店舗のスタッフと交流したいと考える消費者はたくさんいるに違いない。
② 450店舗にiPadとiPod Tuchを導入
シアーズは、ウェブと店舗を融合させるために、450の店舗にiPadとiPod Touchを導入している。このiPadとiPod Touchは顧客が自由に使うことができて、店舗内の情報、商品の在庫、商品の詳細情報などをタイムリーに得ることができるという
これらの情報の中には、数多くの商品レビューや、商品を説明しているプロダクトビデオなどの有用なコンテンツが数多く含まれており、消費者は店舗にいながらWiFiを経由してウェブの情報にアクセスできるようになっている。
シアーズによれば、この店舗へのiPadとiPod Tuchの導入は、店舗と顧客、顧客同士のコミュニケーションの活性化と、カスタマサービスの向上に効果があるということだ。
店舗にiPadとiPod Tuchを導入して顧客に自由に触らせるというサービスは、今後間違いなく増えてくるだろう。ウェブにある情報は、店舗では知ることができない詳細な情報(特にビデオ)が多く、見たいという買い物客は多いはずだ。納得して買い物を楽しんでもらうためにも、店舗でウェブの情報にアクセスできるサービスは価値があると思われる。
■ まとめ
① モバイル専用サイトとアプリを提供し、直接買い物ができるようにしている
② 顧客にとって、モバイルは買い物と情報収集に欠かせない存在になっている
③ モバイルは、ウェブと店舗を融合させる接着剤の役割を果たしている
※ iPadとiPod Touchの店舗への導入
【3】 メイシーズのモバイル戦略
■ 戦略実行の投資をモバイルに大きくシフト
メイシーズによれば、2011年のモバイルによる売上は、前年度よりも70%増えたということだ。また、モバイルは、広告、マーケティング、販売の3つの目的を達成するために重要だという。2011年の実績から、メイシーズは今まで以上にモバイルへの投資を増やすとしており、現在は効果的なモバイル戦略を模索するための、テスト期間として捉えているということだ。
メイシーズも、シアーズ同様非常に使いやすいモバイル専用サイトを消費者に提供している。スマートフォンでウェブサイトのURLにアクセスすれば、自動的にモバイル専用サイトが立ち上がるしくみだ。
※ スマートフォンでアクセスするとモバイル専用サイトが立ち上がる。
※ アプリは現時点では用意されていないようだ。
メイシーズにとって、モバイルは重要な戦略の一部になっており、もしもモバイルに対応していなかったら、数多くの顧客を失っていた上に、数多くの消費者とのエンゲージメントも実現しなかっただろうとしている。また、モバイルは、メイシーズが現在重要視している戦略の根幹をなしているという。
メイシーズが特に力を入れているのが、モバイルを使ったショートメッセージサービス(以後SMSとする)だ。メイシーズによれば、SMSの顧客リストがこの6ヶ月間で2倍に増えたとのことで、近いうちにこのリストを3倍または4倍にすることを目標にしているという。消費者は、SMSを通してセールなどの様々な情報を受け取ることができるため、エンゲージメントに高い効果があるとのことだ。
メイシーズは、現在このSMSの会員を増やすことに力を注いでいるらしく、将来的にはクーポンなどの情報を送りたいと考えているらしい。
■ モバイルの再ローンチ
メイシーズは、2011年11月に、消費者にもっとユーザフレンドリーなサービスを提供したいという理由で、モバイル専用サイトを再ローンチした。メイシーズによれば、このモバイル専用サイトは自社で開発したものらしい。この再ローンチによって、メイシーズのモバイル専用サイトは、消費者が簡単に買い物ができる使い勝手の良いサービスに生まれ変わったという。
また、メイシーズは、2001年の春にモバイルと店舗を融合させたユニークなキャンペーンをローンチしている。顧客にQRコードを印刷したバックステージ・パス(通行証)を配り、QRコードから最新の春物ファッションの情報にアクセスできるようにしたり、お気に入りのデザイナーのビデオを視聴できるようにしたのである。
※ジェシカ・シンプソン、トミーヒルフィガー、ボビー・ブラウンなどのデザイナー
このキャンペーンでは、ボビー・ブランの、スモーキーアイのメイクアップチュートリアルビデオのQRコードが最も数多くダウンロードされたらしい。そして、このバックステージ・パスは、買い物客がSMSとQRコードから簡単に取得できるようになっていて、ここでもSMSとQRコードが活用されている。
⇒ メイシーズのバックステージ・パスの使い方を説明したビデオ
また、メイシーズは、消費者が店内に入ったと同時にポイントがたまるキックバックのサービスも2年前に導入しており、モバイルと店舗を融合させたキャンペーンにはかなり力を入れているのがわかる。
■ まとめ
① モバイル専用サイトを提供し、直接買い物ができるようにしている
② モバイルとSMSを使った顧客とのエンゲージメントに力を入れている
③ モバイルと店舗を融合させたキャンペーンに力を入れている
※ バックステージ・パス、キックバック
【4】 今回のまとめ
シアーズとメイシーズに共通している特徴は、両社ともウェブと店舗の融合を重要視しており、そのためにモバイルを活用している点だ。このウェブと店舗の融合は、オンライン専業の小売事業者では見られない特徴であるため、調査していて非常に興味深かった。
モバイルは間違いなくブレイクする。特に店舗を構えている小売事業者にはマストだ。店舗にiPadやiPod Tuchを導入して店舗内からウェブの情報にアクセスさせたり、QRコードとバックステージ・パスを組み合わせたキャンペーンなどは、買い物客の利便性を考えた非常に面白いサービスだといえる。
モバイルはもともと日本が得意だった分野だ。日本でもモバイルを使った面白いサービスやキャンペーンが登場するのを期待したい。
⇒ シアーズ戦略の情報ソース:
Sears keynote: 2012 will be mobile’s tipping point
⇒ メイシーズ戦略の情報ソース
つい最近、営業を開始した2008年から、3年以上もずっとサービスを利用いただいていた顧客との契約が終了した。結論を先に言うと、請求できるサービスの料金と顧客が要求する機能の折り合いがつかなかったからだ。契約開始当初から、請求していた料金以上の内容を提供していたのだが、会社を設立して間もない頃ということもあって、実績と天秤にかけて多少の無理を承知で自分の独断で受注した仕事だった。
ところが、今回の契約更新時の顧客からの新たな要求は、請求している料金で提供できる内容を遥かに超えた内容だった。今回、その顧客への提案に私は加わらなかった。現在は営業の第一線から離れているせいもあって、全ての対応を営業部門に任せることにした。全てを独断で自分が決めていた3年前とは会社の状況が違っている上に、余計な口を出しで社員のやる気を失わせたくなかったからだ。
営業チームが出してきた結論は、今回は正規の料金を提示し、無理な契約更新はしないというものだった。つまり、こちらの提案が飲めないのであれば解約もしかたがないという判断。そして、その結果、顧客は他社のサービスに切り替える選択をした。
それは、提案した内容からして、ある程度予想できた結果だった。ちょっと意外だったのは、その顧客が、断わりの電話を営業担当ではなくわざわざ私宛てにかけてきたことだった。電話口で、その顧客は料金が上がるのであれば他のサービスに切り替えるしかないと言った。
私は3年以上もサービスを使ってもらったことに感謝の言葉を述べた。相手は何か言いたそうにしていた。もしかしたら、なんとかならないのか、本当にこれでいいのかと言いたかったのかもしれない。私は、他になんて言っていいのかわからなかった。ただ感謝の言葉を繰り返すしかできなかった。
その時の私の対応は、間違いでなかったはずだ。会社の決定を経営者の依存で覆すことなど許されないし、その顧客の要求通りにしてしまったら、同じ内容のサービスを正規の料金を支払って利用いただいる顧客への裏切り行為になってしまう。その顧客とサヨナラする方法は、それしかなかったはずだ。
その一方で、どこか釈然としない感情が心のどこかにずっと残ってしまった。まだ知名度のほとんどなかったサービスを、私の気合と勢いだけを評価して発注してくれた顧客だった。最初の訪問から何度も足を運んだ。そんな昔から使っていただいている顧客を失ってしまうというのは、苦労をして契約までこぎつけた人間としてやはり寂しさを感じてしまう。
黒字を達成し、会社が成長することは良いことだ。経営者が現場に介入しなくても、組織でいろいろなことが決められるのも良いことだ。しかしその反面、昔のようなスピード感や熱い対応で顧客にWOWが提供できなくなっているのも確かだ。実際、年末の挨拶で訪問したある顧客から、WOWがなくなってきていると指摘された。
最近、こうした会社の成長とベンチャーらしさを失っているのではというジレンマを感じる局面にたびたび直面する。会社のいろいろなプロセスが、効率やルールだけで決められて行く中で、ベンチャーらしさを発揮することに悩んでいる。成長を続けて行きながら、ベンチャーらしさを失わない会社にするためにはどうしたら良いかを毎日のように考えている。
会社が成長しても、プロセスが組織で動くようになっても、今まで会社の生命線であったスピード感と熱い対応を続ける方法が必ずあるはずだから。そこに、顧客に新しいWOWを提供できるヒントがあるのかもしれない。
新しいWOWを提供できる方法が見つかったら、他社のサービスを利用している例の顧客を訪問して、もう一度サービスを使ってもらうようお願いしようと思っている。アメリカの作家レイモンド・チャンドラーは、小説の中で主人公のフィリップ・マーロウにこう言わせている。「さよならを言うのは、少しの間だけ死ぬことさ」。
























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