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■ ホリデー期間中、オンラインショッピングの売上が前年度よりも15%増

ギリシアに始まったユーロ諸国の経済危機が毎日のようにニュースに取り上げられているが、危機とは言わないまでも、経済に対する不安がつきまとっているのは米国とて同じだ。ウォール街を皮切りに全米に広がった、格差社会に反対する一般市民のデモがそのことを物語っている。米国の経済も決して安泰とは言えない。

しかしその一方で、米国だけに限って言えば、前途がいかに暗く霧が晴れない状況であろうが、ホリデー期間中だけは財布の紐が緩んでしまうという憎めない部分を持ち合わせている。それは今年も例外ではなかったようで、ShopperTrakによれば、今年のホリデー期間中に消費された金額は2010年と比較して2.5%も増加したというからちょっと驚きである。

また、comScoreによれば、2011年は特にオンラインショッピングの勢いがすさまじく、ホリデー期間中にオンラインショッピングで使われた金額は320億ドルにものぼり、2010年と比較して15%も増えたということだ。2011年のホリデー期間は、オンラインショッピングが牽引したと言っても決して過言ではないだろう。


■ ホリデー期間中も躍進するモバイルコマース

その中にあって、特筆したいのは何と言ってもモバイルコマースの躍進だ。モバイルコマースのオンラインショッピング全体に占める割合は、3.74%と、PCと比較すればまだまだ小さい。しかし、注目しなければならないのは、その成長性だろう。今年4月時点でのモバイルコマースが占める売上高が1.87%だったことから、この8カ月間でなんと約2倍の成長率を達成したことになる。しかも、その成長度合が衰えるどころか、まだまだ加速し続けているところに勢いを感じる。

例えば、感謝祭の期間に当たる11月後半から12月初めにかけての間は最も高い数字を記録しており、、オンライン小売事業のウェブサイトを訪問した24%が、モバイルデバイスからのオンラインショッピングユーザだ。また、モバイルデバイスを利用するユーザは週末に増える傾向があり、ホリディー期間中の平均トラフィック14%なのに対して、週末は17%までアップする傾向がある。

今回のホリデー期間中のオンラインショッピングに関する調査から、オンラインショッピングにおけるモバイルコマースの重要性が改めて浮き彫りになった。2012年度以降のオンラインショッピングは、間違いなくモバイルコマースが中心になって行くはずである。


■ モバイルコマースの92%はiPhoneとiPadからのトラフィック

モバイルコマースの中心は、予想通りというか、やはりiPhoneとiPadだった。以前も記事で取り上げたことがあるが、オンラインショッピングにおけるiPhoneとiPadの強さは、ホリデー期間中も健在だったということになる。いや、むしろさらに勢いを増したと言ってもいいだろう。

米国のリサーチ会社RichRelevanceの最近の調査レポートによれば、ホリデー期間中の米国におけるモバイルコマースの売上の92%はiPhoneとiPadが占めているという。特に興味深いのは、モバイルコマースにおけるiPhoneとiPadのシェア率が毎月伸びているという点だ。

RichRelevanceが前回(2011年4月)に実施した調査では、iPhoneとiPadのシェア率は88%だったことから、この9ヶ月間で4ポイントシェアを拡大させたことになる。ユーザ数のシェア争いではアンドロイド勢の有利が伝えられているが、オンラインショッピングを利用するユーザに支持されているのは、圧倒的にiPhoneとiPadということになる。

また、iPhoneとiPadを利用しているユーザは、オンラインショッピングにおける利用金額が他のデバイスよりも多いという調査結果が出ている。iPhoneとiPadを利用しているユーザの平均購入金額は123ドルと、アンドロイドの101ドル、PCの87ドルを大幅に上回っている。


■ 2012年はタブレットコマースがオンラインショッピングをリードする

今回のホリデーシーズン期間中における調査レポートからも明らかな通り、2012年は、今まで以上にモバイルコマースがオンラインショッピングをリードすることは間違いないだろう。また、iPhoneとiPadが引き続きモバイルコマースの中心であることに変わりはないだろうが、画面サイズがiPhoneよりも大きくオンラインショッピングに向いていると思われる、iPadがモバイルコマースの中心になることが予想される。

それを裏付けるように、米国ではすでにタブレットコマースなるキーワードも登場しており、タブレットが、モバイルコマースの未来において中心的なデバイスになるのではないかと予想しているアナリストは決して少なくない。中でも、iPadはコンバージョンレートが高いことから注目を浴びており、その存在感は2012年になっても変わらないだろう。

タブレットコマースの未来は、間違いなくは明るいはずだ。なぜなら、iPadに強力なライバルが登場したことで、タブレットコマースの市場全体の底上げが期待されるから。アマゾンが満を持して市場に投入したKindle Fireは、もしかしたらiPadに並ぶタブレットコマース用デバイスの主役になるのではないかと思わせるに十分な販売実績を見せている。

販売実績がさほど振るわないとしても、Kindle Fireは世界最大のオンライン小売事業者アマゾンが製造・販売しているタブレットである。アマゾンが自らタブレットを製造・販売しているというこの事実が、アマゾンがオンラインショッピングの未来がタブレットにあると思っていることを証明していると言っていいだろう。

2012年は、タブレットコマースに要注目である。


● 関連記事

※ RichRelevance Holiday Shopping Study: Mobile Matters

※ T-Commerce(タブレットコマース)の衝撃。iPadの平均コンバージョンレートはなんとPCの2倍!

※ タブレットの現在と未来に関する考察:タブレットは家庭のリビングルーム用PCとして君臨する

itoman

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伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

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