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12月17日に速報というカタチでお届けした記事、「≪速報≫7.85インチのiPad miniが2012年4Q前に発売されるらしい」の続編として、タブレット市場に関するいくつかの調査レポートやニュースを参考にしながら、アップルが199ドル&7インチサイズのiPod TouchならぬiPad Touchを発売しなければならない2つの理由について考えてみたいと思う。


■ 2011年、市場に投入されたタブレットは100種類以上

この1年半の間に、どれくらいの種類のタブレットが市場に投入されたか知っているだろうか。この点に関して、retrebo が非常に興味深い調査レポートを発表している。retreboが発表した「Over 100 Tablets Introduced; Why You Can’t Name Any」によれば、何とこの1年半の間に市場に投入されたタブレットの種類は100種類以上にも上るという。

恐らく、タブレットの機種やブランド名を100種類全て答えることができる読者の方はいないだろう。私の場合、iPad以外の機種・ブランド名ですぐに名前が思い浮かぶものと言えば、GALAXY、SONY、KINDLE FIREくらいのものだ。つまり、第2のiPadを期待して、各メーカーがこぞってタブレット市場に参入を果たしたものの、iPadの対抗馬として名乗りを上げそうな存在は今のところまだ1つもないということになる。

下のグラフは、retreboが集計した、2010年7月から2011年12月までに投入されたアンドロイドOSタブレットの月別台数をまとめたものである。タブレット市場に参入してきたメーカーが、2011年になってから一段と増えていることがよくわかる。

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では、この100種類以上も市場に投入されたタブレットに対して、消費者はどんな反応を示しているのだろうか。下のグラフは、この1年間に消費者が興味を感じたタブレット製品(iPad、GALAXY TAB、KINDLE FIRE、NOOK、SONY TABLET)それぞれの月別推移を表わしたものである。一見してわかる通り、1年間を通してiPadの一人勝ち状態である。

それは、米国のホリディーシーズンでもある11月から12月にかけてもも同じことが言えるわけだが、その中にあって注目したいのがKINDLE FIREとNOOKの健闘振りだ。直近の1ヵ月だけに限って言えば、KINDLE FIREとNOOKは完全にアンドロイド勢に水を開け、iPadに次ぐ第2勢力の座を射止めたと言っても過言ではないような勢いを見せている。

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では、KINDLE FIREとNOOKの両者に共通している特長はいったい何だろう。それは、KINDLE FIREもNOOKも、7インチサイズのタブレットであるということだ。アンドロイド勢が代わり映えのしないiPadと同じ9インチ前後のスクリーンサイズの製品しか市場に投入してこなかったのに対し、KINDLE FIREとNOOKの両者には、7インチという明確な違いのある製品を投入して成功を収めた。


■ アップルが7インチサイズのiPad miniを発売しなければならない2つの理由

では、アップルが7インチサイズのiPad miniをの発売を決断することに至った理由とは一体何だろう。私は、大きく2つの理由があると考えている。

① 消費者が7インチサイズのiPadを望んでいる

iPadの9.7インチサイズは、今のところタブレットが実装するスクリーンサイズのスタンダードとなっている。iPad以降に発売されたアンドロイド系タブレットのスクリーンサイズは、大体9.7インチから10.1インチのものがほとんである。

実際にiPadを使ってみるとわかるのだが、この9.7インチというサイズは、オフィスの中で利用する分には何の問題もない。資料を読んだり、メールをチェックしたり、オンラインビデオを視聴したりするだけであれば、むしろiPadよりもサイズが一回り大きいノートPCよりも利用頻度は多いくらいである。

また、家庭のリビングルームで利用するに当たってもそれは同じだ。テレビを見ながらメールをチェックしたり、ウェブサイトを閲覧したり、オンラインビデオを視聴するだけであれば、すぐに画面が起動し、重量もはるかに軽いiPadの方がノートPCよりもどうしても利用頻度は多くなりがちである。

つまり、オフィスや家庭のリンビングなどで、座って利用するのであれば、iPadの9.7インチというサイズは、大きくもなく小さくもなくまさにジャストサイズということになる。普通に使うのであれば、iPadの9.7インチというサイズは、まさにパーフェクトなサイズと言っていいだろう。

しかしその一方で、iPadの9.7インチというサイズがマッチしない状況もある。例えば真っ先に思い浮かぶのが、電車での移動中に利用する場合だ。上手く座席に座れた時であれば現在の9.7インチサイズで全く問題はないが、立って移動中の時は大き過ぎて使うことができない。立ったまま電車で移動している最中、どうしてもメールをチェックしなければならない時などは、結局iPhoneを使うことになるのだが、50歳を過ぎて老眼が強くなってくると、今度はiPhoneの画面サイズでは小さ過ぎるという問題が生じてしまう。

資料を読んだりメールやスケジュールをチェックしたりするだけであれば、7インチサイズで十分なわけで、電車の移動中に立ったままでも使える7インチサイズのiPadが欲しいという声は、実際いろんなところで耳にしたことがある。ビジネス利用の分野においては、7インチサイズのiPadを待ち望んでいるユーザが実は存在していたのである。

7インチサイズのiPadを待ち望んでいるのは、何もビジネスユーザばかりではない。このホリディー期間中にiPad2をプレゼントとして欲しがった子供たちにも7インチサイズのiPadは受けいられるはずだ。使用する目的が、携帯ゲーム機の代わりとしてであれば、9.7インチではなく7インチでも十分だからである。

今回のretreboの調査レポートでも、7インチサイズのタブレットに対する潜在的なニーズのあることが明らかになっている。

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② 消費者がもっと低価格なiPadを望んでいる

7インチサイズのiPadは、機動性に優れているという以外にもう一つのメリットを消費者にもたらしてくれる。それは価格だ。499ドルのiPadが、機能はそのままにスクリーンサイズだけ7インチになってしかも199ドルで購入できるとしたら、それは消費者にとってかなり魅力的な商品になるはずだ。

9.7インチiPad2の499ドル(日本円にして44,800円)という価格は、たしかにノートPCに比べれば若干安いものの、中小企業が社員全員に支給するにはかなり勇気が必要な価格であると言っていいだろう。社員全員にiPadを支給したというニュースに取り上げられる企業のほとんどが、誰でも社名を知っている大企業であることが多いのも、価格が影響しているからではないかと私は考えている。

もしもこの価格が199ドルにまで下がったとしたらどうだろう。日本円にして約15,000円位になれば、企業の負担感もぐっと軽くなるのではないだろうか。ノートPCの代替機としてではなく、ノートPCやスマートフォンのサブデバイスとして利用するのであれば、15,000円という価格は十分検討できる価格帯であると言っていいだろう。

以前から言い続けてきたことなのだが、iPadが企業内にもっと広まって行くためには、価格が2万円を切る必要がある。2万円を切れば、iPadが提供している機能は、企業にとって非常に魅力的なツールになるからだ。これが、7インチになって15,000円前後までに下がるのであれば、iPadを導入する企業は一気に増えて来るのではないかと見ている。

実際、タブレットの価格に関しては、消費者もかなり敏感になっていることが今回のretreboの調査レポートでも明らかになっている。消費者に対して、499ドルのiPad2と良く似た機能を実装したアンドロイド系タブレットの購入を検討するかという質問をしたところ、何と79%の消費者が250ドルよりも価格が安ければ検討すると回答している。

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■ 今回のまとめ

アップルが2012年後半に発売する7インチサイズのiPadは、恐らく消費者に受けいられるはずだ。なぜなら、7インチサイズのタブレットに対しては、消費者の潜在的なニーズが存在するからだ。しかし、7インチサイズのiPadが消費者に受けいられるかどうかは、価格設定が重要なカギを握っている。

今回のretreboの調査レポートでも、7インチサイズのタブレットに対する潜在的なニーズと、それと同時に価格が重要であることが明らかになっている。消費者に対して、価格が190ドルのアンドロイド系7インチタブレットが発売されたとしたら、iPad2の代わりに購入を検討するかという質問をしたところ、42%の消費者がYesと回答しているのである。現行のiPadのままで良いと回答した消費者はわずか12%しかいないことから、低価格7インチサイズのiPad miniに対するニーズが非常に高いということがわかる。

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消費者は、199ドル&7インチサイズのiPad TouchならぬiPad Touchの発売を間違いなく待ち望んでいる。

itoman

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伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

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