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今回は、本ブログで何度も記事として取り上げてきた、プロダクトビデオの発展型とも言えるハウツービデオについて解説したい。プロダクトビデオよりも詳細な内容を持つハウツービデオは、商品の簡単な説明だけではなく、商品のより詳しい取扱い方や活用方法などを解説する場面で実際に使われている。今後も数多くのウェブサイトやイーコマースサイトで導入が予想される、今一番注目したいイーコマースビデオだ。

本題に入る前に、プロダクトビデオから学びたいという方は、是非以下の過去記事に目を通すことをお薦めする。

 ■「ザッポスが証明したビデオSEO効果、その概要とポイントに関するまとめ」

 ■「ソーシャルビデオコマースは確実にローンチした<Social Video Commerceに関するまとめ>」 

 ■「ウェブサイト上の魅力的なビデオ商品カタログを実現するショッパブルビデオの可能性」


【1】 ハウツービデオとは

まず始めに、ハウツービデオとはどのような種類のビデオのことを言うのか、その特長から説明したい。冒頭でも触れたように、ハウツービデオはプロダクトビデオの仲間である。ただ、ハウツービデオとプロダクトビデオが大きく違うのは、プロダクトビデオが単に商品の特長や機能を説明することを目的としているのに対して、ハウツービデオが商品の組み立て方と使い方を説明することを目的としている点だろう。

よって、プロダクトビデオの再生時間が一般的に60秒以内に決められているのに対して、ハウツービデオの再生時間は、2~3分とプロダクトビデオよりも長くなる傾向がある。また、プロダクトビデオが、アパレルや食料品など、比較的取扱い方法が簡単な製品の説明に使われているのに対して、ハウツービデオは、電化製品やコンピュータなど、どちらかと言うと取扱い方法が難しいとされている製品の説明に使われることが多い。ハウツービデオを導入する目的について、以下の通りまとめてみた。

 

●ハウツービデオの目的

  ①製品の組み立て方と使い方を説明する
  ②一般的またはスペシャルなお薦めの活用方法を説明する
  ③頻繁に寄せられる質問に回答する
  ④消費者の抱えている課題に反応する
  ⑤マニュアルには載ってない製品の組み立て方と使い方を説明する

では、ハウツービデオには、一体どんな効果があるのだろうか。まず、ハウツービデオには、消費者の購買意欲を刺激し、製品購入の決定に大きな影響を与えるという効果がある。購入を迷っている消費者の背中を押すという意味では、プロダクトビデオよりも効果が高いかもしれない。次に、ハウツービデオには、消費者が抱えている疑問・悩みを解決してくれるという効果がある。それによって、消費者からの質問・問い合わせ件数が減ったり、購入した製品の返品率が低下するといった副次的な効果も生まれる。

一方、ハウツービデオは、プロダクトビデオと同様の特長も持っている。まず、制作が簡単だということ。製品の組み立て方や使い方などのノウハウは社内に蓄積されているため、外部の手を借りる必要があまりない。内部生産が可能だという点が大きな特長の一つになっている。内部生産が可能だということは、コストをあまりかけずに制作ができるということを意味している。ハウツービデオが持つ効果・特長についても以下の通りまとめてみた。

 

●ハウツービデオの効果・特長

  ①消費者の購買意欲を掻き立てる
  ②消費者の疑問・悩みを解決してくれる
  ③質問・問い合わせの件数が減る
  ④商品の返品率が低下する
  ⑤制作が簡単である
  ⑥制作コストがあまりかからない

ハウツービデオとプロダクトビデオは、似て非なるものだということがわかっていただけたかと思う。


【2】 ハウツービデオの導入を成功に導く5つのチップス

①まずはFAQページに導入してみる

ハウツービデオは、プロダクトビデオの要素も含んでいるため、プロダクトビデオの代わりとして、イーコマースサイト上の製品紹介ページに配置するような活用方法が考えられる。しかし、米国のイーコマースサイトの事例を調べてみると、FAQ(よくあるご質問)ページ)にハウツービデオを配置しているケースが多い。ハウツービデオが、消費者が一番質問したいと考えている、製品の組み立て方や使い方を説明した内容のビデオであることから、FAQページに配置するという方法は理にかなっていると言っていいだろう。

また、消費者は同じハウツービデオを何度も見ることを嫌う。よって、ある程度タイミングを決めて、常に新しいハウツービデオを提供する必要が出てくる。この際効果的なのが、消費者に何か知りたいことはないか尋ねてみるというアプローチだ。ある消費者が知りたいと思っている内容は、他の消費者も同様に知りたいと思ってる可能性が高い。どうせ用意するのなら、たくさんの消費者に見てもらえそうなハウツービデオを制作した方がいい。消費者とのコミュニケーションが可能になるといった観点からも、消費者に必要なハウツーツービデオを聞いてみるというアプローチは高い効果が期待できる。

②主役は製品ではなく人間

ハウツービデオが、プロダクトビデオよりも技術的、専門的な説明を行うことから、製品が主役になるものと勘違いしているケースが見受けられるが、主役はあくまでも製品ではなく人間である。人間が製品の説明を行うことで、ビデオを見た消費者は製品とブランドに対して親しみと信頼を抱くようになる。

一番効果が高いのは、ハウツービデオの中でプレゼンテーションする人間を決めてしまうことだ。このような、ビデオの中でプレゼンテーションを行う人間のことを、ビデオ・ホスト、またはビデオ・スポークスマンと呼ぶ。ブレンドテック社のビル・ディクソンがまさにそうだ。

■史上最高のビデオ・スポークスマン、ブレンドテック社のビル・ディクソン

③テキストや説明文を必ず含める

消費者が、ビデオの中で話している言葉を理解できないという最悪の事態も想定しておく必要がある。よって、ポイントになりそうな箇所には、必ずテキストや説明文を含めることが重要になってくる。電化製品のオンライン小売事業者、クラッチフィールド・エレクトロニクス社のハウツービデオには、ポイントで短いテキスト・グラフィックが必ず挿入されているのだが、これが実に効果的に使われてる。

■クラッチフィールド・エレクトロニクス社の完璧なハウツービデオ

④販売することよりも、消費者の役に立つことを第一に考える

ハウツービデオは、消費者の購入の決定に大きな影響を与える。しかし、だからと言って、ハウツービデオを販売促進のために導入してはいけない。ハウツービデオは、あくまでも消費者の疑問や悩みを解決するために存在しているということを忘れてはいけない。自社ブランドの販売促進はあくまでも二の次。そこが、プロダクトビデオとハウツービデオの大きな違いでもある。

⑤消費者に自分で制作したハウツービデオの提供を促す

ハウツービデオは、そのビデオを見た消費者に新しい驚きと発見を与えることができる。よって、ハウツービデオを見て触発された消費者が、もっと簡単な製品の組み立て方や活用方法を考えつくことが想定される。その新しい製品の組み立て方や活用方法を消費者が撮影し、ハウツービデオとして提供してもらうことは、そのブランドのハウツービデオの価値をさらに高めることになる。消費者の力を借りる方法として、ハウツービデオほど機能するコンテンツはない。


【3】 ハウツービデオが向いている製品・業界

では、ハウツービデオはどんな製品や業界に向いているのだろうか。簡単にまとめてみた。

①電化製品・コンピュータ機器

電化製品やコンピュータ機器など、比較的取扱い方が難しいと言われている製品にハウツービデオは向いてる。何ページにも及ぶ紙の取り使い説明書を読むよりも、数分のハウツービデオを見て学ぶ方がずっと簡単で効率的だ。

②組立家具

家具などの組み立て方法の説明にもハウツービデオは向いている。組み立て家具に付いている紙の取り使い説明書は、かなり内容を簡潔にしてあることもあって、わかりずらいという難点を持っている。また、使う部品などが、イラストや写真だけでは判別がつきにくいということも、しばしば問題とされる。ハウツービデオは、そのまま真似るだけで製品が完成するので、非常に便利で役に立つ。

③美容・健康

美容や健康業界にもハウツービデオは向いている。たとえば、洗顔やフェイシャルマッサージの正しいやり方は、紙のマニュアルを読んだだけではわかり難い。実際の正しいやり方を見ながら学ぶことが一番である。ハウツービデオは、正しい美容・健康方法を自分で学ぶために効果を発揮する。

ハウツービデオは、最終的にマニュアルビデオ、教育ビデオといった内容に発展して行くことが考えられる。よって、ここで紹介した以外にも、料理、ゲームの攻略方法、スポーツなど、いろいろな分野で活用されている。また、消費者の抱えている疑問や悩みを解決してくれることから、消費者をファンに変えるための特効薬になる可能性も秘めている。イーコマースサイトを成功に導く次の戦略として、ハウツービデオの導入を検討してみてはいかがだろうか。

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伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

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