« 2007年2月19日

2007年2月20日の投稿

2007年2月21日 »

昨日(2月19日)発表されたビデオリサーチインタラクティブの調査によれば、SNSの視聴率が減少傾向にあるという。調査によれば、SNSの年間訪問者数は1104万人で、ブログの年間訪問者数は2687万人とのこと。また、SNSとブログを併用しているユーザーは1057万人。つまり、CGMとしての年間訪問者数は2734万人規模になるという。

さて、肝心のSNSはというと、2006年12月時点のSNSの月間ユニーク推定訪問者数は469万人。2006年1月時点の月間ユニーク推定訪問者数が241万人だったことから、訪問者数に関していえばほぼ倍増したことになる。ここまではいい。

ところが、これが視聴率になると話は変わってくる。SNS訪問者1人あたりの月間平均視聴ページ数は、2006年7月の522.6ページをピークに減少。2006年12月は、約391ページにとどまったという。SNSの月間平均滞在時間も、2006年6月の3時間13分17秒をピークとすると、2006年12月には約2時間34分にまで落ち込んでいるというのだ。

一方、ブログの方は2006年1月時点の1445万人と比べると、2006年12月時点で1592万人と、月間のユニーク推定訪問者数だけみれば微増。しかし、視聴率は2006年12月時点でも訪問者1人あたりの月間平均視聴ページ数は約93.9ページ、月間平均滞在時間は約 55分と、落ち込みもなく安定して推移しているという結果が出ている。

このままSNSは衰退の一途をたどるのか。。。いや、そう結論づけるのは、ちょっと短絡的過ぎるような気がする。この数字だけを取り上げて、SNSベンダーやSNS運営者がことさら悲観的にとらえる必要はない。むしろ、ブームとも言える異常なSNS現象が落ち着いて、やっと本来の姿を取り戻したと見るべきだ。

SNSを運営してみるとわかるが、ユーザの多くは、コミュニティよりもブログを利用する傾向にある。コミュニティに発言するだけのユーザはたまにいるものの、自らコミュニティを立ち上げるというユーザは本当に珍しい。

faamの場合、楽曲や動画を投稿する作業場所をコミュニティにしていることから、自分の演奏を聴いてほしいと考えているアーティストは自らコミュニティを立ち上げることになる。ところが、一般のファンが自らコミュニティを立ち上げるという例はとても少ない。

この現象はミクシィでも証明済みで、コミュニテイを立上げていろいろ発言を繰り返しても、コメントをしてくれるユーザーは本当に少ない。テーマが面白くないと言われてしまえばそれまでだが、他のユーザーからも同じような話を良く聞く。

これが日記になると、反応が断然良くなる。リアルでは会ったことがないユーザーなのに、頻繁にコメントしてくれるから不思議だ。

この差はどこにあるのだろう。実は、この差はコミュニティとブログの性質の違いによるところが大きいのではないかと考えている。ブログは、他人に邪魔されることなく自由に発言できる。あくまでも主導権は自分にある。ところが、コミュニテイはそうはいかない。

コミュニティには、基本的には管理人なるものがいて、参加しているユーザーは何となくその管理人の監視の目に晒されているような印象を持ってしまう。遠慮なく自由に発言してと促されても、簡単に「はい、わかりました」とはいかない。主導権が自分にない分、参加することに勇気が必要になってくる。

それほど高度な情報を求めていないようなユーザーにとって、管理人という存在がいて、発言が規制されているような印象を受けてしまうコミュニティは、自由に好きなことが発言できるブログより、どうしても敷居が高いと思われてしまっているのでは?

そんなユーザー心理を反映してか、最近は高機能なブログを用意しているSNSが当たり前になっている。それが本来のSNSのあり方として正しいかどうかはさておき、ブログがSNSの重要なコンテンツの一つになっていることだけは間違いない。

数字に惑わされることなく、運営者はSNSを使ってユーザにどんな付加価値を提供したいのか、もう一度よく考えてみるべきだ。

※ ビデオリサーチインタラクティブの調査レポート
   http://www.videoi.co.jp/release/20070219.html


itoman

« 2007年2月19日

2007年2月20日の投稿

2007年2月21日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

伊藤 靖

伊藤 靖

株式会社リトルウイングス代表取締役。
青森県弘前市出身。大田区蒲田在住。
企業のメディア戦略、コンテンツ戦略、モバイル戦略の構築と実行をサポートするサービスを提供しています。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
最近のコメント
最近のトラックバック
カレンダー
2012年12月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
itoman
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ