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企業の寿命は30年と言われますが、中には100年、200年と続く企業があります。 特筆すべきは、長寿企業の多くが日本の会社だということです。

参考資料:1000年以上続く老舗企業(街の灯)
日本は、創業1000年以上の企業は7社(他のデータを見ると6社)、500年以上が32社、200年以上3146社、100年以上では5万社余りと、世界でも類を見ない長寿企業国家。

(200年以上続く企業)    

・日本・・・・・・3146社    

・ドイツ・・・・・837社    

・オランダ・・・222社、    

・フランス・・・196社

 

これって驚くべき数字ですよね。
長寿企業の大半が日本企業です。
中でも最古の歴史を誇る金剛組などは、法隆寺の建造を請け負ったとか。

なぜ日本の企業がこれだけ長寿なんでしょう。 リンク先のレポートでは、「本業重視」「信頼経営」「透徹した職人精神」「血縁を越えた後継者選び」「保守的な企業運用」「外国からの侵略が少なかった」「職人を尊重する社会的雰囲気」などを挙げています。

たしかにそういう理由もあると思いますが、やはり日本人の民族性の占める部分が多いのではないでしょうか。

日本人はドラスティックな変化を嫌います。 古いものを壊して新しいものに一新するということを嫌う民族です。 世界で最も長い王朝に日本の「天皇家」がありますが、歴史の中でどれだけ権力者が入れ替わっても滅亡しなかった稀有な存在です。世界の他の民族なら時の権力者に徹底的に滅ぼされます。しかし藤原氏、源頼朝、足利氏、豊臣秀吉、徳川氏が天皇家を滅ぼすことはありませんでした。 歴史上、天皇にとって代わろうとした人物がいないわけではありません。 足利義満、織田信長が有名ですが、何故か彼らは天皇にとって代わろうと考えた時に変死したり謀反で殺されます。

こういう民族性であるため、日本では革命が起きません。 革命が起きる国では古い体制、価値観は徹底的に否定されます。 政治家だけでなく、富裕層や教育者なども迫害され、滅ぼされます。

しかし日本では事実上の革命はおきません。 政権は変わっても、天皇家を頂点としたヒエラルキー、人々の価値観は変わらないのです。 だからどれだけ世の中が変わっても、古いものが「生き残る」「尊敬される」という土壌が脈々と続いているのでしょう。

結果として国家そのものが長く続き、そこに誕生した企業も長く存在し続けることができるのだと思います。

これが、日本の企業が長寿である理由だと私は思います。

20世紀後半から、このような日本の民族性がグローバル社会の中で大きな弱みだと言われ続けてきました。 革命が起きないということは、言い方を変えればパラダイムシフトが起きにくいということです。新しいことを始めたり、新しい価値観を持ち込むことが難しい国です。

しかしこのような日本の民族性って、本当に弱みなんでしょうか?

日本の政治を批判する声は大きいですが、そもそも昔から日本の政治家、役人は同じようなことを何百年も続けているだけです。ちょっと変わったことをやると殺されるんです。 日本企業の体質の古さを非難する声は多いですが、そもそも日本企業の体質というのは数百年変わってないんです。だからこそ長生きできたともいえます。

改めて思うのは日本という国、日本人という民族は不思議で神秘的な存在だということです。 共産主義が廃れ、

アメリカを頂点とした市場原理主義、自由競争社会に限界が見えてきた今、日本はけっして捨てたものではないと最近思っていますが、みなさんのご意見はいかがでしょうか?

芝田忠始

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