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30年に渡って関わってきた米国のITの出来事、人物、技術について語る。

コンピュータソフトウエア協会、シリコンバレーを行く。Boxの巻き

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今回コンピュータソフトウエア協会(CSAJ)にくっついて2社を訪問。遠くに行くのが嫌なので、弊社のオフィースがあるサンタクララと自宅の近くのロスアルトスに限った。そうなると、EMCとBoxとなる。

Box

このブログはBoxに関して、というか、Boxに行って感じたことをとめどもなく書いてみる。

Box1

Boxの職場風景

最近スタートアップに行くと大体こんな感じだ。いかん、まず入り口から。大抵の会社は受付の人が居ても自動のチェックイン機能がある。一度名前を入れておけば次に来たときに簡単になるというところもある。最近は単に訪問するだけでも、簡単なnon disclosure agreement (NDA - 秘密保持契約)を要求するところも珍しくない。NDAの内容を真剣に読めば、とても入れないと思ってしまうが、一般的には儀式みたいなものだ。Boxはこの自動チェックインはiPadを使用しており、ご丁寧に写真まで撮ってくれた。バッジを貰って他の10名程度と中へ。一応通常エスコートが必要ではあるが、まあそれほど監視はされていない。もちろん監視しまくられる場所もある。例えば、データセンター運営会社などだが。。。

昔、日本の某NECの米国の子会社で働いたことがある。日本に行くと技術者がアメリカは仕切りがあって良い。日本は狭い空間に机を並べプライバシーもへったくれもないとこぼしており、低い仕切りをつけることが大きな問題だった。Boxに限らずその他のスタートアップでも、雑然と並べられた机で皆が仕事をしていることが多い。仕切りはない。座ってもよし、立って仕事をしてもよし、寝転んでもよし。つまり、個人が好きなようなやらしておく。また、備品、飯、本やそのアミニティは無料で提供する。余計に持って帰る奴や無駄にする奴はいるだろうけれど、人目もあるし、大体何時でも好きなだけ持ってけと言われると人間そんなに悪いことはできないものである。それに最近はこれが当たり前になっているんで、これを提供できないと人は来ない。

日本の某会社の場合(大分の会社がそうであるように)、技術者はスーツを着て、ネクタイしめて、ちゃんと席に居らねばならず、しょうむない会議にもでなければならず、アミニティは誰かの土産のお菓子だけというのでは、やる気も出まい。ところで、ここで一言言っておきたいのは、筆者はアメリカ礼賛ではない。「だから日本は駄目だ。」なんていう積もりは毛頭ない。違いは違いで、そういうもんだと言いたいわけだ。

CSAJのメンバーから出た質問で面白かったのは、情報やセキュリティ管理の問題だ。エスコートの人はいるものの、あまり監視されている気配もなく、ある部分を除いて写真撮影もOK。一体、情報管理やセキュリティはどうなってるんじゃということだ。

その前に前提として言っておきたいのは。まず、理解しにくいことの1つは、ここの大部分の人は会社は人生のある時点で生活に必要な金を稼ぎまた自分のキャリアを磨く場所だと割り切っていることだ。別にある特定の会社に固執していない。まあ、そういう人も一部にはいるだろうが。人間関係は会社を中心ではなく、それ以外の結びつきが大きい。

幾つも例はあるが、例えばSunでDirectorだった人がOracleによる買収時にeBayに移籍した。彼の部下だった人はあちこちの会社に散った。その後、1-2年経って会ったら、その大分がeBayにやってきてまた彼の部下になっていた。その他この人が中心となってデータセンター業界の業界団体があったが、彼がeBayに参加してから1-2年後、それに参加していた数人の人がeBayにやって来て彼の部下になっている。技術者は会社に群がるのではなく、特定の技術や特定のグループの人に群がる。もちろん、群がっても寄せてもらえないと話にならない。寄せて貰えるようになると、新たなスタートアップの話とか仕事とが付いてくる。これには、個人の実力、コネなどが必要となる。簡単は潜り込めない。

日本人は不利だ。貴方が中国人やインド人だったら、すでにそれぞれのコミュニティーがあり、母国の会社や大学や縁者や共通の友人などのコネがすでにあり利用できる。日本はそういうものの層が薄い。それぞれのコミュニティで、VC、マーケッティング、営業、CEOタイプ、CFOタイプ、あらゆる分野の技術者が揃う。日本人の場合は上で述べたようにそういうグループに寄せて貰えるようにコネと実力をつけないと苦しい。筆者は?アナリストや評論家は他人のことは言うが、自分のことは言わないことになってます。ここまでで前提は終わり。

では、情報漏洩はどうだろうか。人は会社から会社へと動きまくる。統計は知らないが、感覚としては2-3年も同じ会社にいるのは長い方だろう。人が動けば、その人と共に情報や秘密が動く。じゃあどうやって秘密保持するの?答えは余程大きな秘密で何億、何十億円にもなるような話なら、たまに訴訟が起こり新聞を賑やかす。でも、それは稀で、大部分は情報は漏洩している。しかし、漏洩というのは言いすぎで、情報の拡散と言ったほうが正しいだろう。自社から情報が漏れるということは、入社してくる人からも他社の情報が入るということだから。

簡単に言うなら、経営者は結果は社員にきっちり要求するが、業界標準程度のアミニティをがんがん無料で与えて、仕事のやり方に口出しせず、業績を上げて、profit sharingや株式の価値(社員に株式を与えて)をあげて、社員に競合に情報を与えて自社が不利になると将来上場できなくなるかもしれないし、自分のprofit sharingが減るのは損だと思わせることが肝要ということになる。

筆者も米国子会社の某NEC内で数十年前似たようなことをしようとしたが、東京の反対で出来なかった。

なんか、Boxの話からずれた。Boxは3月末株式上場に必要な書類を提供した。今年中に上場するかどうかは分からないが、日本にも進出のようだ。日本支社で社長も雇っている。詳細は、このコンファレンスに出席するのが良いだろう。来る5月20日に紹介のコンファレンスを東京で開催する。参加費は無料。

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