日本の状況を英語で発信することの重要性
サンフランシスコで開催されたDatacenterDynamicsのコンファレンスに参加してきた。日本のデータセンターが今回の大震災で受けた影響を報告するためだ。DatacenterDynamicsの友人はこの問題に大変関心を持っており、筆者のブログなどから記事を書いて発信してはいたが、彼の不満は何と言っても情報がほとんどないことだ。データセンターの被災については日本でもあまり話題にされてこなかったし、ましてや英語による情報はない。
そこでこの友人に、6月30日にサンフランシスコで行なわれるコンファレンスに日本データセンター協会(JDCC)から人を招いて話をしてもらったらどうかと提案した。彼は早速コンファレンスの係りと交渉してくれ、コマが取れた。さて次はJDCCを説得することだ。人は送れないが、筆者に代わりにやってくれという返事。しかしこれはやばい。表層的なことは話せても、筆者はデータセンター運営者が求めるような詳細を語ることはできない。そこで、東京でJDCCの会議に参加させてもらい、本物がやってきてこそ正しい情報を伝えることができると訴えた。その結果、IDC Frontierの山中氏がプレゼンを用意してサンフランシスコまで来てくれることになった。
コンファレンスで発表する山中氏
発表当日、筆者の短い紹介の後山中氏が登壇。英語が得意でないというのは日本人的謙遜で、完璧な英語でしかも物怖じせず、堂々とプレゼンを終了した。これは只者ではない。DatacenterDynamicsの宣伝に加え筆者もありとあらゆるコネを駆使した結果か、かなり大きな会場が結構埋まった。ざっと見たところ100名程度か。質問もガンガン出たが全部に答えることはできなかった。セッション終了後も質問者は引き下がらず、とうとうしまいには次のセッションの人に腕づくで追い出されてしまった。
この後、データセンター関係の有名人に氏を紹介したが、中でもOracleのエネルギー ディレクターのMukesh Khattarは山中氏を捕まえて離さず、質問攻めにしていた。彼は後のセッションでも山中氏の名を挙げ、氏が提供した情報を紹介していた。山中氏のような人はたくさんはいないだろうが、一企業のためではなく日本のためにスポークスマンを勤めて欲しいものだ。
左から、筆者、山中氏、Khattar氏
日本人間で励まし合うのも大事だが、外国への情報発信は不可欠だ。そして、IT分野は何が何でも米国だと考えてしまうのを止め、日本の技術に自信を持って海外に対し英語で発信しよう。日本の心を持ちながら、外国と対等に話ができる山中氏のような人がもっといないものか。。。。