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北カリフォルニアから見た東北関東大震災

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今回の大災害で犠牲となられた皆様に深く哀悼の意を捧げる共に被害者の皆様にお見舞いを申し上げます。

今回はカリフォルニアから見た震災について書いてみようと思う。まずCNNやその他のメディアはこのニュースを殆ど途切れなく流しており、ネットでも日本のTV番組を無料で見ることができる。更にATTやその他の電話会社は日本への安否確認の通話を無料にしている。日本の震災への関心が高いことの証明だろう。特にシリコンバレーやロサンジェルスは何時大きな地震が起こっても不思議ではないので、明日は我が身と災害に備えるようメディアが注意を喚起している。

驚いたのは、日本のニュースで、日本からの放射能の影響を心配して西海岸では買占めなどパニックに陥っていると伝えていたことだ。本当かと思って近くのスーパーに行ってみたが、店は平穏そのもの、人々もいつもどおりだ。店に行く車の中で、ロサンジェルスの市長か誰かがロサンジェルス地域の人々に、緊急時に備えて食料や水を備蓄するよう促していた。これにはぶったまげた。何の心配もないロサンジェルスで何ゆえに大騒ぎをするのか。日本の報道はこれを聞いて伝えているのではないか。確かに、検出された放射能値の中にはいつもより少し高いものがあったし、日本から着いた旅行者や貨物からは僅かな放射能が検出されたという報道もある。しかし、人々は冷静である。なんと言っても8,000kmも離れているのだから。

旅行者と言えば、3月末に東京に出かける予定であったが中止した。放射能も気になるが、成田に到着してからの足がいかにもこころもとないからだ。計画停電により電車の運行が影響を受ける可能性があるため、成田から都心への足も心配だし、都心内の交通もどれほど安定するか分からない。飛行機は通常キャンセルできない一番安い券を買っていたが、今回は飛行機会社が特例でキャンセルを認めてくれた。キャンセルは切符を買った旅行会社を通さなければならない。問題は旅行会社だ。個人経営のF氏はキャンセルが相次ぎ売り上げが軒並みに減少している。顧客からのキャンセルの手続きに忙殺されるが金は入って来ず、殆ど泣きそうだった。別の便に振り替えが可能なのでなんとかキャンセルしないでくれと頼まれたが、日本とのビジネスが今後どうなるか分からない状況なので今回はキャンセルした。日本旅行へ特化した小さな旅行会社が数多くあり、どこでも同じようなものだろう。日本の地震はこういったところにも影響を与えている。日本への旅行が激減すれば、潰れるところも出てくるだろう。

計画停電は筆者もカリフォルニアで経験した。20002001年に電力事情が悪化し、北カリフォルニアと隣のネバダ州に電気とガスを供給しているPG&Eが計画停電を実施した。電気の請求書には顧客番号の他地域番号というものが示されており、その地域番号を基にして停電が行なわれるので、少なくとも自分がどのグループに所属しているのか分からない、というようなことはない。筆者の家はPG&Eによって電気を提供されており停電の憂き目にあったが、仕事場では計画停電は行なわれなかった。筆者のオフィスはサンタクララ市にあり、ここは独自の発電所を持っているためだ。

原発を見直す話は米国でも出てきている。今後のエネルギー政策が見直されるかもしれない。クリーンエネルギーの太陽光発電や風力発電に投資が集まったり、それを促進する法律が通るかもしれない。しかしクリーンエネルギーの絶対量が足りない中、原発の運転を停止すると、電力の絶対量が足りなくなるため計画停電が必要となる。日本人よりも物資に恵まれた米国人が長期に渡る計画停電を我慢できるとは考えられない。天然ガスや石炭による火力発電の稼動を増やして停止した原発の代わりとするしか方法がない。原発は安定して電力を供給するということの他にもうひとつの顔がある。それは温室効果ガスを発生しない非常にクリーンなエネルギー源だといいうことだ。それに比べ火力発電は、多量の温室効果ガスと有害物質を大気に放出する。今後米国は、環境保護と快適な暮しを天秤にかけてエネルギー政策を設定していかなければならない。

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