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30年に渡って関わってきた米国のITの出来事、人物、技術について語る。

アメリカ発、日本の存在

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日本発の技術を発信しろと主張してきた。ちょっと方向は違うが、こういうのもあるかというのを紹介する。会社や団体を特定しないと説得力がないので名前を挙げるが、その特定の団体から依頼を受けてのことでないことを断言しておく。

シリコンバレーには日本から多くの会社が進出している。もちろん、以前に比較すればかなり減少したが。コンピュータの御三家を始め色々な会社の駐在の方と話す機会がある。前に書いたように、日本の会社はシリコンバレーでお客さん扱いされることが多いのではないかと感じている。日本の会社がシリコンバレーに店を出していることは悪いことではない。でもそれを一歩踏み出すと、日本の存在がもっと米国で見えてくる。

富士通は他の多くの日本の会社に比較して、海外に進出してのビジネスの度合いが大きいように思う。しかし、シリコンバレーでの投資という点では遅れていた。現在富士通アメリカの研究所のCEO兼社長である松本さんが投資部門を立ち上げた頃、訪問したことがある。松本さんの他、秘書が1人だけだった。その後今のポジションに就かれ、松本さんのリーダーシップの下、富士通はシリコンバレーでも目立つようになってきたのではないかと思う。

その根拠だが、まずアメリカ人スタッフの優秀さだ。日系企業では、どうしてこんな人という、ゴマすりはうまいが能力に問題のあるアメリカ人をよく見てきたから、これは非常に新鮮に感じる。そしてまた、外に対する発信に内容がある。先週、富士通主催の技術シンポジウムに参加した。これは毎年開催されるが、その時どきのタイムリーなトピックについてその道の専門家や有名人を集めて議論する場として提供されている。今年はスマートグリッドだった。概要はここに。たった1日の中で、重要な点を把握してプログラムを作成し、しかもその道の専門家を集めているのには感心した。

Matsumotofujitsu

松本氏

富士通からすれば、必ずしも日本を代表しているとは思っていないかもしれない。しかし、富士通にしろどこにしろ、アメリカ人から見れば日本の会社であり、それぞれの日本企業は多かれ少なかれ日本を背負っている。このシンポジウム、他のスマートグリッドのコンファレンスと比較しても劣らぬ内容で、素晴らしかった。これは富士通にとって良いことだが、それと同時に、アメリカ人が富士通の後ろにある日本に対して良い感触を持つという点で、日本にとっても良いことであったことに間違いない。

日本からシリコンバレーに進出している企業の現場の人に話を聞くと、日本の企業という枠から抜け出せないということを一番に言う。上の富士通の例は、日本というカードをシリコンバレーで使ってはいないが、結果として日本のイメージを上げることに貢献している。当然富士通は現在の米国のスマートグリッド技術や市場の状況を的確に捉えることができ、それを自社製品に生かすことができる。

このシンポジウムはビデオ撮影されていたが、多分富士通社内でのみ公開されるのであろう。だがそれでは勿体ない。筆者は頼まれもしないのに紹介した次第だ。もちろん、英語での発信も忘れてはいない。

英文の富士通シンポジウムの紹介


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