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日々のニュースの中から、ネット広報の可能性を探る

民主党代表選にみるメディア報道の「量」と「質」

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川上暁生氏が「絶妙のタイミングの代表辞任になるか」で触れられているが、あまりかわりばえしないメンバーでの代表選ながら、テレビを中心にメディア報道は民主党一色とも言っていい状況だ。

あす16日の投開票という短期決戦。民主党の支持率向上に向けたPR戦略としては「もう少し時間をかけて選挙を実施すればメディア報道を長期間にわたって民主党が独占できたのに・・」との声も聞かれるが、「週末のテレビ番組で、党の所属議員が好き勝手なことを発言したら、逆にイメージダウンになる」との指摘もある。メディア露出が増えればいいわけではなく、その報道内容が支持率の向上につながるような前向きで統一的なイメージを有権者に植えつけられるかどうかが重要なのである。

企業の広報部門も、PR活動の成果を、かつての「メディア露出がどれだけ増えたか」から「事前に設定したキーメッセージがどれだけ記事や番組で露出したか」に変わりつつある。情報管理を徹底しなければ、ブランディングどころかブランドが大きく傷ついてしまうこともあるためだ。

ところで、岡田克也副代表と鳩山由紀夫幹事長は14日に正式に出馬表明したが、その前日から、テレビ朝日の「報道ステーション」をはじめ、キー局のテレビ番組に相次いで生出演した。

画面で見る限り、いつになく鳩山幹事長の方が言葉に「魂」が入り、迫力があった。テレビの生放送は本当に真実が見えてくるものだと改めて感じた。今回は、米大統領選にならって投票直前に候補者のディベートが初めて行われるとのこと。テレビ中継があるのかどうかは定かではないが、その議論の内容だけでなく、そのたち振る舞いが評価されることになる。

広報・PRの歴史は、米大統領選の歴史でもある。約50年前、ニクソンとケネディがディベートを行い、テレビ中継された。ケネディはテレビで好印象を与え、ニクソンに勝利したことは有名な話だ。

民主党の代表選は広報・PR面から注目したい。

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