「頑張れ」を訳すのは難しい?
せのおさんがTOEICの話題を投稿しておられました。
「英語”で”話せません」というタイトルを見て、きっと悪いスコアなのだろうと思っていたのですが、自分より上の点数でした。負けました。私が学生時代に初めてTOEICを受けたときは550点でした。リスニングが300点でリーディングが250点という比率だったので、リーディングを集中的に勉強して再受験しました。そうしたらリスニングが200点でリーディングが320点になりました。それ以来、嫌になってしまって受けていません。そういうわけで英語は苦手なのですが、英語のネタを取り上げてみたいと思います。
昨日のエントリで「頑張ったけど成果が出なかった」ということを書きました。その最中にふと「英語で頑張れという言葉はない」という話を聞いたことを思い出しました。英語では「頑張れ」がもっと細分化されており、日本語の頑張れのようにオールマイティに使えるものがないそうです。 確かにalcなどのオンライン辞書で検索してみると、たくさんの熟語が表示されます。そのことについてネイティブの方がこのような事を書いておられましたので引用いたします。
RADIO GAGA! TV J-REPORT Podcasting の J-Report September 15th 2006『頑張れ !!』(2006年9月8日) より。
この「頑張れ」と言う言葉は英語と比べると圧倒的に日本語のほうが多いです。しかも、「頑張れ」に当てはまる英語はありません。場合によって使う表現が異なってきます。
どうやら頑張れに当てはまる英語がないだけでなく、英語と比較して日本語では頻繁に使われる表現であるようです。 このエントリでは筆者のJamie Davis氏が7つの「頑張れ」を紹介しておられました。下に紹介させていただきます。
1) Go for it !
掛け声みたいな表現。「力を入れて一生懸命やりなさい」と言いたい時に使う。"it" は目的。go for"は「直進で行く」。この二つを合わせると「目的へ直進で行け」ようするに「頑張れ」。2) Come on, Dig in ! Come on, Dig in ! You can do it !
"go for it"と違っていて、ちょっと相手が苦しいんでいるかなと言う時に使う。"Dig in"は「しかりしなさい」又は「もっと力を入れて」と言った意味がある。何かのスポーツ試合を見ている時に、選手達に対して使う掛け声。Ex. " Come on Matsui ! Dig in ! " Come on, Dig in ! You can do it. 「しかりしなさいよ!もっと集中してやりなさいよ!あなたなら出きるよ!」と言った感じだ。この"Come on, Dig in" と "You can do it."をよく一緒に使う。3) Hang in there ! Don't give up
Come on, Dig in よりも相手が本当に苦しい時に使う。もうダメだなと言う時。"Hang in" は「ぶらさげる」とか「ぎりぎり」と言う意味だ。だから"Hang in there"は「そっちが大変だと分かっているけど、応援しているよ!とにかくあきらめないで!」と言うような意味だ。 Don't Give up ! は分かると思うけど、「やめるな!」「あきらめるな!」とよう意味だ。 "Hang in there"とよく一緒に使う。4) Good Luck !
「うまくいくように」と願う時に使う。面接や試験などが上手くいくようにと言う時に人に言ってあげてください。
Ex. Good luck on your_______________.5) Have a good day ! / Have a good time !
直訳で言うと「良い一日を」「良い一時を」。だから、この二つの表現は本当に軽い感じの「頑張ってね」。相手は頑張らなくても物事がうまくいく時。ようするに別れの挨拶みたいな感じで使う。あともう少しで終わると言う時にも使う。
Ex. Have a good day at ______________________.(work, school etc ) Ex. Have a good time at______________________. (lesson, party etc )6) Great job ! Way to go !
「よく頑張った」、「よくやった」などと言いたい時に使う。*** 次は最近流行っている表現です。***
7) Have a good one.
様々な意味のある表現だ。これを覚えておくといいよ!「良い0000を」。例「良い週末を」とか「良い一日を」。それから「じゃね」や「またね」などの意味も。軽い感じの「明日仕事頑張ってね」などなど・・・ お別れの挨拶として、よく使われている。
とのことです。どれもこれも、言葉の感じから使用場面が想像できるような気がします。「Good Luck」は受験生を送り出す朝の場面などが思い浮かびます。これを「頑張れ」と訳しても問題ないでしょう。しかし部下に仕事をお願いした時に「Good Luck」なんて言おうものなら、何かとんでもない悲惨な仕事を振られたんじゃないかと思って引き受けるほうは心配になりそうです。グッドラックと言えば、戦闘妖精雪風シリーズで雪風が深井零大尉に対して「I wish you good luck」と言う場面がありました。私はこれを読んだとき、雪風が人間を突き放したように感じたのですが、これを「頑張れ」と受け止めるとまた印象が違いますね。
私の昨日のエントリでも、相手がどう受け止めるか考えないで「頑張れ」というのは危ういということを考えました。頑張れは上で言うと「Go for it !」の場合もあれば「Don't give up」や「Have a good time !」など様々なシチュエーションで使われる言葉です。頑張れという言葉が相手にどう伝わるか不安に思った時は、上の表現からどの「頑張れ」に近いか選び、その意図を明確にした言葉に言い換えて声をかけることができると間違いがないのではないでしょうか。
ex) この仕事を丸ごと君に任せるから、頑張ってね。⇒ Go for it. ⇒ 一生懸命やってね。
という文脈でも不自然には感じません。7つの英語の表現を頭に入れるほうが大変かもしれないですが、覚えてマスターできるようにDig inしたいと思います。
(このエントリに英語のコメントがついてしまったらどうしようかと心配しています。)