ホワイト企業の労働者もブラック企業を生み出す下地を作っているのではありませんか?
労働基準法に定められている以上言い訳無用という側面あるのですが、ブラック企業糾弾の記事でいつも疑問に思うのは、見積り方式で受託仕事の場合残業超過分をどう工面するのか?という問題があり、ここには経営努力が必要な面も当然ありますが、
世の中でホワイト企業と呼ばれる大手企業や公共系の仕事であったとしても、見積り方式で受託しているために、実際には工数が増えているけれどその額面の金額しか受け取れないという現実問題があることについて触れられることがほとんどないのは何故なのでしょう。
まずわたしが一番辟易としたのは、こちらは納期を守るためにスタッフのスケジュールを仕事を空けて確保しているにも関わらず開始時期が遅延、結局空けていたスケジュール分が無駄になったけれど、あくまで成果物に対しての見積りなので最初の金額しか支払われず、挙げ句制作ページ数が減ったことでの減額は可能か?と聞かれたときには唖然としました。
また、別な案件では大手メーカーの関連会社で、自分の親会社は絶対見積り金額の追加を認めないのが慣わしだから…という理由から本来の納期から1年以上納期が延びるような事案であっても追加コストを一銭も負担しない会社があったことも驚きでした。
元請が公共、上場企業や組合が強いところであれば当然残業代もちゃんと支払われるでしょう。でもこちら下請け、受注側は見積り制で通常業務時間外に仕事のオーダーが入れば当然収益率は低下する訳です。
で、元請・発注側の社員が意識希薄だったりすると、どんどん時間外にオーダーきたり、前述のような待機で無駄な人件費を浪費する場面が多々あったりして、このご時世ですから見積りの段階でもいろいろコスト圧縮を工夫しているだけに、こういう無神経なオーダーが連続するとまったくその工夫が意味をなさなくなるんですよね、、、
すべてとは言いませんが、企業規模や客だという立場を利用し、中小・零細、フリーランスに無理な条件を押し付けているのが、ホワイト企業の労働者でその影響がブラック化の下地を作るようなことになっていないでしょうか?
先日ちょっと触れた生産性の課題もありますが(本当の経営管理能力が求められている今、チームスピリットを利用した勤怠管理やプロジェクト工数管理は企業の大小を問わずお勧めです!)、
- 顧客都合による工数増加への受注金額訂正
- 作業時間の超過に対しての見積り訂正
こういった調整がスムーズに進むような企業間取引の土台の整備も一緒に進める必要あるのではと強く感じます。