会員80万人の電話注文を人が一切介在することなく成立させるパルシステムのAmazon Connect(アマゾンコネクト)導入例
コロナ禍からの復活と次世代システムを支えるAWS戦略
4年ぶりにリアル開催されたAWSサミットのサーバーワークス社のブレイクアウトセッションを紹介するエントリー第二弾。(前回の記事はこちら)
コロナは私たちの生活を一変させました。この数年の中でビジネス環境が激変した業界は多数ありますが、コールセンターに関わる業務も根本的な転換を求められた業種・業態の一つかと思います。
前回ご紹介した基本コンセプトを改めてご紹介しておくと、
- 源泉へのリソース集中
- 人手に頼らない
- 人が集まり、育つ会社
こちらの「人手に頼らない」という点について、パルシステム様では、Amazon Connect(アマゾンコネクト)の構築事例は非常に参考になるものがあります。
パルシステム生活協同組合連合会様:Amazon Connect導入事例
非常事態宣言や外出自粛の影響でパルシステム様は新規の組合員が増加、注文そのものも増えており、ピーク時には前年対比で140%、それ以外でも平均して120%ほどの供給量となっているとのこと。
パルシステム様のAmazon Connect(アマゾンコネクト)によるコールセンターと従来型の人の数に依存するコールセンターとの大きな違いは、
- コールが自動電話注文ダイヤルに着信
- 組合員の本人確認
- 注文対象の企画回あるいはカタログを確認し、注文品番号、数量を入力
- 注文品入力後、確認のために購入商品名が自動で読み上げられる
- 問題がなければ最終確認を行い注文が成立
↑この注文処理がAmazon Connect(アマゾンコネクト)とAWS Lambdaを組み合わせることで人が一切介在することなく成立しているという点であろうかと思います。
その結果として、サーバーワークス社のウェブサイトで紹介されている事例の一文はとしても説得力があると感じます。
電話対応を行うコールセンターのオペレーターは、パルシステムには200名ほどいます。内90名から100名程度が、アクティブに電話対応する体制となっています。自動電話注文ダイヤル導入以前は、注文のピーク時にはオペレーターの数を増やすなどで、組合員の方をなるべく待たせないよう工夫もしていました。現状ではそういった工夫を特にすることなく、増加している注文も捌けているのです
その他に考えられるAmazon Connectの活用領域
一般的にAmazon Connect(アマゾンコネクト)を説明しようとすると、
Amazon Connect(アマゾンコネクト)は、AWSが提供するクラウド型コンタクトセンターサービスで、コンタクトセンターシステムや自動受付システムを構築・運用することができます。
Amazon Connect(アマゾンコネクト)は、あらゆる規模の顧客窓口をセルフサービスで構築し、柔軟性のあるサービスを低コストで運用可能にするクラウド型コンタクトセンターサービスです。
↑こんな紹介文となる訳ですが、今回紹介したパルシステム様のAmazon Connect(アマゾンコネクト)によるコールセンターの構築例は、クラウドへの移行やDXといった取り組みの成果を感じるためにはとても良い事例と言えるかと思います。
最後に、コロナ禍におけるコールセンターの課題としては以下のような物があるようですが、様々な局面に対してAmazon Connect(アマゾンコネクト)によるコールセンターの構築は有効性を発揮できるであろうと推測されます。
- 「在宅勤務」の導入
- 拠点分散化による大規模コールセンターの減少
- 「アウトソーサー」の厳しい経営環境
- AI等を活用した顧客対応の自動化を背景に、ビジネスモデルが大きく転換し、オフィス利用床面積の縮小を検討する企業が増加する可能性がある
- その他、新型コロナウイルスの影響でビジネス環境が大きく変化したにより、今日のコールセンターは新たな課題に直面している