アップルがソニーの電子書籍アプリを拒否した事から見えてくるモノ
アップルがソニーの電子書籍アプリケーションの採用を拒否したというニュースが掲載されています。
ここで解説されている、
「iPhone(アイフォーン)や多機能端末「iPad(アイパッド)」向けのアプリを開発している企業は、アプリから自社ウェブサイトに誘導して、関連した売り上げを得たいというインセンティブが働く。自社ウェブサイトではなく、アプリ内で販売されれば、売り上げの30%がアップルに行くためだ。
この指摘については、雑誌コンテンツのような無料配布のビューワーから膨大な数のコンテンツを売りさばいていく会社にとっての30%はとてつもなく大きい数字だと思います。
これまで書籍は本屋さんが販売してくれるもの…という棲み分けが出来ていたところに、現在はアプリ開発業者や自社から直接コンテンツを流通させられる環境になっており、先日ご紹介したようにePubのファイル形式の電子書籍をWebページやメールのリンクをクリックすることでiBooksに直接取り込める環境が出来上がった今時期、今回のニュースのようなソニーの電子書籍アプリケーションという大きな話しでなくとも、有望なコンテンツをもっている著者、出版社の方々には直接流通への取り組みが可能になっています。
ここ最近漏れ聞くところでは、取次ぎ関係の会社さん、そしてこれまで販売を担ってきた本屋さんへの配慮という観点で、直接流通をおおっぴらに展開しない…という方針の会社さんが多い、もしくはいろいろ業界内に漂う空気を察知して動くに動けない…という話しもチラホラ聞こえてくる日本においては、雑誌のバックナンバー活用という観点においてはダイヤモンド社の例がありますが、わたしのブログでこれまで複数回紹介しているJazzJapan誌の小額決済導入と編集部が直接電子版の販売を行っている取り組みは非常に稀な例かと思います。
確かに大量のコンテンツを販売してくれる本屋さんは大切な存在に変わりはありませんが、電子版において、今回指摘されている30%を自社サイトで販売してそれを手元に残したいというのは当然の事と思われ、記事冒頭にもあるアプリから自社サイトへの誘導というのはFacebookのファンページから誘導と同様に2011年に大事な取り組み課題になるかもです。